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7つの異世界  作者: 幡賀 吉紗
~第七世界編~
55/65

過去に起きた悲劇

 

厳堂「とりあえず、奴の住処は割れている。そこへ行こう」


その“唯一の生き残り”のもとへ向かう一行。

コンコンとノックする厳堂。

??「……はい」

少し静かな返事が返ってきた後、ゆっくりと扉は開いた。

厳堂「失礼」

彩夏「お邪魔します」

希夢「失礼します」

眞雪美「大勢で申し訳ありません」

香宇「入らせてもらう」

??「……珍しいな、弦丞。異世界の来訪者を4人も連れてくるなんて…」

どうやら厳堂と面識のある人物のようだ。

厳堂「お前を探してたみたいだったからな。連れてきた」

??「私を…探してた?」

厳堂「ああ。消失した世界の“唯一の生き残り”紗原 憂那 を」


彼女の名前は『紗原さはら 憂那ゆな』。

消失魔境の“唯一の生き残り”であり、かつては“全世界最強”ともうたわれていた。

そんな彼女の能力は“神力マイト”という


『“人工の”神の力』


を使える能力だ。


紗原「…なるほど?」

ついつい笑顔がこぼれる。今まで彼女を探しに来た人が居なかったからだろう…自分が探されていたことが嬉しくて笑顔がこぼれた。

紗原「んで探してる時に弦丞と会って…か。奇跡的だな♪」

その時、無意識に紗原はオーラを解き放ち威圧していた。

彩夏「っ!? このオーラ…」

そのオーラは彩夏の姉のモノに似ていた、とても強靭なオーラ。

香宇「…紗原さんは、あの世界の生き残りで間違いないね?」

紗原「ああ。私が唯一の生き残りだ」

彩夏「…こんな強い人が居るのに、そんな世界を壊すとは…」

そのとき何故か紗原は、その真実を知らなかったのか、

紗原「…? 私の世界は“壊れた”って聞いたんだけど…」

と、逆に質問した。

彩夏「…えっ?」

厳堂「ん? …そうだったな、お前は真実を知らない…」

意味ありげに言った後、厳堂は真実を語る。

厳堂「実はな…お前の住んでた今は亡き世界“消失魔境”は、最凶で最悪の人物に破壊されたんだ。龍峰 朱 と、3人の精鋭達によって…な」

紗原「そ、ん…な……っ。嘘、だよな…?」

厳堂「嘘じゃない、本人とは私も闘った。事実だ…」

その当時、龍峰と闘った厳堂。今更ながら真実を話す。

その真実を聞いた時、紗原は少し苦しげに俯く。

紗原「……っ! まさか、壊されたなんて…!!」



-----…ある界域 某所。

絵理「…ほとんど記憶が戻ったな。そろそろか…」

裂也「…そういやァ気になってたンだが…聞いても良いか?」

突然、裂也は絵理に問う。

絵理「いいけど…」

裂也「アイツの“記憶”…本当は戻って欲しくなかったンじゃなかったか?」

絵理「出来るならね。でも、数々の戦闘を通してほとんど戻った今は、全ての記憶を見て“過去と闘って勝ち抜いてほしい”と思ってるよ」

裂也「…なら、もう聞いてもいいか? アイツの過去」

絵理「…そうだね、裂也には話しておこう。彩夏の過去を…」


…その過去を聞いた時、裂也は驚きのあまり絵理に殴りかかる。

裂也「そンなの…ぜってー信じねェ!!」

しかし、それを軽々と受け止め、裂也を弾き飛ばして壁に叩きつけた。

裂也「っぐぁ!!」

絵理「たとえ裂也が信じなくても、それが真実…」

叩きつけた裂也に手を差し出し、立たせようとする。が…

裂也「俺ァぜってー信じねェ…そンなの…」

絵理「実の姉妹だから、あの時の彩夏を目撃してるんだ…。それでも、信じられない…?」

裂也「…だとしても俺は信じられねェ…!」

当時の彩夏を目撃した人物だからこそ、絵理は真実を話した。


-----…第七世界。

紗原「…まさか、そんなのありえない…!」

まだ信じきれずにいる憂那に、厳堂は自分の記憶を渡す。

厳堂「信じられないだろうが、私が対峙してきたその時の記憶を渡す…。信じてくれ」

紗原の額に自分の額を当て、記憶を少しずつ渡していく。



---…記憶共有、開始。


“最強の世界”と呼ばれていた世界。そこには“神力創造組織マイトクリエイターズ”という


『人を超越した能力を持つ“魔者”を生み出す組織』


が居て、その組織内では“神の力”が完成しようとしていた。

しかし突然、その力が創られることを恐れた奴らが現れ、それを消し去ろうとしていた。

その人物こそが『龍峰 朱』だった。

だが、神の力を前にすると、龍峰もなかなか襲撃できなかった。その時は彼も強くなかったからだ。

しかし、数日後…神の力が完成した頃、同時期に龍峰が再び襲撃してきたのである。

ただ、今回の狙いは神の力ではなく、神力創造組織だった。

そもそもの根源を壊そうと襲撃してきたのだ。それは成功してしまい、神力は奪われたかと思われた…。だがしかし、既に神力は“神力実験体モルモット”の妹(当時13歳)に託されていて、

「早くこの世界から出て。じゃないと“唯一最強の力を手にした子”でなくなる…」

という実験体の遺言を貰って、その世界から妹は去ろうとしたが…そこである人物に見つかってしまい、保護される。

その保護した人物とは、絵理と厳堂だった。

全てを悟った2人は……



---…記憶共有、終了。


厳堂「絵理に記憶操作してもらって、その事件を無かったことにして“壊れた”ことにし、私がお前を引き受けた。別にお前に敵意があった訳じゃない。それを抱えたまま憂那が龍峰に向かっていけば、その神力マイトが奴に奪われ、未曽有の危機に陥ると思っていた。だから実験体も『逃げて』と催促したんだろうな。そこを私と絵理が保護したんだ…」


紗原「そう、だったんだ…。ありがとう、弦丞……」

厳堂「礼には及ばん。時期を見て話そうと思ってたからな…」

そんな厳堂に、紗原は泣きながら抱きついた。

この時、突然ながら厳堂が意外な事実を話してしまう。


厳堂「…困ってるのは、私もだ。私の妻が…」


 

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