~アスター家~
「これまでの歴史解析の大きな過ちは、
国境を越えた企業ファミリーの系譜について、精密で体系的な調査を行わなかったことである…
…地球は、ロスチャイルド財閥だけで動かせるほど小さいという事実に、
ほとんどの人は気づいていない…」 by 赤い楯著者・広瀬隆
*ジョン・ジェイコブ・アスターは、タイタニック号に、夫妻で乗った。妻マドレーヌだけが助かった。
アスター一族は、ニューヨーク開発の時代に土地を買占め、今日のウォール街、マンハッタン全土を手中に収めた。
ニューヨークの土地の王様である。
初代のジョン・ジェイコブ・アスターは、初代ロスチャイルドと同時代の1763年に、
ドイツのウォルドーツに生まれた。兄ヘンリーとともに、楽器商で働いていた。
その後、ロンドンからニューヨークに渡る汽船で、毛皮商と知り合った。若きアスターは、これに眼をつけた。
毛皮で大もうけし、ニューヨークの土地を買い漁ったわけである。
この初代アスターが死んだのは、1848年、南北戦争の前だった。その当時、アメリカ最大の資産家が、このアスターであったわけだ。
銀行業が盛んになると、ニューヨークは急成長した。当然、土地を持つアスターは、ニューヨークの王様となった。ちなみに、ウォール街の「ウォール」とは、インディアンの襲来から身を守るために築いた“砦”に由来する。
さらに、三代目、四代目になると資産は膨れ上がった。ニューヨーク一のホテル;ウォルドーフ・アストリア・ホテルを建設した。
四代目のジョン・ジェイコブ・アスター(タイタニック号で死亡した…)の資産は、今から八十年前で、一億ドルに達していた。楽に、一般市民の“十万年分”の生活費となる。
アスター家が毛皮で成功したのは、毛皮だけでなく、
アメリカ・ロスチャイルド家二代目ウォルター・ネイサン・ロスチャイルドと、銀行家ワーバーグ、そしてルーズヴェルト大統領が一族であったからである。