~グッゲンハイム家~
「世界は東西に分かれているのでもなければ、国境によって分かれているのでもない。“侵略者”と“人間であろうとするもの”によって二分されているのだ」
by 映画監督 エロス・ジャロット
*ベンジャミン・グッゲンハイムは、アメリカ一の鉱山王であった。
南アフリカの金鉱に進出していた。
一族は、金銀などの精錬事業では、世界一の従業員の数を誇っていた。
祖先はスイスのユダヤ人で、1847年にドイツからアメリカに移民ラッシュが起こったとき、そのひとりが、マイヤー・グッゲンハイムであった。
鉱山開拓には、莫大な資金が必要だった。
グッゲンハイム七兄弟は、鉱山を確保するために、モルガン財閥の門を叩いた。そこで、海軍長官を務めたウィリアム・ホイットニーから融資を得た。(ホイットニー家は、アメリカの大財閥ヴァンだービルト家と閨閥を結んでいた…)孫のコーネリアス・ヴァンダービルト・ホイットニーは、『風とともに去りぬ』、『レベッカ』、『スター誕生』など大作映画のスポンサーである。
かくして、グッゲンハイムは、モルガンから資金を得ながら、「アメリカ精錬―ASARCO―」を設立。金属の流通部門を支配した。現代アメリカ最大の非鉄金属会社「アサルコ」として、ユタ州やオーストラリアで、ウランを採掘しているのが、この会社である。
「ユタ製銅」と「ケネコット製銅」を支配したグッゲンハイム家は、
金銀をモルガン財閥に届けながら、財閥としてのし上がっていった。
*ニューヨーク・シティーにあるグッゲンハイム美術館は、自宅の敷地の、ほんの一部を利用して建てられた。
*このグッゲンハイム家は、ロスチャイルド一族であった。
タイタニック号に乗って、死亡したベンジャミン・グッゲンハイムの弟ソロモンが、
イレーヌ・ロスチャイルドと結婚し、ベンジャミン自身もまた、イギリス・ロスチャイルドのネイサン一族と閨閥を取り結んでいたからだ。