須藤 真里
「……今なら、別に話してもいいか…」
―――――数年前。
ここは、地球内の、とある世界。
真里は、姉の尸織と平和に暮らしていた。
「真里。ちょっと出掛けるから、留守番頼むね」
「分かったよ、姉ちゃん」
その頃、真里は10歳くらい。
姉の言うことを聞き、留守番を任される。
―――任されて何時間経っただろうか。
尸織は、一向に帰ってくる気配がない。
「買い物…にしては長いな。 遊びに行ったのか…」
真里の中では、そういう結論が出ていた。
……しかし、夜になっても帰ってこない。
「遅いな……」
…その時だった。
インターホンが、ピンポーンと鳴らされる。
須藤家は、誰かが一人で留守番をする時は、鍵を閉めることを義務付けられていて…
たとえ帰ってきたのが親でも、姉でも、一度はインターホンを鳴らす。
「おかえり、お姉ちゃ………」
そう言って、ドアレンズを覗き込んだ時だった。
数人の人達が、姉の尸織を捕えて、ここまで来たような雰囲気に見えた。
「真……里っ…」
「すみませーん。私たちは、珍しい能力を持ってる人たちを片っ端から殺していまーす」
…そう。この頃の真里は、まだ能力を身に着けていた。
この須藤家は当時、誰もが当然の如く“珍しい能力”を身に着けていた。
それがバレてしまって、両親は殺された。
今レンズ越しにいる“珍種討伐隊”の手によって。
そして、姉の尸織も、それがバレて殺されそうになったが……妹がいることがバレ、須藤家の自宅まで連行されてきたのだ。
「くっ……! 妹は……殺させな…」
「死にぞこないは黙ってろ」
尸織は、地面に叩きつけられ、その人たちに踏みつけられる。
「あがっ……! うぁ…………っ」
意識が朦朧としてきた尸織。
そんな姉を目の当たりにした真里は、ある決断をする。
「……仕方ない。この“珍種能力”が狙われているのなら……」
真里は“魔装”を解除し、自分の手で壊した。
そして…………―――――
「私は…あの事件以来、能力を身に着けられない体になってしまったんだ…」
真里の壮絶な過去を知った清魔団一行は、とても聞き入っていた。
「そんなことが……あったのか……」
「でも、後悔はしていない」
その言葉に驚く彩夏と奈那。 それと同時に、結原、冴子、晋希、和美も驚いていた。
「私に能力なんて必要ない。能力なんて、自分の心と他人を傷つけるだけ…」
真里は、こう心の中で語っていた。
しかしそれは、彩夏にだけは聞こえてしまう。
(……? 今、真里のやつ喋ってなかったな…。 なんで聞こえたんだ?)
そのことは真里には気付かれていない。
気付いてないフリをして、真里にそのことを聞く。
「なんで後悔してないんだ…?」
そう質問すると、真里の肩がピクッと動く。
彩夏だけは聞いてしまったので知っているが、他のみんなは知らない。
「……話したくないなら、無理には聞かないよ」
そう言い、彩夏は、真里の肩を抱き寄せる。
しかし…その行動が、逆に真里を傷つけることとなった。
「…………聞いたの?」
こう問われた時、彩夏は少しだけギクッとしてしまった。
「あ、えっと………」
彩夏は真里に耳打ちする。
「ごめん……。 聞こうとしたんじゃなくて、“聞こえてしまった”んだ…」
「…っ!?」
真里は“聞かれたんだ……”というショックと同時に、“他のみんなには聞こえてなくてよかった…”と安心した。
そこでまた、彩夏が耳打ちする。
「大丈夫だよ……聞いたの私だけなんだし、秘密にしておくから」
―――――…場所は変わって、某異世界。
「……!? まずいわね…! もうそんなに“戻って”しまったの!?」
仮面で目を隠した、性別不明な人物が言う。
―――――…再び、清魔団集会所。
「一刻も早く“祖源支配”を永久封印しないとだな!」
いきなりそう切り出した、団長の冴子。
奈那「そうね! 彼を一刻も早く封印しないと」
晋希「全ての黒幕“祖源支配”……」
和美「でも…封印するためには、また“アレ”しないといけないんじゃなかった?」
冴子「あ……そうだった! あ~もう…面倒ぉ……」
その“アレ”を成し遂げ、祖源支配を封印するため、清魔団が動き出す。
過去に起きた、珍種能力者殺戮事件。 その事件の黒幕は“祖源支配”だった。 祖源支配を倒すため、冴子率いる“清魔団”が動き出す!




