よく異世界恋愛で出てくる何故か属国の王宮にいる宗主国のスパダリの話
「エリザベート、私は真実の愛に目覚めた。婚約破棄を宣言する・・・すまない賠償をしよう」
王宮の広間で婚約破棄をヘンドリック殿下から大勢の貴族の前で宣言されたわ。
戸惑いと安心感と悔しさがこみ上げる。
私はこの国の王太子妃、王妃になるために必死に教育を受けて来た。
重たい責任から逃れられる安心と・・・・
男を取られる悔しさがこみ上げてきた。
女として負けた?
だって、殿下の真実の愛の相手は・・・ピンクブロンドの男爵令嬢は
ドスン!ドスン!と登場した。
「オラ、ミーシャだ。すまないだ。エリザベート様、堪忍してくんろ。オラ、ピンクブロンドに転生しただ。フラグがあっただぁ」
意味不明なことを方言で話す男爵令嬢は身長180㎝くらい。ドレスの二の腕が切られている。
筋肉隆々で普通のドレスが着られないのね。
肩にはマサカリを背負っている。木こりかしら?事実の指摘よ。
「殿下、男爵令嬢では王妃は無理ですわ」
「うむ。そうだ。私は王宮を出てミーシャの父上の領地で木こりをやろうと思っている」
「オラが、教えるだぁ」
「・・・どこで出会ったのですか?」
「うむ。遠乗りで魔物に襲われているところを助けてくれたのだ」
「んだ。危なかっただ。お互い一目惚れだ」
あの殿下が王宮を出ても一緒になりたいという。
私だって愛を育もうとしたのに・・・これほどの決意をするほど・・・負けたのね。
許せない。
私は床に座り。泣いてしまった。
「グスン、グスン、グスン、私はこれからどうすればよいのですか?」
「エリザベート様、それは自分で考えるだ」
その時、貴族達の中から一人の貴公子が出てきて後ろから私の肩に手を置いたわ。
「ヘンドリック君、それはあまりにもエリザベート嬢に失礼ではないか?」
「オメ様誰だ?」
「ゴホン、オーハン帝国のミッセル。第5皇子だ。このザクソン王国の宗主国の皇子だ。記憶したまえ」
「何や、スパダリか?何歳じゃ?」
「26歳だ!」
「なら、エリザベート様の8歳上か。スパダリ8歳差説かぁ?」
「何を言っているのか?」
スパダリ?何の意味かしら?
「ヘンドリック君は、ザクソン王国の王位に相応しくない。王太子を辞退したまえ」
「いや、だから辞退するのだが・・・」
「さあ、エリザベート嬢、私の婚約者になってくれたまえ。私の再従兄弟の親戚はこの国の王族の血がある・・・君さえよければ王妃になれるぞ」
「グスン、グスン・・・」
婚約破棄されて求婚されたわ。どうしたら良いのかしら・・・
「君は素敵だ。あの男爵令嬢はまるでオークのような醜女じゃないか?教養もない。さあ。一緒にざあぁをしよう!」
ビクン!
思わず反応した。
それはそれ、これはこれ、人の外見のことをいうのは許せない。言った時点で戦争だわ。
私だって、右頬ににシミがある。
それが嫌で嫌で髪を縦ロールにして隠しているくらいだ。
ヘンドリック殿下も怒ったわ。『言って良いことと悪いこと』は同意できる。
「ミッセル皇子殿下、言って良いことと悪いことがあるぞ!ミーシャは叱ってくれたのだ。魔物の潜む森に入った私が愚かだと。
大切にしてくれる人が悲しむから『やめてけれ~』と私の心の底から心配してくれたのだ!」
しかし、ミーシャ様は思わぬ見解を述べたわ。
「ダーリン、エリザベート様、少し、待つだ。オーハン帝国と言えば政略結婚で勢力を広げようとする国策だぁ。 女帝が頑張って子供18人作っているだぁ
だからスパダリを派遣していたんだ。他の国でもあっただぁ。国を乗っ取るつもりだぁ」
え、そうなの?そう言えばそうよね。
「ミーシャ、詳しいな」
「んだ。んだ。なして我国の王宮にいるだ?
それに宗主国と言っても、同輩中の主席だ。皇子がこの国に来るぐらいだ。頑張れば何とかなる国力差ぐらいだぁ。東方諸国の宗主国とは雲泥の差だ」
そう言えば、オーハン国の使者が属国で傲慢な態度をとって生意気だからと二階から落とされた事件があったわ・・・
「東方諸国の宗主国ならそうはいかないだ!属国は奴隷だと同義だぁ」
「そうなのか?」
「おい、私は宗主国の皇子だぞ!」
「ミッセルどん。拳固かかせっぞ!出ていくだ!」
「えっ、母上に報告するぞ」
オーハン帝国の皇子は逃げ出した。
陛下は心を病み。退位。
ヘンドリック殿下に責任を取らせようと王位につけたら・・・・
連戦連勝だ。ミーシャ様が王妃将軍になって、オーハン国の軍隊を破ったそうだわ。
私は同盟国の王子との婚約が検討されているが、
それはそれ、あれはあれで、
もう少し大嫌いなミーシャ様の活躍を見ていたいと思ったのでまだ国にいる。
・・・軍事的才能、それは実際にやってみなければ分からない面がある。
ミーシャは将兵に好かれ。同盟国とも共闘。
このミーシャの乱は地方分権化が進み独自の文化が花開くこと礎になった。
最後までお読み頂き有難うございました。




