謎の能力
「アンタ達はここで終わるけど、祖源支配は終わらない…!」
そう言い麻井は、空間を自らの能力で切り裂き、色彩組の4人を別々の空間へと飛ばした。
更幻の前には彩夏、
麻井の前には沖城、
綾井の前には香宇、
そして、祖源支配の前には眞雪美。
―――彩夏サイド
「安心しろ。ボクはキミを倒す気は無い」
更幻は、最初からいきなり交渉しようとしてくる。
しかし彩夏は、
「悪いけど…アンタも祖源支配と同じ考えだろうし、交渉の余地は無いよ」
と祖源一族を切り捨て、戦闘体勢になる。
彩夏は更幻の背後に回り込み、脚に気を込めて蹴撃した。
……しかし、どうやら効いていないようだった。
それどころか、更幻が少しパワーアップしたような気配があった。
「そのくらいの攻撃では、ボクは倒せないよ」
彩夏の気が込められた蹴撃は、その“気”ごと吸収され、更幻のチカラとなってしまった。
「でも、痛かったけどね」
そう言い更幻は、同じように蹴撃した。
それを喰らってしまい、彩夏は大ダメージを受けた。
(こいつ…っ! 私の行動を真似したのか!?)
このとき彩夏は、まだ、更幻の“能力吸収”という能力に気付いていなかった。
「……それなら、これはどう?」
そう言って彩夏は、青が無いながらも、それと似たような攻撃をする。
着色はされていないが、“音速の槍撃(ファスターランス)”を更幻に仕掛けた。
「何をやっても無駄だよ?」
更幻は、また、彩夏の攻撃を吸収した。
「これもダメか……。それなら…っ!」
次に彩夏は、“音速気力砲(ファスターバースト)”を仕掛ける。
………その時だった。
突如として更幻は、吐血をし、そして、音速気力砲を喰らっていた。
「……な、なん…だ……? い、まの……は…っ」
正体不明の“何か”に更幻は圧され、そして能力を出せなかった。
そして彩夏も、そのことに違和感を感じ始めた。
(なんだ…? 私の攻撃が当たる前に、あいつが何かのダメージを受けたな…。私は音速気力砲しか出してない……ってことは、誰か他にいるのか?)
しかし、辺りを見回しても、更幻と自分しかいない。
(……っていうわけでもないのか。とすれば、一体なんだ…?)
疑問は深まるばかりだった。
そう考え込む彩夏の心の中で、誰かの声がした。
『“それ”が目覚め始めたか…』
「!!?」
その声は彩夏にハッキリと聞こえ、そして、その声の主に、心の中で聞いた。
(な、なにが目覚めたの…?)
すると、彩夏のその質問に、声の主は答えた。
『彩夏の“能力”だ。貴女の能力は“青だけではない”……』
そして、彩夏と声の主で問答が始まる。
(総合系の青だけじゃなく、他に能力が……?)
『そういうこと。今はまだ“謎の能力(アンノウン)”とでも名付けておこう』
(謎の能力(アンノウン)……。それは一体……)
『簡単に言えば、誰もすることが出来ない“逆応”が出来る』
(逆応……?)
初めて聞く単語だった。
『逆応というのは、言葉では説明しにくいけれど…強いて言うなら――――――ということ』
それは、“魔法能力の常識を覆す”とんでもないモノだった。
(そ、そんな能力が……私にも…?)
自分を見つめ直し、そして何か気持ちが高ぶってくるのを感じ取った。
『だからこその逆応とも言える』
そして声の主は、彩夏に真実を伝えた。
『その能力は、私と彩夏しか持ち合わせていない…』
(……私と、この声の主だけ…)
そして彩夏は、少しばかり有頂天になった。
「……負ける気がしない!」
考え込んでいて無くなっていった気合を取り戻し、そして放出する。
その時、彩夏のオーラは“何か別のモノ”になっていた。
倒れ込んでいた更幻は立ち上がり、そして、
「…本気を出しますか」
と気合を入れ直し、能力全開で彩夏に立ち向かった。
彩夏は、再び気合を入れ直す。
「祖源一族の目的が“世界の破滅”なら、私は、それを自分の手で止める!」




