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巫女とサキュバスと異世界と、そして人文知は役立たず  作者: 青い水


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JK隊の成長1

ミミちゃんの索敵研修とモフ子の経験もかねてクエストが発注されます。エラ姐さん、すごく頼りになる。

「準備ができた?クエストへ行きましょう。」エラ隊長のもと、JK隊4名とメロ、そしてミミちゃんが整列した。


「ちょっと待って。私も行きたい。」ファザリアが手を挙げた。


「私も見学したい。」好奇心を丸出しにしてモフ子も手を挙げた。


 うーむ、モフ子を連れて行って良いものか?まあこのメンツならそう危険なことにもならないか。でもモンスターと命のやりとりだ。情操教育的にどうなんだろう?


「なあ、モフ子。クエストというのはモンスターとの命のやりとりだ。危険なこともあるかも知れないし、何よりそんな修羅場を幼い子どもが見て良いかどうか。」


「大丈夫だよ、私、理性が強いの。本で読んだことを実際に体験してみたい。」


 理性が強い?さすが国語辞典を買ったばかりだけあって妙な言葉を使い回す。まあしかし、今回は翡翠の分身がバリッボリッと食われるシーンはないだろうから、酷いシーンに出会う場合には俺が目をふさいでやれば良いか。


「そうか。ならお兄ちゃんのそばを離れるなよ。」


「うん、わかった。いっぱい体験して知識に血と肉を付ける。」



 ギルドの受付は賑わっていた。王都のダンジョンがどういうわけか階層も奥行きも拡大して、モンスターの数も種類も増えてきたので、訪れる冒険者も多くなった。



「こんにちは。今日は新しく魔法を覚えた子が4人いるからそのテストもかねてクエストを受注に来たの。何か良いのある?人数は揃ってるし、リヴァイヴのロールも使えるわ。」エラが馴染みの受付に声をかけた。


「やあ、エラさん、お宅のところのパーティーには安心して任せられる。そうだな、サキュバスの姐さんが2人も付いているなら、オークとか?」


「それはこのあいだやっつけたし、何よりそれじゃこの子たちの経験にならないわ。もう少しチャレンジングなやつ。」


「報酬が高いとか素材が高価とか、そういうのが欲しいな。」ファザリアが横から注文を付けた。


「なるほど、ならば少し手こずるかも知れないが、デンジャラスゾーンを探索してみるか?ここは怖いのがいっぱい出るぞ。確認されているだけでも、ベヒモス、グリフォン、ヴァンパイアロード...」


「そうね、それにしましょう。倒した数で報酬が出るの?」


「ああ、そうだ。それに素材もなかなか美味しいぞ。」



「ここから先がデンジャラスゾーンね。ミミちゃん、何かわかる?」


「コノサキニクビナシガイルゾ。」


「デュラハンね。行くわよ。」エラが飛び出した。ファザリアとJKたちもそれに続く。


「あ、待って!」ミミちゃんを撫で撫でしていて出遅れたメロも続いた。


 エラのヴァイタルアブソーブがデュラハンの精気を奪った。そこにファザリアのスタンピングキックが決まる。だがデュラハンはまだ倒れない。JK1号の火魔法は、デュラハンが盾代わりに持っている首が吐き出した強風で消された。そしてデュラハンは剣でファザリナに斬りかかった。しかしJK3号の土魔法で壁が築かれ攻撃は防がれた。そしてJK4号の投げた槍がデュラハンの首に突き刺さった。だが、突き刺さった槍とともに地面に落ちた首は、目を見開き、JK3号に飛びかかってきた。すんでのところで攻撃をかわしたJK4号の後ろから、JK2号がバゼラートの双剣でデュラハンの顔面をXの形に切り裂き、さらにJK1号が脳天から両断した。頭を失ったデュラハンの胴体は動かなくなった。


「なかなか良い動きだったわ。」エラが拍手した。


「あーん、出遅れた!」メロが口からチロチロ火を出しながらやってきた。


「あなたが遅れたせいでヴァイタルアブソーブが足りなくてけっこう苦戦したのよ。」エラがメロにデコピンした。


「チュウイ!ツギノハデカイ!」ミミちゃんの警告と同時に奥から咆哮が聞こえた。


「メロ、今度は遅れないで!」エラとメロが先に飛び、メロが続いた。


「ベヒーモス!」エラが叫ぶと同時にヴァイタルアブソーブ、今度はメロも一緒だ。


「このおっ!」ファザリナの跳び蹴りは巨大な腕に防がれた。


「埋まれ!エルトリス!」


 JK4号の土魔法でできた地面の裂け目にベヒーモスの身体が1/3ほど埋もれた。メロの火炎がとエラの闇魔法がベヒーモスの右腕を弱らせ、JK1号が切り落とした。攻撃手段が左手だけになったベヒーモスはそれをブンブン振り回すが、下半身が埋もれているので踏み込みでリーチを調整することができず、誰にも当たらない。JK4号が投げた槍がベヒーモスの目に刺さった。ファザリアは腹部に正拳突きを連打している。


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「だいぶ弱ったわね。メロ、一気に闇魔法で片付けるわよ。」精気をたっぷり吸って高まった魔力で放たれた闇魔法は、弱ったベヒーモスをドロドロに溶かした。



「ツギノハワカラン。オオキサハニンゲン。」


「大きさが人間ということはパワータイプじゃなさそうね。とりあえず見に行きましょう。」エラは目視できる距離まで飛んだ。


「あらまあ、あれはヴァンパイアロードじゃないの。」エラの目が紅く光る。


「何か因縁があるの?」メロが不思議そうにエラに尋ねる。


「100年前にちょっとね。メロ、あいつに闇魔法は効かない。むしろ強化してしまうので注意よ。」


「キックとパンチはどうかしら?」ファザリアが打撃を試みた...がすべてヒラヒラするマントでかわされた。


「燃えな!」メロが炎を吐いた...が、やはりヒラヒラしたマントで無効化された。


挿絵(By みてみん)


 ヴァンパイアロードはJK2号に襲いかかった。2号は一歩も引かず、バゼラートの双剣をクロスした。クロスした双剣にヴァンパイアロードは一瞬怯んだ。


「光の矢、リヒトプファイレ!」


 JK4号の光魔法が発動した。無数の光属性の矢がヴァンパイアロードに降りかかる。これは闇のマントで防ぐことはできなかった。かなりのダメージを負いながら後退するヴァンパイアロードにJK3号の片手斧が雷属性を纏って投げられた。ホーミング機能があるかのように斧はヴァンパイアロードの肩を切り裂き、ブーメランのようにJK3号の手に戻った。弱って速度が落ちたヴァンパイアロードをJK2号は追い詰め、双剣で切り裂いた。その場に倒れたヴァンパイアロードにメロのブレスとJK1号の火魔法が放たれ、魔物は消し炭になった。


「順調ね。JK隊の成長が著しいわ。」エラは満足そうに微笑んだ。


JK隊、装備も充実してきてとても強くなりました。この子たちに鎧や武器を装備させるの、実は画像生成AIのSoraに何度も拒否されて、抜け道を探してあれやこれやで、なんでこんなくだらないことで苦労しなければならないのだろうと、Chat-GPTちゃん(有料版)と慰め合っていました。まあ、彼(だか彼女だか)のプロンプトよりぼくのプロンプトのほうがずっと優秀だったのを確認できたのは良い副産物でした。

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