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巫女とサキュバスと異世界と、そして人文知は役立たず  作者: 青水


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JK鯛の成長2

JK隊がこんなにたくましくなるなんて。あの天水美夜が退屈しのぎに作った愛玩用人型魔物だったのに。

「お兄ちゃん、みんな強いね。」モフ子が目を輝かせている。見るとノートに攻略の様子をメモしているではないか。


「戦いの記録を付けてるのかい?」


「うん、いつかお兄ちゃんみたいに物語が書けるように。」


「コンドノハソラヲトンデル。」ミミちゃん警報が出た。


「空ですって?やっかいね。」エラが顔をしかめる。


「燃えるかな?」メロがチロチロ炎を出す。


「シューターがいないのが辛いところね。」


「とりあえず精気を吸って、それからいろいろやってみよう。」メロはブレなくアバウトだ。


挿絵(By みてみん)


「見て!あれはグリフォンよ。爪とくちばし、あと羽根で強風を起こすかも知れない。」


 グリフォンはギャーッと鳴いて羽を広げ風を起こした。


「守れ!エルトヴァント!」JK3号の土魔法で土壁が隆起し、強風を防いだ。


「ヴァイタルアブソーブ!」エラとメロのダブル精気吸収でグリフォンが弱った。


「アイスプファイレ!」


JK2号は水魔法で氷の矢を飛ばした。羽根が凍り付いたグリフォンは地上に落ちた、電撃を纏ったJK3号の斧がグリフォンのくちばしに命中し、先端が少し欠けた。ひびが入ったくちばしにファザリアの連続スタンピングキックがヒットして、くちばしは欠け落ちた。


「いっぱい吸ったから効くわよ。」


 エラとメロの闇魔法がグリフォンの脚部を溶かした。もうこれで攻撃手段はない。JK隊は切ったり付いたりやりたい放題でグリフォンの息の根を止めた。


「やったわね。プリモ、素材をお願い。」


 羽根、皮、爪、くちばし、目、心臓、解体屋が板に付いてきた。情操教育的に問題かなと思ってモフ子を見たが、別に恐れたり気持ち悪がっている様子はなく、興味津々で観察しながらメモを取っている。こいつは有望だ。


「これだけ大物を倒しまくったから、JK隊のレベルもさらに上がったんじゃない?」


「ねえねえ、私のレベルは?」メロが物欲しげにエラに尋ねた。


「そうねえ、あなた何歳かは知らないけど、何百年も生きてきたならそう簡単にレベルは上がらないわよ。」


「私...まだまだキュートなガールですぅ!」メロがほっぺたを膨らませた。


「今までの敵は魔法攻撃をしてこなかったけれど、こちらは魔法対策を何もしていないので、全体魔法で攻撃されるとマズいわね。」


「エラ、そういうフラグみたいなことを言うなよ。」


俺はモフ子とミミちゃんを心配した。他の連中は回復ロールで回復してやれば良いが、体力の少ないモフ子とミミちゃんは即死する。


「バリアみたいなの、ないんですか?」JK1号も心配そうに尋ねた。


「魔法屋で訊けば何かあるかも。」


「じゃあ、ここは一旦引きましょう。安全第1です。」


JK1号はさすが長女役だけあって冷静だ。


「そうね。いったん戻って魔法屋に行きましょう。」



「魔法屋マンソンジュへようこそ!」美人店長が出迎えた。


「こんにちは。今日2度目の来店で少し気まずいわ。」


「いえいえ、何かお買い忘れですか?」


「敵の魔法攻撃への対策、何かあるかしら?特に全体魔法、あれがやっかいそう。」


「護符はありますが、各属性ごとに1つなので、あまり実用的じゃありません。


「味方全体を守るマジックシールドとか、あるいは魔法をはね返す魔法とか。」


「魔法を軽減するマジックシールドならありますが、適性者がいるかどうか...あ、そこの弱そうなお兄さん、あなたはたしか魔力がゼロで魔法が使えないのに、リヴァイヴロールを使えましたね。1本300ゴールドの人気商品、これがあれば死んでも復活、せめて10本、できれば100本、絶対役立つリヴァイヴロール、大切な仲間を失わないために、必ず買おうリヴァイヴロール!」店長は長いコマーシャルをよどみなくぶっ込んだ。


「はい、リヴァイヴロールは使えますが...それで?」


「マジックシールドの適性があるかも知れませんよ。計測します?こちらも1本30ゴールド、冒険者のみなさんの大人気商品です。」


「あの!」JK4号が手を挙げた。「私は光魔法の適性があるので、計測していただけますか?」


「はい、どうぞ。ではそちらの弱そうなお兄さんとこちらの強そうなお姉さん、計測器へどうぞ。」


 俺は適性があった。1本30ゴールドは安くないが、今の俺たちの資金力をもってすればどうということはない。次はJK4号か。どうなる?


挿絵(By みてみん)



「おめでとうございます。適性があります。」


「やったあ!やりました、私。」


「使い捨てロールは300ゴールド、習得は30000ゴールドです。いかがなさいますか?」


「習得で。」エラが即答した。


「他に何かご入り用なものは?リヴァイヴロールの補充とか?」


「10本くれ。」あの長いコマーシャルを恐れて俺は即答した。


「これは余計なお世話なのかも知れませんが、そちらの小さい獣人さんとキャットバットちゃん、いくらマジックバリアを張ってもダメージはあります。HPが少ないと死んでしまう可能性もあるので、防具屋で魔法防御に特化した装備をお探しになると良いと思いますよ。」



そう、全体魔法は厄介ですね。ドラクエで何度あれにやられたことか。

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