世界の崩壊
「綾井」に襲われそうになったが、実は綾井は「疾風」と知り合いだったため、襲われることなく居ることができた。
しかし…その平和も、束の間の出来事だった……―――――
「ん…? 綾井…いま、何か言ったか?」
疾風が問う。
「いや……」
綾井は何か言いかけたが、それを喋ろうとした瞬間に
「幻也、なんでサボってるのよ!? とっとと殺しなさいよ!!」
疾風と彩夏を“殺害”することを促す声。
「悪いな。コイツは俺の知り合いだから、絶対に殺さねぇよ? 霞澄」
綾井に殺害を促したのは、「麻井 霞澄」という女だった。
ポニーテールで、右手の甲に何か『刻印』がある。
彼女も、綾井と同じで“超能力”を持ち合わせている。
その能力は“瞬触爆壊”という名前らしい。
「はぁ……。だからアンタは“祖源世界”の“失敗作”なのよ!!」
「おい!? それ大声で言うなよ……」
それは、この魔法世界では“禁句”らしい。
なぜなら…
そんな世界は『存在しないから』である。
「祖源世界………!?」
この時、彩夏の身に異変が起きる。
「……うぐぁ!? ぃあああぁぁぁ!!!」
異常な頭痛と、その頭痛が巻き起こした“何か”が発動……。
そして、麻井と綾井は地面に叩きつけられる。
「あぐっ!!? な、何が起きた…のよ、今……??」
謎の“何か”で、上空300メートルから“一瞬で”落下し、地面に叩きつけられた霞澄。
だが……彼女は無傷だった。
逆に、叩きつけられた先の“地面”が壊れていたのである。
それも、半径数百メートルに渡って。
「麻井のヤツ……ついに動いたか…」
その戦闘を陰ながら見守っていた“謎の女”がつぶやく。
“虹色のオーラ”を放出しながら……―――――
突然襲ってきた頭痛が、彩夏を変えることになるとは…まだ、知るよしもなかった。
そして、陰ながら見守っていた“虹色のオーラを放つ女”の正体は……!