ドラゴニック・ヘブン攻略2
ドラゴンはHPが高い上に攻撃力が半端ないので、タンクがいないと苦戦します。
「ピーピー、クルゾ「、コンドハシロッポイ。」ミミちゃん警報だが、白いではなくて白っぽい?
「アイスドラゴンだ。シンプルな敵だ。氷を吐いて火に弱い。」メートヒェンは説明してすぐ火魔法を唱え始めた。
「吸って大丈夫かしら?お腹壊さない?」.....「あら、ひんやりして気持ちいい!」エラは吸いながら満足の笑顔。
「甘くて冷たい。アイスみたい。アイスだけに。」メロは吸いながらどう扱って良いかわからないダジャレを放った。
亜依とメートヒェンは火魔法で激しく体力を奪っている。イナンナは少し迷って闇魔法を放った。アイスドラゴンはアイスブレスを吐いた。前衛のHPが削られ、寒さで意気消沈した。
「メロも火のブレスで攻撃しろ!」これは俺の指示。
俺はポーションを投げまくったが人手が足りない。
「エラ、イナンナ、ポーションを頼む。前衛が倒れそうだ。」
ここからは消耗戦になった。ドラゴンの巨体を倒すほどには火の魔法の威力は強くはない。おそらく属性魔法への耐性があるのだろう。
「あら、何だかお腹が痛い!」エラの様子がおかしい。
エラがアイスブレスを吐いた。メロがファイアーブレスをファイアードラゴンから得たように、アイスドラゴンの精気を吸ったエラがアイスブレスを習得してしまった。
「エラ、グッジョブ!だけど今は使うな。アイスドラゴンにはご褒美になる。」
メロのファイアーブレスと亜依とメートヒェンの火魔法、エラとイナンナの闇魔法、霧江と菫玲の物理攻撃、天華は治癒に専念している。消耗戦に勝つのは、やはりアイテムボックスから回復アイテムを出し続けられるこちらだった。
「よーし、火の攻撃は撃ち方やめ!残りは物理でとどめを刺す。」
もはやブレスも吐けず抵抗する力も失ったアイスドラゴンを全員で殴り続け、ついに倒した。素材は失われていない。パーフェクトだ。
「クエストから戻ったら、竜素材から魔法をブーストする薬が作れないか考えてみる。」メートヒェン先生が何かアイディアを思いついたようだ。
「ピーピー、マタクルゾ、コンドハアカイ!」
「ファイアードラゴン。説明する必要もないわね。さっきのと逆。ただファイアーブレスの破壊力はすさましいから注意!消し炭になるわよ。」
こいつはちょっとやばいかも知れない。ブレスで前衛のHPは8割以上持って行かれる。下手すると死者が出る。こちらの属性攻撃はエラの覚えたてのアイスブレス、霧江とメートヒェンの水魔法、あとはどれだけ有効かわからない闇魔法だ。前衛のHP回復に手が回らなく可能性もある。これは撤退したほうが良さそうだ。
「菫玲、メートヒェン!土壁を幾重にも展開してくれ。敵が土壁に阻まれている間に俺たちは退却する。布陣を整えて再挑戦だ。」
帰り道にまたあのゴールドドラゴンが寝ていた。尻尾はまだ再生していなかった。エラとメロはゴージャスな精気をまた少しいただいた。メロが頭を撫でると、飼い猫のように目を細めて気持ち良さそうにしている。そして...俺たちが立ち去ろうとしたら付いて来るではないか。どうする?仕方がないのでしばらく歩くと、あのドラゴニュートの女がいた。
「おい、ドラゴンクイーンはどうした?」女は舌打ちして尋ねた。
「その前のファイアードラゴンがヤバそうだったので一時撤退だ。」
「布陣を整えて再挑戦か?」
「そうだ。」
「そのゴールドドラゴンは何だ?」
「なぜだか懐いて付いてくる。困っているので何とかできないか?」
「ふむ。」
ドラゴニュートの女はゴールドドラゴンの首のあたりを撫でながら聴覚のありそうな部分に何やらわからない言語で語りかけた。ゴールドドラゴンは妙な音声を発してそれに答えると、女は満足げに頷いた。
「また会える日を待ってるそうだ。何かお土産を持ってきてくれると嬉しいと言っていた。」
竜言語は誰もわからないので信用するしかない。俺たちは女とドラゴンと別れて入り口に戻った。
「おや、プリモさん、お早いご帰還で。」
受付はニコニコして俺たちを出迎えた。全員揃って帰還したので安心したのだろう。
「途中でリタイアだ。布陣を整えてアンコール・アタックだ。」
俺たちはまず防具屋へ行った。あのファイアーブレスへの対策をしないと先へは進めない。
「いらっしゃいませ。防具屋パシオン王都店へようこそ。」
「ファイアーブレスへの対抗策を相談に来た。」
「素材があれば、アイスアンダーウェアがいちばん効果があります。素材がなかなか手に入りませんが。」
「素材は何だ?」
「アイスドラゴンの皮でございます。」
「それなら大量にあるぞ。一匹狩ってきたところだ。」
「おお、それなら人数分を作っても余りますな。余った分は買い取らせていただきます。」
「で、そのアイスアンダーウェアとはどんなものなんだ?」
「そのまんまの意味ですよ。冷気を発して熱気に対抗する。アンダーウェアなので服の下に着込みます。防具に影響はありません。」
「寒いときに悪影響はないのか?」
「ございません。高熱に反応して効果を発します。」
「それは良い。人数分もらおう。えーと、うちのメンバーの数は...」
「今後増えることもあるかも知れませんので20着作っておきましょう。」
「そうか。よろしく頼む。」
次は道具屋だ。攻撃力をブーストするアイテムがないか相談しよう。
「いらっしゃいませ。道具屋パキスタン王都店へようこそ。」
「アイテムで物理攻撃力や魔法攻撃力をブーストすることはできないか?」
「うちにはありませんね。新たに開発しないと。」
「誰が開発できるんだ?」
「存じ上げません。知っていたら開発を依頼していました。」
「そうか、ありがとう。そうだ、クエストで大量に減ったのでポーションとMP回復薬を50本ずつ購入したい。あとこれはよく知らないのだが、麻痺とか盲目といったデバフから回復する手立てはあるか?」
「ございます。新発売のキュアポーション、これですべてのデバフから回復できます。」
「よし、それも50本だ。」
まさかの撤退です。布陣を整えて捲土重来。




