二龍
―――神秘幻界の某所。
「……オレらが動く必要ァ無さそうだな…」
清海 裂也が言う。
「そうですね。二龍が現れたから、明らかに必要ないですね…」
豊城 美華が言う。
「…ねぇ、裂也…美華…。そろそろ動かない?」
北川 亜沙紀が言う。
裂也「そうだなァ…。そろそろやるかァ…」
美華「そうですね♪」
亜沙紀「彩夏たちは第七世界に行ったみたいだし、さ」
裂也「…時期的にァちょうどいいか…」
―――――神秘幻界、奈那サイド。
「冥依…ここで静かに眠りなさい…」
龍華は吉亜に神秘幻覇を仕掛ける。それも、極限まで窮めた“真の”神秘幻覇を。
「あぐっ!? …この覇力…ありえない…わ…っ!」
吉亜は、その場に倒れ、龍華の前に跪いた。
「…と言いたいところだけど、冥依…あなたは私と真稀で面倒を見ることにするわね。」
覇力に驚いて動けない吉亜は、素直に受け入れた。
「……はい、お願いします…」
なぜか突然、敬語で話し始める吉亜に、奈那は驚いた。
(め、冥依が敬語で話すのなんて、初めて聞いたわ……)
…そして吉亜は、龍華と真稀と一緒に姿を消した。
「…ふぅ、一件落着っ。…冥依は、相変わらずだったね…」
「ん…。まぁ、世界を創り上げること自体は賛成だったけど、目的がアレだからなぁ……。ボクは、やっぱり姉さんを信じて正解だった…」
忌み嫌っていた弟を、今では信頼している奈那。
しかし、そんな姉を裏切る素振りは無く、姉と共に旅することにした大毅。
姉弟の仲は、今ここで、ようやく戻った。
「……でも、親を殺した罪は消えないけどね?」
クスッと微笑みかけ、今では心の奥底から弟のことを許している。
その微笑みを見て、大毅は奈那に後ろから抱きついた。
「ん……分かってる…。それは今でも後悔してる…。だから、親の魂を受け継いで、ボクと姉さんで…世界を平和に導こう!」
奈那はドキッとした。弟がここまで自分を愛していたことに対して、胸が張り裂けそうなくらい心臓の鼓動が早まっていた。
「……うん…!」
奈那は嬉し泣きした。涙が頬から滴り落ちる。
……しかし、その時だった。
「…よォ、奈那。姉弟で仲直りしたんだな…」
突然、裂也が現れる。
「え…裂也? どうしてここに…」
涙を拭い、問う。
……その理由は、奈那にとって納得できないものだった…―――――




