熾宝泉姉妹
-----…ある界域 某所。
絵理「…どうやら全て思い出したみたいだ、彩夏が」
裂也「……っ! 思い出しちまったか…」
ここまで来てようやく裂也は絵理の言葉を信じた。
絵理「あとは、どう闘うか…かな」
裂也「彩夏のことだ、すんなり受け止めて直しに行くだろォよ」
絵理「…最後に試そう。神秘幻界の人達で」
裂也「そォだな。それで負けるようなら、そこまでだ…」
-----…第七世界。
「……」
過去に絶句して黙り込み、地面にへたれ込んでしまう彩夏。
「…聞かせて?」
それを悟ってか、優しく手を差し伸べる紗原。
その2人の目の前に、突如として現れる奈那。
「…彩夏、悪く思わないでね?」
何の前触れもなく、突然“神秘幻覇”を仕掛ける。
彩夏「うっ…!」
奈那「あれ? …いつもの彩夏なら効かないよね? どうしちゃったの?」
怯んでる彩夏に容赦なく、腹部に膝蹴りをし、そして床に押し付ける。
彩夏「うぐっ!? 奈、那……っ」
奈那「全ての記憶が戻ったんだね? 迷ってるって事は…」
彩夏「…うん…っ」
奈那「…彩夏は、その過去を見た今、どうしたいの?」
彩夏「私は……」
その時は答えなんて出なかった。過去に取り憑かれ、それでいて自分を危険な存在として見始めてしまっていたから。
恐らく彩夏の中では『自殺』が最も良い選択肢だと思ってしまったことだろう。それ以外には何も考えられない様子だった。
紗原「刺神…彩夏に何て事するんだ!」
彩夏を床に押し付けた奈那を離そうと奈那に襲いかかったが、そこを弟の大毅が抑える。
大毅「落ち着け、憂那…これは彩夏の為にやってるんだ」
そう言い聞かせ、紗原を抑える。
そんな最中、裂也と絵理も立ち会う。
裂也「全ての記憶、戻ったようだな。俺ァ信じられなかったが、絵理から全て聞いた…」
彩夏「裂兄ィ…と、姉さん…」
少し涙目になりながら、自分の過去と姉を照らし合わせた。
絵理「…全ての記憶を取り戻したなら、やることは1つ…分かるよね」
そう促すも、彩夏の中では答えは出ず、
彩夏「分からない…分からないんだよ…!」
と、またも姉を突き放す。
そんな彩夏に、絵理も少しずつ感情的になり、
絵理「いい加減に…」
と、今居る空間を支配する程の極大なオーラを解き放ち、彩夏に襲いかかる。
その時、いとも簡単に奈那は退かされた。
奈那「うぁっ!?」
絵理「目を覚ましてもらわないと…」
…バチィィン!!
思い切ったビンタで彩夏の頬を叩く。
彩夏「っ!!?」
絵理「…平和な世界を取り戻す。そのためには…」
その言葉を耳にした時、彩夏は悟った。
彩夏「…私のせいで生まれた“世界の歪み”である悪の根元すべてを抹消する。そのためには、私が生み出した“龍峰 朱”という最悪の人物を倒さなければならない…」
目的は決まった。あとはそれを果たしに行くだけ。だが…
彩夏「…私に朱は倒せるのか…?」
弱気になっていた。なぜなら龍峰朱は、彩夏の生み出した『理想型の悪魔』だからだ。
そんな龍峰に、彩夏は“最終決戦”を挑みに行く……!




