1話 始まりの出来事
「きれいな空だな~」
あ~ 今日もいい天気だ~
「おい、リル、現実逃避は辞めて潔く現実に向き合え。そもそも、ここ森の中だから空なんて見えないだろ」
「まったくヴォル君はうるさいな~ 僕には見えてるんだよ~」
まさか、散歩してたら悪獣と遭遇して、威嚇してるなんて、気のせいだよ~
「どうする?あれ、絶対、刺激したら襲いかかってくるぞ」
「ね~ ヴォル君ならあれぐらい1人で止めれるよね~ きっとできるよ~ 最低でも僕の代わりに餌となってね~」
「リル、お前、俺に囮になれというのか。お前のお得意の投げナイフで威嚇ぐらいできるだろ」
たしかに投擲は得意なんだけどね~ 今、問題があるんだよな~
「じゃあヴォル君、僕に投げる武器を貸してよ~ 僕の持ってた投げナイフ全部置いてきたんだよね~ それに、そんなことしたら、こっちに向かってくるかもしれないよ~」
投げナイフはキャンプ地に置いてきちゃったからね~
他に投げてそうな物なんて持ってないしな~
それに、こんな話をしてる間に、ゆっくりとこっちに近づいてきてるしな~ どうするかな~
「なあ、リル」
「どうしたの~ヴォル君?傭兵の癖に、あの悪獣がそんなに怖いの?」
「違う、後ろから目の前のやつよりも、もっとおっかないのが来てる」
それはまずいな~
悪獣だけでも精一杯なんだけどね~
まさか、追いかけてきたのか~
「リル君、ヴォル君見~つけた♪。なんで私だけ置いていったのかな♪リル君、私と少しお話しようね♪」
悪魔が来た~ すごく笑顔なのに、目が笑ってないからかなり怒ってるんだろうな~
「そのね~ 僕たちはちょっと散歩に来ただけなんだよ~ だから決して、スズを置いて行った訳じゃないんだよ~」
「そうだぜ、嬢ちゃんだから、そんな笑顔でこっちに棍を向けないでくれよ。できれば、あっちに向けてほしいんだが」
「嫌♪私がお話ししたいのは、リル君だけだから。ヴォル君は少し黙ってて」
スズの標的は、どうやら僕みたいだね~
でも、悪獣の方はなんで襲いかかってこないのかな?
「リル、あの悪獣どうやらスズに怯えてるみたいだぞ」
「ということは、このままなら、悪獣は逃げるかもしれないの?」
「そうだが、どっちにせよお前の命はなさそうだな」
「ヴォル君助けてくれるよね?僕を見捨てないよね?」
「俺を囮に使おうとしてたのに、助けるのはな」
さっき話したことがこんなところで返ってくるとは思わなかった~
こんなことなら、あんなこと言はなかったらよかった~
「それじゃ、リル君ちょっとこっちに来てね♪」
これは、ほんとうに危ないかもな~
誤字、脱字などがあれば言ってください。
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