~ゴールドスミス家~
本書は、ユダヤ人による世界政府などという「陰謀論」を支援するものではない。
欧米貴族を知ることは、ビジネスを知ることになる。弱肉強食なグローバル社会を生きていく上で必要な、一つの教養なのである。
*わがJ・ゴールドシュミット(ゴールドスミス)家は、フランクフルトのゲットーに活動した。
それから、ロンドンで、性のつづりを変えて、姿を現すようになった。
原語で書けば、フランクフルト家(Goldschmidt)が、アムステルダム家(Goldsmid)になったのである。
シティーで自殺を遂げた、ベンジャミンとエイブラハムのゴールドシュミット兄弟は、後者のオランダ系であり、
ウォール街を震撼させる乗っ取り屋J・ゴールドスミスは前者のフランクフルト系である。
*J/ゴールドスミスの祖父アドルフ・ゴールドスミスは、もともとドイツのフランクフルト出身で、
イギリスに渡る前の姓が、ゴールドシュミットであった。
英語名Goldsmithと、ドイツ語名Goldschmidtは同じ姓で、金の細工師を意味する。
このアドルフ・ゴールドシュミットの兄マクシミリアンの妻が、
ミンナ・ロスチャイルドであった。
現代のゴールドスミス家=ロスチャイルド家という名家こそ、
いま述べたJ・ゴールドスミスの祖父の代に誕生した家系になる。
*ロスチャイルド家のJ・ゴールドスミスの言葉。
「私は、ユダヤ人に対する時は、カトリックである。
カトリックに対する時は、ユダヤ人である。」…
…人格を民族や血によって定義するほど馬鹿げたことは無い。先入観は禁物である。
*本書の解析の目的が、“ユダヤ人”ではなく、
“ロスチャイルド家”と“ロスチャイルド財閥”であることを明確にしておきたい。
ロスチャイルド財閥には、ユダヤ教と対立してきたキリスト教徒だけでなく、全世界の宗教が含まれている。
たとえば、
最も激しい敵対関係にあるはずのアラブ・イスラム世界に目を転じると、
「アラブ・プリヴェ銀行」の経営者は、
J・ゴールドスミスの、三十年来の、ビジネスパートナーである。
*J・ゴールドスミス(ジェームズ・ミシェル・ゴールドスミス)という巨人。
この男は、ニューヨークのウォール街とロンドンのシティーを股にかけ、
投資家として最大のタバコ会社「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ」を買収しようとしてきた。ラッキー・ストライク、クール、ケントなどのメーカーである。
*ゴールドスミス、この名は金を連想させるが、
その通り、ヨーロッパ第三位の食品会社「カヴェナム」を瞬く間に作り出し、
全世界のビジネスマンが注目してきた、重要な財政家である。
フランスの雑誌「レクスプレス」を買収した。
三度目の結婚相手は、ロンドンデリー公爵家の娘。
アメリカの貴金属商ハンディー・ハーマンを動かし、
イギリスのマーチャントバンカーとして、南アに大きな利権を持つ「ハンブローズ銀行」をパートナーとする。
ケイマン島の脱税会社「ケイマン・アイランズ社」の社長として君臨・
エッフェル塔の四本足の一本を、買収した、ゴールドスミス。