行方知れず
「くっそ…! 奈那だけじゃなく、彩夏に須藤さんまで消えるとは……」
冴子は、変幻異界に来てから一度も見ていない真里のことも心配したが、彼女が一番に心配してたのは、彩夏のほうだった。
「須藤サン……一緒に変幻異界に来たハズなんデスがね」
「真里も大事だが、今は彩夏のほうが危険だ!」
記憶のことを知らない晋希だったが、直感的にそう言った。
彩夏の記憶のことを知っている人物は、そう多くはない。
清海家は全員知っているが、他にはほとんど知られていない。
軽々と話していいことでもないからだ。
「あぁ……彩夏のほうが危険だよ」
晋希に続くように、冴子が繰り返す。
「その理由は、時期を見て話す。 “今は”知らなくていい」
その言葉に団員は同意し、何も聞かずに冴子についていく。
―――――その頃の、某世界の某所。
彩夏と沖城は、同じ場所に飛ばされていた。
「うぐっ…! ここは……」
見渡す限りの暗黒。
しかし、紫色に禍々しく輝き、足場などない異空間。
宙に浮いているのか、地に足を着いているのか、分からなかった。
そこに、誰かが近づいてくる。
「あ……もう開いてしまったか。まだ時期尚早なんだけど…」
……彩夏は、その声に聞き覚えがあった。
「その声……まさか……!!」
そして、その声には、沖城までもが驚いていた。
「その声、その姿、その髪色……。……まさか、本当に………実在するなんて……!!」
その人物は、彩夏に近づく。
「彩夏の記憶……戻らせるのは、まだ早い…。 まだ未発達のこの時期に、あなたの記憶が戻ってしまうと……破滅する」
その人物は、彩夏の“記憶の全て”を知り尽くしていた。
「まさか……消したのは、あんたなのか…? 私の……記憶を……」
その人物に問う。が、しかし、
「消した人物は私ではない。私は…」
その先を聞いて、彩夏はとても驚愕し、また少し、自分を思い出してしまった。
―――――その頃の、冴子たち。
彩夏と沖城が、同じ異空間へと飛ばされてしまったとは知らず、
「っく……! 彩夏と沖城がいねぇと、揃えられねーじゃねぇかよ!!」
と、13色を揃えられないことに嘆いていた。
ちなみに、今の冴子たちの目的は……
13人の総合系を一か所に集め、祖源支配を呼び覚まし、そして永久封印する。
ただ、これを実現するには、全員が味方にならなければならない。
敵に数人ほどいる今の状況では、この戦略は不可能だった。
「とりあえず……」
そういって冴子は、今いる中で、色能力を持ち合わせている人数を数え始める。
「晋希が黄色…和美が赤…エメニヴェルが橙色…彩夏が青…沖城が紫…私が黒…香宇が藍色……」
実際、彩夏の彼氏の疾風も出てきているので、金もいる。
そして、敵ではあるが、出オチだった「路井 瑛美理」と、曽江川で、緑と虹色もいる。
「……あとは、白の“アイツ”と…白金の眞雪美と…銀色だな」
―――――変幻異界 某所。
「っくしゅん!」
白いオーラを解き放つ女が、クシャミをした。
「どうしたの? 風邪?」
銀色のオーラを解き放つ女が、白の彼女に聞く。
「いや…誰かがウワサしてたような気がするんだ。いきなり出たから」
「冴子なんじゃない? ウワサしたの」
「……そうかも」
―――――…冴子たち。
「とりあえず、先にアイツに会いに行くか」
白いオーラの彼女に会うのが楽しみで、ハイテンションな冴子。
冴子にとって、とても久しぶりに会う人物……
すぐにでも会いたいからと、団員を説得し、そこへ向かうのであった……―――――――
白いオーラを放つ彼女は、冴子が知っている人物。 おそらく白と銀の彼女らには、冴子に対する敵意は無い……はず。 安全に会うことができるだろう……きっと。 ということで、次回に乞うご期待!




