祖源支配
白銀に輝く光は、魔法世界を創り上げた最強「祖源支配」を包み込みながら、召喚を始めた。
そしてついに、祖源支配が姿を現す。
「……長き眠りであった…。10年も眠っていたのが嘘のようだが、私は眠っていたのだな」
未だに正体が掴めない存在の“祖源支配”は、目覚めて早々にこう言った。
名前など無く、そして性別も不明。
……実は、この祖源一族は、“祖源世界生まれ”という情報以外が何も無い。
麻井・綾井・更幻……この3人も、能力以外の情報が全く無いのである。
更には、『祖源世界』というのも実在しない世界だ。
祖源支配が作った空間を、そう呼んでいるだけなのだから。
……先程13色が人魂から離脱してから意識を保っているのは、
冴子・彩夏・香宇・沖城・篠原 …この5人だ。
「10年ぶりだな…祖源支配!!」
突然、冴子がそう叫んだ。
すると祖源支配は、冴子のことをずっと覚えていたようで、
「また貴様か…。2度目であるな」
と言い、そして続けた。
「今度は完全に封印するつもりなのだな…。貴様ら色彩十三王皇が集まったということは」
冴子の考えは読まれていた。
しかし、それに動揺することもなく、冴子は、
「あぁ! 今度こそ“永久封印”を成功させるつもりだ!」
と、挑発し、そして突撃した。
右手に気力集中し、色の無い状態で攻撃をした。
しかし、それは簡単に消し飛ばされ……
……いや、消し飛ばされた訳ではなさそうだった。
むしろ吸収され………
……ている訳でもなかった。
軽く気力が“フェイドアウト”したような、不可思議な感覚に陥った。
(……? 何だ、今の…? 攻撃を消された訳じゃねえし…吸収された訳でもない……。かといって弾かれた訳でもない……。受け止められた感覚も無かったしなぁ………)
今まで見たことのない、不可思議な消え方をした。
「10年ぶりだから、忘れているのか…? 祖源支配の“真髄”を」
そう言い祖源支配は腕を振るが、冴子に触れることなく、彼女を吹き飛ばした。
そして、見えない壁にぶつかり、身体に大打撃を受ける。
「うぐっ!! ……はぁ、はぁ…っ」
その一撃で相当なダメージを負ってしまい、立つことが出来なくなった。
そんな冴子を見下ろして、綾井が“祖源支配”の説明をした。
「祖源支配という能力は、下手したら“現実を動かせる”んだ。 つまり今、貴様の能力は“無かったことに”されたんだ!」
それに続いて、麻井が説明を加える。
「そして、さっき祖源支配様が攻撃を仕掛けた時も、その攻撃が“見えなかったことに”されたから、アンタは吹き飛ばされたのよ♪」
さらには更幻までも説明を続けた。
「そしてボクらも、お前たちには見え………」
そこまで言ってしまった時、麻井と綾井が更幻の口を抑え込む。
「バカ! それは言うんじゃねぇ!!」
まず綾井が怒鳴り、そして、
「ったく……」
と、麻井は彼に対して呆れていた。
「安心しろ、麻井…綾井…」
祖源支配が会話に交わる。
「それがバレたところで、私の“支配力”は弱まらぬ。いつでもつ……」
今度は、こちらも口が滑りそうになり、麻井と綾井が、祖源支配の口を塞いだ。
「まさか祖源支配様まで口が軽いとは……!」
この口の軽さに驚き、祖源一族の全員が慌てた。
祖源支配だけは平静を保っていたが……。
「…そうして喋っているヒマあるかしら?」
篠原が前に出る。
「10年前と少し変わったわね、祖源支配さん?」
祖源支配が以前まで持っていなかった能力を持ち合わせていることに気付いた篠原は、そう言って祖源支配を挑発した。
「変わったと言っても、能力“だけ”の話なんだけどね」
さらに、挑発を上乗せした。
「……いいだろう、受けて立つ。今度こそ貴様を倒し、見事に地球を破壊した挙句、新たな惑星を築き上げる…」
目的を全て言い放った。
その言葉には、彩夏・香宇・沖城も、怒りを覚えた。
柑崎「……んなことさせっかよ!」
彩夏「地球を壊させはしない!」
沖城「貴方に世界を創らせてしまっては、ロクな世界にならない気がしますし、絶対にさせませんわ!」
………他色の9人が気絶した状態のため、この4人で祖源支配を封印するしか方法は無い。
しかし、相手も4人であるため、1対1を強いられる。
…能力を見ても、明らかに祖源一族のほうが強い。
色彩組の4人は、とても最悪な状態に陥り、祖源一族が有利な状況になってしまった……―――――




