祖源を超えし者
――沖城サイド――
空間を切り裂いた張本人、麻井の前に立ちはだかる沖城。
「祖源一族を始末しないといけなくなりましたわね…」
過去に一度だけ見逃し、そして一族を生かしておいた本人、沖城。
「その節は、どうも♪ おかげでいい感じに世界が壊せたわ♪」
そんな沖城に感謝する。
「そんなことのために生かした訳じゃありませんわよ?」
紫色を失って威力が弱まったものの、見たところ彩夏のオーラよりは大きい。
相当な試練を受けてきたのだろう。オーラの威圧感が別格だった。
「あら~? あんたもノリノリだったはずよ?」
そのオーラに負けじと、麻井もオーラを放出する。
そして左手に半分以上を集中させ、一撃必殺を図った。
「あの頃の私は、人を殺すことが出来なかっただけ。だけれど、今は“全世界戦争”にまで発展している荒れた時代。だからこそ自分が殺されても構わない。そういう覚悟の元で、人を殺めることが出来るのですよ?」
そのオーラを見て、沖城は警戒し、そして防御しつつも攻撃のオーラも溜め込む。
「死に際の捨て台詞として、覚えておくわね!」
麻井が沖城に仕掛ける。
その左手の破壊力は、一瞬で摩天楼を粉々にするくらい強力。
たとえ沖城でも、それを直接的ダメージで喰らってしまっては死んでしまう。
しかし沖城は、受け身の態勢をとっていた。
「それは此方の台詞ですわよ!?」
突撃してきた麻井の左手を難なく躱し、そして麻井に反撃する。
「甘いですわね。それで最強を名乗ろうなんて」
その反撃を喰らい、麻井の渾身の一撃は、不発で終わった。
「あがっ……!!」
しかし麻井は、まだ挫けなかった。
「今のは、ほんの挨拶代わり! 今から少し本気出すわよ!」
そう言って麻井は立ち上がり、そして今度は全身に気を込める。
「これが防げるかしら?」
その状態で、さらに右腕の魔力が増幅する。
そしてその右腕を使い、“空間裂衝”で空気を切り裂いた。
その亀裂に巻き込まれると必ず死ぬ、と言われている一撃必殺。
しかし沖城は、難なく躱し、
「その程度で本気なのかしら?」
と挑発し、そしてカウンターを決めようとした。が、その時…
「油断してると、痛い目を見るわよ?」
カウンターを読まれていたようで、攻撃は通らなかった。
そして更に、沖城は“何か”に絡まり、身動きが取れない状態になってしまった。
「な、何!? これ……」
…そう。 反撃を読んでいた麻井は、沖城をバインドで拘束したのだ。
「油断しすぎてるからよ♪」
そういい、全身のオーラを右腕に集中させ、一気に腕まわりのオーラを膨れ上がらせ、爪を尖らせ、心臓めがけて一直線に振りかざす。
……しかし、殺害した手応えが無かった。
「あら……? 一体どうして…」
そう考えている時だった。
今度は逆に麻井が身動きを取れず、更には“何か”に圧されている。
「貴女のバインドなんて簡単に解けますわよ?」
沖城が気合を込め、麻井を地に伏せさせた。
彼女の持ち合わせている“神秘幻覇”が効いているのかもしれない。
それを使い、麻井を立てない状況にさせ、色なしの総合系で麻井に渾身の一撃を喰らわせる。
「言いましたわよね? 祖源一族を始末する、と…」
麻井はノックダウンし、そして沖城は“祖源世界”の空間に戻ってきた。
…あとは、綾井と更幻、そして祖源支配だけ。




