ピースメーカー対決、翡翠の帰還
ミナルナが新装備で登場です。
「やったー!」
ミナルナは新しいピースメーカーと新衣装を身につけて意気揚々と店に戻ってきた。
「私たち」「私たち」「闇のくノ一ミナルナ、ただいま参上!」
時間差の「私たち」に続くユニゾンの決め台詞で新ポーズ。気分は完全にアゲアゲで調子に乗っている。
「おう、できあがったか。」エミリーが2人を出迎える。
「うん、これから試し撃ち。」
「よし、それじゃ勝負しよう。6発のうち中心から3cmまで何発当たるか。」
「よーし、負けないぞー!」ミナルナは華麗なガンスピンを見せた。
勝負は僅差でエミリーが勝った。エミリーは今のところ銃しか攻撃手段がないから、そこで負けるわけにはいかない。
「そういえばエミリーは魔法適性の測定したの?」
「いや、してないね。魔法なんてできる気がしない。」
「測定だけでも受ければ良いのに。何か適性があるかもしれないよ。」
「そうだよ。火の魔法があれば燃やしたり溶かしたりできるよ。」
「火炎放射器か、いっぺんぶっ放してみたかった。」
「水魔法で凍らせれば、ブヨブヨしたスライムも銃弾で破壊できるよ。」
「うむ、いっぺん測定してみるか。」
「だったら一緒に付き合うけど、ただあのお店、適性ありになるとお買い上げというルールなので、お財布に厳しい。」
「なーに、そんなの全部プリモのツケにしてしまえばノー・プロブレムだ。」
「そっか。じゃあついでに銃弾も大量に補充してプリモのツケにしよう!」
「はっはっは、良いな、それ。ついでに服や靴もプリモのツケで買っとくか?」
「賛成!レッツ・ゴー!」
エミリーたちが立ち去ってしばらくすると、翡翠が修行を終えて戻ってきた。あの守護式神も一緒だ。それを見つけたミミちゃんがパタパタとお出迎えする。
「ヒスイ、ソノアオイノナンダ?」
「あらミミちゃん、これは私の守護式神よ。仲良くしてあげてね。」
「ナカヨクシテヤルカラヨロコベ。」
「この面妖な魔物は何だ?」
「トテモカワイイキャットバットノミミチャンダ。オマエノナマエハナンダ?」
「名前?そんなものはない。」
「カワイソウ、ナマエモツケテモラエナイナンテカワイソウ!」
「たしかにそうですね。」翡翠は考える人のポーズでしばらく考えた。
「ピカピカシテルカラヨルノツキミタイダ。」
「月の煌めきですか。月煌、これにしましょう。ミミちゃん、ありがとう。」
「我の名は月煌か、悪くない。」
「オマエサンレイノタキデウマレタダロ。」
「生まれたのではない。顕現したのだ。」
「ドッチデモオナジダ。オマエノミテキタモノガゼンブミエルゾ。」
「何だと?」
「ホレ!」ミミちゃんの目から映像が空間に映し出された。
「ちょっと!」翡翠が焦ってミミちゃんの目をふさいだ。
「ナニヲスル!」
「私はこんなはしたないかっこうはしていません。」
「いや、これは我も見た気がするぞ。」月煌が渭水を見上げる。
「コレモミロ!」翡翠の手をすり抜けたミミちゃんは次の映像を出した。
「きゃっ!」翡翠は悲鳴を上げてミミちゃんを追うが届かない。
「サイゴハコレダ。」
「ははは、これも見た気がするぞ。」月煌は喜んでいる。
「あなた、私を見て歪んだ記憶を残していたのですね。」翡翠は怒りの目で月煌を睨んだ。
「記憶というものは歪みやすいものだ。」月煌は煙に巻く。
「ミミちゃん!」翡翠は今度はミミちゃんを睨んだ。
「ミミちゃん、もう二度と月煌の記憶を映像にしないで。良いわね、誓うわね?」非水は小太刀の柄に手をかけてミミちゃんに迫った。
「ワカッタ。ダケドミミチャンワルクナイ。ゲッコウノキオクソノママニウツシタ。」
「あらあら、賑やかね。」エラとメロが出てきた。
「ミミちゃん、何をしてたの?ママに教えて。」メロがミミちゃんを抱こうとするが、すり抜けられた。
「あー、コホン、御巫翡翠、修行を終えてただいま帰還いたしました。」
「その青いのなーに?」メロの興味が月煌に注がれる。
「我は御巫翡翠の守護式神である。名を月煌という。」
「わあ、すごく偉そうに喋る。」
月煌の歪んだ記憶は翡翠さんの恥ずかしい姿をミミちゃんに映し出させてしまいました。




