悪魔ダンジョン攻略5
宝箱の中身が交通誘導棒とみせかけたライトニングワンド...じゃなくって電撃棒。電撃棒をプリモに持たせるのに苦労するという謎の対ガイドラインバトルがありました。棒状のものに反応して拒否するソラ子の特性、これはユーザーとAIとどっちが悪い、いやエロいと思います?
「マップによるとこの先に宝箱があるようですから回収しましょう。」翡翠が月煌に導かれて次の部屋に進んだ。
「ちょっと待って!」罠に対して鼻がきくJK2号が宝箱をクンクンした。「大丈夫。」
「鍵開けなら任せて!」ルナが釘を器用に使って解錠した。
「これなあに?」
ミナが取り出したのは大型の交通誘導棒のようなものだった。俺はそれを受け取ってボタンを押した。すると棒全体がまばゆい光を放ち、先端から稲妻のような電流が迸った。
「きゃっ!」ミナが一瞬の身の捌きで落雷を避けた。
見た目はあれだが、これは俺にも使える珍しい武器だ。ブリッツシュタープと名付けよう...いや、長すぎる。単純に電撃棒にしておこう。
「良いものが手に入った。これからは俺もこれで攻撃に参加しよう。」
第4階層に続く階段のある部屋にはリリスとアグラト、そして2体のアークデーモンがいた。どうやら2組の夫婦のようだ。奴らは俺たちが現れるとすぐに襲いかかってきた。リリスは俺に魅了を試みたが対策済みなので無事。アークデーモンは怪力で前衛に殴りかかったが、ペンテシレイアは盾で防いで耐えた。アグラトは強力な全体魔法の詠唱を始めた。俺はさっきの電撃棒でアグラトを攻撃した。落雷を浴びてアグラトの詠唱が止まった。そこにエルフたちの矢が数本刺さり、アグラトは倒れた。
「ヴァイタルアブソーブ!」「あぶそ~ぶ!」
エラとメロのヴァイタルアブソーブを食らってアークデーモンの身体がだんだん縮んで行く。エミリーのガトリングガンがリリスをハチの巣にした。亜依と霧江が1体のダークデーモンを切り倒した。もう一体は天使たちの光魔法を受けて倒れた。
「案外あっけなかったわね。」
エラは精気を限界まで吸ってテラテラになってオーラをダダ漏れにしている。メロも目がトロンとなっている。
「次の階へ進む前にここで待機してマッピングを済ませましょう。」翡翠は式神を階下へ放った。
「ピーピー、クルゾ、サッキノヤツダ、ゲッコウヲツカマエタ。」
「あ、月煌が!」
「ふっふっふっふ、こんな小動物に情報収集させてはいけませんね。動物虐待ですよ。ほら、こんなに怯えて...」
「ヴァイタルアブソーブ!」「あぶそ~ぶ!」
エラとメロは精気を吸おうとしたが満タンだったので吸えず、周囲にこぼした。属性魔法を使える仲間が詠唱を始めると、デーモンロードは10体の女悪魔を召喚し肉壁を作った。俺は女悪魔を避けてその奥にいるデーモンロードに電撃を落とした。デーモンロードは舌打ちして俺を睨んだ。女の肉壁は前衛の攻撃で半分に減っていた。そして仲間の属性魔法がデーモンロードを含む複数の敵を巻き込みながら炸裂した。しかし、デーモンロードの背後からリリスが現れ、治癒魔法で仲間を治し始めた。俺はミナルナに目配せした。アサシンの上位互換であるくノ一の暗殺術でヒーラーのリリスを倒す。それを見たデーモンロードの注意がわずかにそれたとき、ミミちゃんが飛び出して月煌を解放し連れ戻してくれた。捕虜を失って冷静さを失ったデーモンロードは剣を抜いてミナルナに斬りかかったが、17世紀の激戦を生き抜いてきたくノ一に当たるはずもなく、剣は空を切った。デーモンロードは怒りに顔を歪めながら、今度は3体のグレーターデーモンを呼び出した。悪魔だらけの敵勢に闘志を燃やしたセレスとステラは天使専用光魔法の裁きの光を放った。グレーターデーモンのHPは半分以下になった。JK隊に切り刻まれグレーターデーモン2体が倒れ、残りの1体はペンテシレイアに切り伏せられた。
「終わりだぁ!」
エミリーのガトリングガンが火を吹きデーモンロードは崩れ落ちた。
「逃がさん!」
転移魔法を唱えようとしていたデーモンロードの首をペンテシレイアが切り落とした。ミミちゃんは転がったデーモンロードの首をひっかいた。
「フフフ、ワタシニカテルトオモウナ。」
「月煌を感知できる敵がいるとは思わなかった。」
翡翠は月煌を抱き上げて頭を撫でると収束させた。
「危険なので消費型式神を使います。捕まって消されても問題ありません。」
翡翠は式神を3体呼び出して階下へ放った。しばらく待つと3体の式神は戻って翡翠に報告し、収束して消えた。
「これがラストダンジョンのマップです。中ボスが2体います。」
「ダイヤモンドが採掘できるのか。これで資金問題は解決だな。」俺はニンマリした。
「この地獄温泉って何だろうね?」メロは興味を隠しきれない。
いよいよラストダンジョンです。戦闘もしんどくなるのでしょうね。ああ、めんどくさい。




