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巫女とサキュバスと異世界と、そして人文知は役立たず  作者: 青い水


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イナンナ登場

イナンナ?誰それ?「ペルソナ」に出てたっけ?

「お帰りなさい。クエストいかがでした?」店に戻ると翡翠さんが出迎えてくれた。


「たくさん収穫があったよ。JK隊がすごく成長した。魔法も覚えたんだ。」


「それは素晴らしい。戦闘でもステージでも成長したのですね。」


「誰も戦死者を出さずにクエストをこなせたけど。ヒーラーの重要性を改めて認識したよ。」


「ヒーラーと言えば、天使様2名がたった今魔法屋へ向かいました。」


「2人だけで?」


「いえ、ミナルナと一緒です。測定してもらうと言ってました。」


 魔法の習得には何万ゴールドもかかるから、4人に適性が見つかると資金がマイナスになってしまう。まさか、この時点になって資金繰りに追われるとは。よし、「たった今」と言ってたな。今から追えばまだ間に合うかも知れない。



挿絵(By みてみん)


「ちょっと待った~!」


「あ、プリモだ。お金持ってきたの?」ミナルナが怖いことを言った。


「いや、そうではなくて、適性測定はちょっと待て。」


「どうして?魔法覚えれば戦力アップだよ。」ミナルナは口を尖らせた。


「JK隊が魔法適性を測定して習得したから、今資金が枯渇している。」


「えー!JKサービス隊ばかりずるい!」


「私たち、ずっとタダでヒーラーやってましたよ。」天使たちも口を尖らせた。


「でも本当に財布がヤバいんだ。適性測定は金策してからだな。」


「仕方がありませんね。では安全で儲かる敵を...」天使たちが無茶振りしてくる。


「そんな敵がいたら狩り尽くされてるだろ。少し苦労しないとカネは手に入らないよ。」


「でもこのメンバーじゃたいした火力がないよ。天使はヒールだけだし。」


「そこでだ、皆の衆....俺は強力な女神を召喚しようと思っている。クラリモンドの後釜だ。召喚してすぐにクエストへ出かける。金が貯まったら魔法適性の測定に来よう。」


「そんな都合の良い女神がいるの?」ミナルナが食いつき気味に尋ねた。


「まあ見てなさい。人文知を極めたプリモが召喚する。天界の女王イナンナよ、顕現せよ!」


挿絵(By みてみん)



「何じゃ、貴様は?」


「召喚者のプリモです。これから1週間、この異世界でいろいろ楽しみましょう。」


「はあ?勝手に呼び出しておいて、いろいろ楽しもうだと?無礼にもほどがあるな。」


「女神様のお力をお借りしなければ、私はこの者たちに顔向けができないのです。」俺は女神の視線をミナルナと天使に誘導した。


「奇態な服装の双子と羽根を生やした2人か。面白そうじゃの。事情を聞かせよ。」


「お金がないので魔法適性測定ができないんだよ。」


ミナルナは文脈を無視して直接すぎる情報を出したのでイナンナには何のことかわからない。天使たちはイナンナの翼に興味津々だ。


「女神様なんですか?ひょっとして私たちの神様?」


「女神ではあるがおまえたちの神ではない。翼は、ほれ、邪魔なら収納できる。」


挿絵(By みてみん)


「わあ、便利!いいなあ...」


ステラが本当に羨ましそうにイナンナの収納翼を見ている。自分がダンジョンの壁にぶつけて片翼を失ったことと重ね合わせているのだろう。


「ふむ、要するにだ、私を呼んだのは金儲けのためか?素直でよろしい。」


 厳めしいかと思ったら、案外話せる奴だった。こっちも変な奴らばかりなので、女神も興味を持ったのかも知れない。


「金儲けというのは戦か?敵を倒して奪うのか?」


「だいたいそんなところです。もっとも敵は人間ではなく魔物ですが。」


「ほう、魔物退治か。それは楽しそうじゃ。人間相手だと少し後が気まずいからな。」


「さっそく出かけるのですが、よろしいですか?」


「おう、行こう。」俺たちはそのままダンジョンの受付に向かった。



「こんにちは。何か儲かりそうなクエストはありますか?」


「おや、プリモさん。さっき上がったばかりなのに熱心ですね。」


「資金が足りなくなってきましたので...はっはっは。」


「新しい別嬪さんですか?プリモさんのパーティー、ホント美人さんばかりなんだから。」受付は俺を肘で小突いた。


「ともかく、何か良さそうなクエストを紹介してくれ。こちらのメンバーは、剣戟と銃撃が2人、ヒール専門が2人、素材回収とポーション投げが俺、そしてこちらにあらせられるは天界の女王...実は絡むのが初めてなのでどう動くのかわからない。」


「あまりバランスの良いパーティーじゃありませんね。そうだなあ...ゴールドが稼げる敵か...ゴールドリザードマンなんてどうでしょう?いちおう物理はそれなりに通ります。魔法は効きませんが。倒せば死体がそのままゴールドです。」


「硬そうね...刀で切れるかな...なんちて。ジャーン!こんなこともあろうかと、ミスリルの忍刀に変えていたのでした。私たち、できるくノ一だから。」ミナルナは青光りする忍刀を抜いてポーズを決めた。


「私も剣を持ってくれば良かったな。」イナンナがぽつりと言った。


「魔法は?」俺は探るように尋ねた。


「まあ、いろいろだな。期待して良いぞ。」


バランスの良くないパーティーに女神を入れてゴールドリザードマンを狩る?さてどうなる?

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