JK隊員に名前を付ける、そして女神は初めてのサウナ
モブだった彼女たちも名前をもらえます。良かったね。
JK隊がキャストに昇格したので、店の雑事は通いのバイトたちに任せている。王都で唯一のコンカフェなので、バイトの応募者は多かった。裏方といえども客の目に触れるので、俺はビジュアルと愛想を重視して採用した。JK隊がいまだに1号2号呼びなので、バイトに名前はない。だが名前がないと不便なのでこいつらを1号2号……にして、JK隊には源氏名を付けてやるか。いや、キャバクラじゃないので源氏名は変だな。何て言うんだ、キャストの名前?芸名?いや、芸能人じゃないからな。まあ無難にキャストネームにしておこう。JK1号から4号まで、どんな名前を付けよう。適当に付けるとあとでわからなくなる。それぞれ1~4の痕跡を残すとなると........そうだ、50音の行で「あ、か、さ、た」の行に含まれる名前をつければ一目瞭然になる。よし、1号は、あいうえお...他の仲間とできるだけ被らないように...おや、「あ」が空いてるじゃないか。ならばシンプルに「あい」だ。他の奴らとの関係で「愛」は却下だな。一文字だから。となると「亜依」にしよう。亜衣と間違わないように気をつけよう。2号は、かきくけこ...現状キャラに1人もいない。2行目のいきしちにの2番目「き」だ。2号は1度戦死して俺が生き返らせた唯一のJKだ。思い入れが深い。「霧江」、水魔法適性の双剣使いだから良いんじゃないか?次は3号か。土魔法適性の斧使い。えけせてなの3番目「せ」だ。セレスが被っているだけだな。「せ」で大地の恵みとなると野草の芹ぐらいしか思いつかない。それにしておくか。芹華...いや、ダメだ。なぜか一瞬頭を暴走族のイメージが横切った。芹亜、亜の字は何かを支えるみたいな意味もあるので、良いんじゃないか、土魔法。よし、JK3号は「芹亜」に決定だ。そしてラストはJK4号。アタランタに私淑する槍使いにして、治癒と光魔法の適性を持つ、まさに守り神。えけせてねの4番目、「て」で始まる名前だ。現実でも少ないからメンバーで被るやつはゼロだ。だが、現実に少ないということは選択肢も少ないということになる。ちょっと1号から並べてみるか。亜依、霧江、芹亜...天華。ふふふ、降ってきたね。やはりメンバーを並べると振ってくるものだね。JK隊はこれより亜依、霧江、芹亜、天華だ。
「おーい、JK隊、入るぞ。」
JK隊は部屋着になってベッドに転がってダラダラしていた。こうやって見ると、ふつうの女子高生みたいだな。
「あ、プリモさん。ごめんなさい、まだお掃除が...」
1号、いや亜依が立ち上がろうとしたのを制して俺は宣言した。
「おまえたちはもう正式のキャストなのだから雑務はする必要がない。そのために通いのバイトをメイドとして雇った。メイドは4人いて、それぞれメイド1号、2号、3号、4号と呼称する。そしておまえたちだが、新たにキャスターネームを付けることにした。しっかり覚えるように。1号、おまえは今日から亜依だ。2号、おまえは霧江、3号、おまえは芹亜、そして4号、おまえは天華だ。しっかり励みたまえ。栄光は君たちとともに!」
俺はどこぞの軍隊の司令官になった気分に浸った。みんな名前を気に入ってくれたかな?
「プリモさん、名前、本当にありがとう...」亜依が涙を流している。尊い。
「作られてからずっとJKだったから本当に嬉しい。」霧江も泣いている。
「私たち、頑張ります。」芹那は涙をこらえている。
「私は天華、なんか強くなった気分!」天華は槍を持ってきてポーズを決めた。
良し!良い仕事をしたな、俺。女子の名前を考えるの、マジで大変だったけど、持てる人文知のすべてを投入してやりきった。俺は自分に感動して泣きそうになったが、それはあまりにもダサいので寸止めで耐えた。
「ところで天華、メイドを見たか?」
「はい、さっき2階の隅で工務店の人にお茶を出していました。」
「そうか、ありがとう。」
俺はJK隊の部屋を後にして2階へ向かった。
「メイド1号、ちょっとこっちへ。」
「はい、何でしょうか、プリモ様。」
「掃除をしているとき、たまに天使の羽根が落ちてないか?」
「はい、あの抱き上げるサービスをするとヒラヒラ落ちるようです。掃除するときに拾っています。」
「拾ってどうしてる?」
「羽毛布団が作れるかなと思って、物置に貯めています。」
「よし、捨てないで貯めておいたのは良い判断だ。これはチップだ。取っておきなさい。他のメイドたちにも伝えてくれ。天使の羽根を拾ったら、すべて俺、プリモに託すようにと。これは今後の作戦にも関係する大事な用務だ。」
俺はメイド1号と別れて物置へ行き、袋に入った天使の羽根を回収した。ふふふ、これは超希少な素材で、魔法防御を極限まで上げる天使のチュニックの材料になる。
居酒屋のサウナで2人のエルフは汗を流していた。
「それにしてもなかなかお金が貯まらないわね。」
「すぐ使っちゃうからね。」
「村にはお店なんてなかったから、何もかもが珍しくて、つい。」
「田舎者が都会に出てきてはしゃいでるみたい。」
「その通りなんだから別に気にしなくても良いよ。」
「そうだね。稼いで使って楽しもう!」
「あら、ここにいたのね?」エラたちが入ってきた。
「あ、もう限界なので出ますから、こっちへどうぞ。」エルフたちはサウナを出た。
サウナを出たエルフィーナとフェリシアはビールを飲む。
「ぷふぁあ、たまらないわね、サウナ上がりのビール!」
「エラさんじゃないから、ぷふぁあしても大丈夫。」
「エラさん、この後ビールを飲んでぷふぁあするかな?」
「絶対するね。」
「だよねー。」
「ほう、これがサウナか。熱いな。」イナンナは珍しそうにキョロキョロしている。
「この熱さが良いの。汗がいっぱい出る。」
「私、10分は我慢できるよ。」メロが危険な挑発を口にした。
「何、10分だと?ふふふ、甘いな。私は20分だ。」イナンナが簡単に挑発に乗った。
「やめなさい、2人とも。そういうの危ないのよ。倒れたらビールが飲めなくなるわよ。」
イナンナもエラもサウナに入ると耳が長くなってエルフみたいになっちゃう。これは画像生成AIのクセなのかも知れません。




