彩夏
突然の頭痛に襲われ、正気を保てない彩夏。 その実態とは!? そして、陰でこの風景を見守っていた“謎の女”は、一体……―――――
「今のは……何だっていうのよ…?」
麻井は、本当に何が起きたのか分からなかった。
それもそのはず。
突然の“絶叫”で、一瞬で叩きつけられたのだから。
「もしかして……」
この時、綾井だけは分かっていた。
それが何かの能力だということ“だけ”は……。
…と、この時、陰から誰かが現れた。
「もう動いたんだ? 麻井“総隊長”」
その人物は、陰で見守っていた“謎の女”だった。
やはり、虹色のオーラをまとっている。
彼女の名は「曽江川 由真」。
謎の組織“BAE隊”の一員らしい。
彼女は『魔法世界』出身。
能力は“虹色能力”という『総合系』である。
「あら、由真♪ アンタは待機してればよかったのに」
「くっ…! 曽江川、なぜここに……」
疾風の注意は、麻井から曽江川へと変わる。
「ん? あぁ…“殺人犯抹消隊”の玄崎か」
ここで明かそう。 疾風は“殺人犯抹消隊”の『現リーダー』なのである。
そして、殺人犯抹消隊は“BAE隊”の宿敵なのだ。
「…っと、私は貴様を相手にしているワケじゃないんだ」
ここで、曽江川が話題を逸らす。
「……なぜお前がここにいる、彩夏」
知っているはずもない彩夏の名前を、曽江川は知っていた。
しかし、彩夏は曽江川を知らない。
「な、なぜ…私の名前を……?」
頭痛が未だに消えないまま、彩夏が問う。
「この私が“清海家”の存在を知らない訳がない。よって、彩夏のことも知らない訳がない」
その言葉が放たれた時
「「き…清海家!?」」
綾井と玄崎が、同時に叫んでいた……―――――
曽江川は、彩夏の正体を知っているようだった。 そんな中、彩夏は少しだけ“自分”のことを知って…いや、“思い出して”しまう…―――――