変幻異界
3つ目の異世界「変幻異界」
この世界は、魔法世界にも隔世境界にも存在しない異空間。
そして、“昔から存在した”3大勢力のひとつ。
とはいえ、隔世境界のように“同世界生まれ”だけが居る世界ではなく……
様々な世界から移住してくる人が多かった。
なぜなら、「観光名所だから」という理由で移住しに来る人が大半を占めているからである。
―――――同時刻、某所。
「……サエコ達が来たか。準備しないと」
白髪白眼で、白い衣装、そして“白いオーラ”を解き放つ女が言う。
「そうだな。久々に会う親友も居るみたいだし」
黒髪で、首元に星型の“刻印”があり、“銀色のオーラ”を解き放つ女が言う。
―――――冴子達は、変幻異界へとやってきた。
「ひっさびさの変幻異界だ! 変わってねーなー♪」
テンション高く冴子がそう叫ぶ。
「比較的平和になってきたし、観光でも楽しみましょ♪」
そう言って清魔団を変幻異界へ連れてきたのは、嵩崎弦裁帝吉姫。
そう。彼女は“変幻異界生まれ”だったのだ。
飛行する、タイヤのない車。
時速1000kmも出る危険なレーシングカーと、それが走るサーキット。
光り輝く、色鮮やかな街灯。
上空に頂上が見えないくらい高く建設された、超高層ビルや摩天楼。
人工的なマグマ、人工的な海。 人工的なそれらは幻想的な仕上がりで、見惚れてしまう。
「すっげぇ! さすがは観光名所だ!!」
そう感心する晋希につられ、和美、彩夏、冴子、結原も感心していた。
「……って、そんな場合じゃねぇ!!」
いきなり冴子がそう叫ぶ。
「今は奈那を探してるんだった…」
そうして奈那の捜索をしようとした時、誰かが冴子達の目の前を横切る。
「冥依……どこに行ったのかしら?」
どうやら、その人も誰かを探しているらしかった。
ロングの輝く金髪で、ルビーのネックレスをした、いかにもお嬢様な女性だった。
「……!? 紫色のオーラ…」
紫のオーラが見え、冴子がそう言った。
その発言が聞こえたのか、その人物は冴子たちをチラッと見て、こう言った。
「黒に、青…黄色…赤…オレンジ……って、冴子さん達ではありませんの!」
同じ清魔団の仲間の、あのお嬢様だった。
彼女の名前は「沖城 希夢」
出身不明。
総合系の“紫色能力”を持ち合わせている。
「そうだけど…沖城、何でここに?」
「えっ? ……それは、置いておいてですね…」
沖城は、話題を切り替えた。
「冥依がどこに行ったか、知ってたら教えてほしいのですが…」
「冥依…?」
その名前は、どこか聞き覚えのある名前だったが、今は深く考えなかった。
「はい。…知りませんか? こんな顔の人なんですけど……」
冴子に“冥依”と呼ばれる人物の写真を見せる沖城。
そして、冴子が答える。
「見かけてないな、その顔は」
「そうですか……。ありがとうございます」
そして、今度は沖城が冴子に聞く。
「それで、貴女がたの捜索している人物は誰なんです?」
冴子達の雰囲気を察してか、そんな質問をする。
それに冴子は答える。
「奈那のこと探してるんだけど、見なかった?」
…奈那の写真を見せた時、沖城の口元が一瞬だけ、不敵な笑みを浮かべた。
「彼女のこと探してるんですね」
「そうなんだけど……見かけなかったか?」
この直後の沖城の返答には、少し違和感を覚えた。
「奈那は、この世界で見かけませんでしたわ…」
そう言った沖城の口元は、少しニヤケたままだった。
まるで何かを予知したかのように…-----
変幻異界に来て、清魔団がすぐに出会った団員「沖城 希夢」。 彼女は一体、何者なのだろうか………。




