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巫女とサキュバスと異世界と、そして人文知は役立たず  作者: 青い水


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休日の自由時間、結局クエスト

休日はクエストでカネ稼ぎ。稼げるときに稼ぐ、それが異世界の掟です。

「メロ、そっち行ったわよ!」


「よーし、燃えろっ!」メロのブレスが放たれたが、ゴールドスコーピオンは蜘蛛糸の防御壁を展開し、炎から身を守って後退し、次の攻撃に備えた。そしてその後ろから別の個体がメロに向かって糸を吹きかけ、メロは絡め取られてしまった。


「くっ!」メロは絡め取られながらブレスで蜘蛛糸を焼き切り、剣で自分を縛る糸を切り裂いた。


「何やってるのよ!」エラが闇魔法でゴールデンスコーピオンを1体倒したが、敵は5体で連携しながら攻撃してくる。


「思ったより厄介だわ。ヴァイタルアブソーブも効かない。」


「雌なんじゃない。蜘蛛の巣を張る蜘蛛はたいてい雌よ。雄はずっと小さくてそこに寄生するの。」


「うわ、雌に寄生するなんて最悪。」メロは自分の黒歴史を思い出して歯ぎしりし、次の個体に攻撃を仕掛けた。


「でも雄は交尾のあとに雌に食べられちゃうけどね。」エラはウィップの一撃で敵のバランスを崩してから闇魔法を放った。


「サクサク倒してゴールドがザックザクの予定が、これじゃ期待外れだよ。」メロはやけくそになってブレスと闇魔法の同時攻撃を仕掛けた。


「5体で1グループという編成だから、こっちが2人だとサクサク倒せない。」


「HPが高いのか、攻撃を1発食らった程度じゃ倒れない!」メロは剣で蜘蛛糸攻撃をかわしながらなおもブレスを放つ。


「さっきからずいぶん戦っているけど、まだ最初のグループを殲滅できていないわ。」


挿絵(By みてみん)


「このままじゃジリ貧よ。どうする?退却する?」


 そのとき蜘蛛たちの背後からたくさんの矢が飛んできて、残ったゴールデンスコーピオンはすべて倒れた。


「エラさん、メロちゃん、大丈夫?」


 エルフィーナとフェリシアだった。助けに来てくれたのは良いが、エルフたちもずいぶん消耗している。


「みんな同じ考えだったってことね。」エラは苦笑いした。


「成功報酬ではなくて素材でガッポリ、それがこのクエスト。なにせ倒した個体から取れる素材が金なんだもん。」消耗しているのでフェリシアは力なく自嘲気味に言った。


「せっかくだから協力しましょう。」エラが提案した。


「そうね。4人いればきっと効率が上がるわ。」


「私たちも交ぜて~!」銃声とともに遠くからミナルナの声がした。


「これで6人だ。よーし、サクサク殲滅してゴールドザックザク作戦、スタートするよ!」メロはわかりやすく元気になった。



 王宮からの帰り道、俺は翡翠とともに出版社に立ち寄った。書き終えた魔王城攻略の原稿を渡すためである。


「いつもながら仕事が早いですね、プリモ先生。こちらが作中で大活躍の翡翠様ですか?お初にお目にかかります。」編集長は翡翠に名刺を渡そうとしたが、俺は制した。


「この人は、ちょっとした手違いというか、女神の気まぐれでこっちに転生してきた人なので、必要以上にこちらの世界との関係を深めないほうが良いんだ。」



 そのころダンジョンの低層では、JK4人とファザリアが話し合っていた。


「ねえ、本当にやるの?で、なんでメイド服なの?」JK1号は不安そうに尋ねた。


「JKの服装だとガイドライン的に武装できないの。武器を買ったんだから、ゴブリン倒して元を取るわよ。」JK2号はやる気だ。


挿絵(By みてみん)


「もっとポーションを買っておいたほうが良かったんじゃ?」JK3号は慎重だ。


「いざとなったらファザリアさんが助けてくれるよ。」JK4号は図々しい。


「はい、頑張りますけど、無茶して突っ込まないでくださいね。」ファザリアはやはり頼もしい。


挿絵(By みてみん)


「良いですか、ゴブリンとの戦闘で大切なのは、決して囲まれないこと。つまり、敵に背後を取らせないことです。私を先頭にして、4人は背後に横一列に展開。その隊形を崩さずに戦闘を進めます。傷ついても怯んではダメです。攻撃し続けて、敵を殲滅してから治癒します。私たちは5人です。ふつうゴブリンは10体以上で行動しますから、計算上は1人で2体倒すということになりそうですが、そこは私ががんばってたくさん倒します。みなさんは取りこぼした敵を始末してください。それでは行きますよ!」


 ファザリアの言うとおり、ダンジョンの通路の幅に立てるゴブリンの数は5体で、そのうち3体をファザリアが瞬殺し、逃げ延びた2体を左右のJKが2対1で倒す。10体のゴブリンは簡単に殲滅され、こちらに被害は出なかった。


「それでは素材を回収しましょう。きょうはこの調子であと30体倒しますよ。」ファザリアは武道家装備を身に付けたことによって、以前より格段に強くなった。JKたちもその薫陶を受けて、1日でかなり強くなったようだ。元々魔物なのでポテンシャルが高かったのだろう。


 夕刻が近づいたころ、ダンジョン攻略組は三々五々町外れのサウナ付き居酒屋に集まった。みんな満ち足りた顔をしていた。ゴールデンスコーピオン討伐チームは、1人4000ゴールド手に入れたようだ。一方、初心者のゴブリン討伐チームは、1人300ゴールドを稼ぎ出した。これは初心者パーティーにしては破格の稼ぎである。

「初戦闘だったけど、けっこうやれたね、私たち。」JK1号が満足そうに言った。


挿絵(By みてみん)


「でも大半はファザリアさんが倒したのよ。」JK2号が反省点を挙げた。


「仕方がないわよ。私たち経験がゼロなんですもの。」JK3号が現実を受け止めた。


「きっとそのうち私たちだけで討伐できるようになるわ。」JK4号は未来に希望を託した。



「クエスト攻略のあとのビールは格別ね。」エラはプファアにならないように注意してビールをグビッと飲んだ。


挿絵(By みてみん)


「取れる素材が金っていうのもテンション上がった。」メロもグビグビッと飲んだ。


「初心者の指導をすると初心に帰れて良いものでした。」ファザリアはグビグビグビッと飲んだ。


JKたちもやる気になってきました。元々人間ではなくて魔物なので、まだまだ伸びるでしょう。それにしても、メイド服なら武装はできるけれど、高校制服だとAIが武装させてくれません。学校へは武装して登校してはいけません、という校則のせいでしょうか?

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