記憶のピース
彩夏は、“自分”を思い出してしまう。 そんな時……―――
「私…青色能力、使えるんだったな」
“青色能力”という単語を耳にした時、彩夏は…
「……使い方も、思い出した」
そう。 彩夏は、使い方まで“思い出してしまった”のである。
……そしてまた、頭痛に苛まれる。
「いぐぁっ!!」
……思い出したくない過去でもあるのだろうか…?
そんなふうに見えた。
「ははは…彩夏の記憶が戻りつつあるな」
曽江川は“記憶が戻ること”に感心している。
しかし、それを知らない麻井や綾井、疾風は、首をかしげるだけだった。
「…さてと、ちょっと失礼」
不敵な笑みを見せる曽江川。
……と、その時だった。
突然空間が歪み、そして……彩夏だけが異空間へ飛ばされた。
そこには、飛ばした主の曽江川と、彩夏しかいない。
「それじゃ、ちょっとだけ痛いけど我慢しろよ?」
「くっ…! マズい、逃げられない……!!」
身動きがとれないまま、曽江川の思うがままにされてしまう彩夏。
曽江川は、いったい何を企んでいるのだろうか……―――――
―――――未確認世界、某所。
「……この状況はマズい。 まだ彩夏に“思い出させる”ワケにはいかない…」
謎の“フードを被った女”がつぶやく。
「そうよね。今このタイミングで思い出させたら……」
謎の“目が髪で隠れている女”がつぶやく。
彼女達は、一体………―――――――
彩夏に“痛い思い”をさせてまで、何をしようというのか。 曽江川の陰謀やいかに! ……次回! 7つの異世界~魔法世界編~ 『隠された過去』