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7つの異世界  作者: 幡賀 吉紗
~第七世界編~
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彩夏の全て(過去)

 

香宇が黒光りした時、彩夏は全てを思い出していた。


-----…彩夏の過去の記憶 ある世界の某所。

何事もなく平穏に暮らしていた熾宝泉一家。そこに、絵理と彩夏が生まれる。

2人が10歳になった頃のこと。

父「いよいよ、この子達が本格的な能力者になって、全世界を揺るがす最強の姉妹としてデビューする時が来た。存分にデビューしてこい!」

母「貴女達は本当に強いわ。精一杯頑張ってね」

彩夏「がんばる! 姉さんに負けないくらいに!」

絵理「彩夏、私は負けないよ!」

当日、2人が『全世界チャンピオン決定戦』に参戦する。

小さい頃から魔法、魔術、超能力、格闘技の全てを身につけてきた姉妹は、本当に最年少チャンピオンとなった。姉の絵理が2位、そして妹の彩夏が優勝した。

彩夏「本気の姉さんに勝てたの初めてかも!」

絵理「…っ! まさか彩夏に負けるなんて…悔しいな」

それ以来、毎回シード枠として選抜。とてつもない伝説が幕を開けた。

しかし、そんな時だった。突如として彩夏は参加拒否し始める。

絵理「彩夏? どうしたの?」

彩夏「…つまんない。世界中の人達が弱く感じちゃう…」

実のところ彩夏は毎回、姉の絵理以外は完封して勝っている。春から冬まで4連覇。

彩夏「私が最強なのは変わらないから、面白くない。行かない」

絵理「…」

そんな彩夏に、絵理はビンタする。

彩夏「いたっ!? な、なに!?」

絵理「そんな彩夏を一度でも倒したくて“全世界チャンピオン決定戦”に参加してるのに…というより、お父さんとお母さんに約束したのに、それを破るの!?」

彩夏「…」

突然、彩夏の態度が激変し、絵理を拒み始める。

彩夏「…もう参加しない。みんな弱いから」

その後は部屋に閉じこもり、絵理とも会話しなくなった。


……ある日、突如として彩夏が部屋から出てくる。

その時には既に人格豹変していた。

絵理「…彩夏…」

もう彩夏に優しい姉は居ない。彩夏に対して冷たく接する絵理。

絵理「もう出てこないで」

妹を突き放す絵理。姉妹の絆は完全に途切れてしまった。

彩夏「…っ」

自業自得だから何とも言い返せない。引きこもった私のせい。

そう自分に言い聞かせる彩夏だが、耐えられなかった。


そして、数日間ずっと寝込んでいた彩夏。

家族内の練習にも参加せず、ずっと寝込んでいた。

彩夏「…」

その日のことだった。

何を思ったのか、突然、彩夏の能力が暴走し始める。

彩夏「全世界が弱すぎるなら、私が強い世界に変えてみせる…」

まずは家族から破壊していく。速攻で両親を殺してしまう。

絵理「ちょっと、彩夏! 正気なの!?」

止めに入る絵理。受け止めるも、彩夏の力が凄まじく強烈で抑えきれずに倒れてしまう。

彩夏「…」

しかし、姉は殺さずに家を出ていく。そして…その災厄は、全世界に及んだ。

魔法世界・隔世境界・変幻異界・祖源世界・神秘幻界・第七世界…と、次々に侵略していく。それも、たった1人で…。

その中でも魔法世界リバースは、完全壊滅にまで及んだ。その頃、裏全世界から遠ざけられて平和世界サーフェスにて平穏な暮らしをしている人々には影響無く、その事実を知っていたのは絵理だけだった。

だが、彩夏の侵撃も長くは続かず、途中でエナジー切れ。そこを突いて絵理は彩夏を捕獲した。

そして、親戚の清海家に訪問する。清海家は何も無かったようだ。

絵理「誰か居ませんか!?」

その問いかけに出てきたのは、裂也だった。

裂也「ん、熾宝泉家の…どうした?」

絵理「裂也…。いきなりで悪いんだけど、妹の彩夏を“清海 彩夏”として預かってくれないか? このまま熾宝泉家に居たら危険なんだ…!」

裂也「待て、何があったンだ!?」


……絵理は事の全てを裂也に話し、そして理解してもらえた。

『全世界の破滅』の事は伏せていたが。

裂也「なるほどな……了解」

絵理「記憶操作したから、出来るなら思い出させないようにしてほしい。思い出されたら困る…」

裂也「分かった。俺に任せろ」


こうして彩夏は、清海家の末っ子として熾宝泉家を離れ、平和に暮らしていた。


そして玄岬と出会い、恋愛。そして…(魔法世界編)…



-----…


彩夏「まさか、私が“始まり”だったなんて……」

紗原「……? 何の始まり?」

彩夏「あ、いや…何でも……」


彩夏は1人、その過去に縛られて動けず居た。


 

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