復活
そこに降り立った人物は、“吉亜 冥依”だった。
「いつ復活したんだ……。冥依…っ!」
奈那は言った。すると、冥依は答える。
「つい1年前の話かしらね…えぇ」
―――――…7年前に遡る。
その当時は“新しい世界を切り開くこと”を生き甲斐として生きてきた組織“極秘結社”のボスだった吉亜は、見事に切り開けた世界に満足していた。
切り開いた世界は『絶星新界』
…だが、その世界は壊されてしまった。
あろうことか、絶星新界で生まれた、不思議な女性によって壊された。
そして後に絶星新界は、こう呼ばれる。
『消失魔境』と。
それ以来、魂を注ぎ込んでまで作った世界を破壊されて行き場を失った吉亜と他の構成員は、消息を絶ち……そして『死亡した』ことにして姿を消した…――――
―――…その吉亜が、今こうしてここに居る。
「あの世界のことは今でも悔しいけど…私は再び、新しい世界を作るわ!」
その“世界の構築”の第一歩が、この神秘幻界で行われていた。
森林が復活しているのが、その証拠である。
「……やはり、神秘幻界に違和感を感じたのは、冥依…あなたのせいだったのね…」
「えぇ♪ 少しずつだけど、昔の神秘幻界に戻してるの。それが終わったら、また新たな世界を創り上げてみるわ…」
ここまで話された時、奈那の脳裏に何かが少し引っ掛かったため、吉亜に質問する。
「…そこまでして新しい世界を創り上げたい理由は何なの?」
そこだった。
これ以上世界を増やしたところで勢力が増すわけでもないし、増えた時、そのことに抵抗する人がいて、その人たちが反乱することだってあり得る。
それに、世界の管理バランスが崩れて世界が崩壊する可能性だってある。
そういうことも想定内で言っているのか、奈那には分からなかった。
…しかし、吉亜は、あっさりと答える。
「朱が創り上げた“独存冥界”や、熾宝泉の妹が創り上げた“特殊冥域”よりも強い世界を創り上げたいのよ…!」
奈那は、それを聞いたとたん納得したが、同時に反発した。
「本当に、それだけのために創るつもりなの?」
奈那は理解できなかったのだ。
独存冥界に負けたくないのは分かる。凶悪な世界の代表格だから。
しかし、特殊冥域に負けたくない、ということに強く反感を抱いた。
「……仮に創り上げたとして、その後どうするつもりなの?」
吉亜は、こう答えた。
「…私の創った新しい世界が一番強いことを証明するのよ!」
つまりそれは、独存冥界と特殊冥域を壊す、ということだ。
「…いくら冥依でも、それは許せないわね…! 今すぐ、その発言を取り消して!」
奈那はオーラを解き放ち、吉亜に向けて神秘幻覇を発動する。
「いいえ、取り消さないわ。…最強の世界を創り上げて、それを証明するまでは!」
吉亜も、奈那に向けて神秘幻覇を発動する。
…神秘幻界生まれ同士の、神秘的な闘いが幕を開けた…―――――




