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#21 ダンジョンを攻略するのですが

こんにちは、COCOAです。

梅雨かと思ったら急に気温が上がってきましたね。

皆さんも寒暖差や湿度に気を付けて健康管理をなさってください。

広がる景色に感動しながら歩き続ける。

「こんなに大きいんだね…流石巨大都市」

「ね〜!にしても何でこんなに大きいんだろう?」

「ダンジョンがあるからとかなのかな…?」

「確かにルミネの中にダンジョンがあったりしたらこうなりそうだね!」

「とにかく入ってみないことには分からないから早く入ろっか」

「うん!」

そうして私たちはトンネルから最寄りの出入口に着くと門番の人に【冒険者カード】を見せてルミネに通してもらう。問題無く中に入るとザリオスよりも少し現代風になった建物群と雰囲気を感じ取ることが出来る。

「日本の街並みに似てるね」

「殆ど今の日本と変わらないんじゃない?」

「うん」

「この方が見覚えがあるから分かりやすくて有難いかも」

「確かにそうだね」

流石にコンビニがあるってことは無いけど似たような屋台があるし、自転車も流通してるから違和感無く過ごせそう。目新しさは無いけど。

「それじゃあ冒険者ギルドに行きたいんだけど…何処にあるんだろう?」

「分かんない」

「何処かに地図が設置されてたりしないかな…」

周りを見渡してみるけどそれっぽい物は見つからない。

「無さそうだし適当なお店で何か買うついでに聞いてみようかな」

「何買うの〜?」

「そんな買いたい物が無いからね…シルは欲しいものある?」

「う〜ん…あ、あそこ気になる!」

シルが指をさした方向にはおでんの屋台があった。…何で?季節も違うし…まあ合ってもおかしくは無いのかな?

「良いよ、行こっか」

「わ〜い!」

シルに引っ張られる形になるものの2人揃って屋台の方に行く。

「何食べる?食いしん坊さん」

「そんな事言わないでよ〜、確かにそうだけどさ…大根とこんにゃくが食べたい」

「ん、分かった…すみません、大根とこんにゃくを1つずつください」

注文するために屋台のお兄さんに声をかける。

「は〜い、ちょっと待っててね。2つで350G(ゴールド)だよ」

「分かりました」

画面を操作して350G(ゴールド)の支払いをする。

「そういえば冒険者ギルドって何処にありますか?」

「冒険者ギルドかい?この広い道を真っ直ぐ行ったら左側に看板と一緒にあるよ」

「なるほど、ありがとうございます」

「いえいえ、これくらいどうってことないさ。待たせたね、大根とこんにゃくだよ」

カップに入った大根とこんにゃくを渡される。つゆも入ってて美味しそう。

「ありがとうございます」

「また来てね〜」

お礼を言ってから屋台を離れる。屋台のお兄さんに教えてもらった通りならここを歩いてけばいずれは着くって話だからそんなに遠くはなさそうだね。

「はい、シル。熱いだろうから気を付けて食べてね」

「は〜い!」

元気よく返事をしてからシルが大根を食べようとする。少しかじって熱かったのか直ぐに口から離した。

「やっぱり熱い?」

「うん…」

「ふ〜ふ〜しよっか?」

「なっ?!」

「ふふ、冗談だよ」

「はぁ…心臓に悪いなぁ…」

「ごめんね?…私も1口食べて良い?」

「良いよ〜」

許可を貰ったのでシルが持ってる串に刺さった大根をはむっと1口食べる。味が染み込んでて柔らかい大根、美味しい。やっぱりおでんと言ったら大根だよね。

「んむ、ありがと」

「どういたしまして〜」

歩きながら食べるのはちょっと行儀が悪いけど…ゲームの中だし良いよね。

「あ、見えてきた…あれだよね」

「うん!」

建物の中に入る時に食べてるのは流石に、と思ってシルの方を見ると既に口の中に大根はおろかこんにゃくが入っていた。早くない?まあ詰まらせてないなら良いけど。

「見た目はザリオスと変わらないね」

「そうだね〜」

「じゃあ入ろっか」

「は〜い!」

そうして私達は冒険者ギルドに入っていく。驚くことに外観だけでなく内装もほぼ同じだった。既視感のある内装に驚きながら依頼が貼られているボードの前に行く。

「ダンジョン系の依頼あるかなぁ…」

「どうだろ〜?」

2人してボードを隅から隅まで見てみる。探してみて分かったけど数が多いとは言えないけどそこそこダンジョンに関する依頼があった。その中でも調査じゃなくて攻略の依頼を幾つか取って見比べてみる。

「推奨冒険者ランクは全部Bランクだから難易度はそこまで違わない感じなのかな」

「でも報酬は結構違うね」

「どうせだし1番報酬が高い依頼にしよっかな」

そうして私はダンジョンの攻略を目的にした依頼の中で1番G(ゴールド)が貰える依頼をボードから剥がして受付の所に持っていく。

「すみません、この依頼を受けたいのですが」

「分かりました。冒険者カードを見せていただいても良いですか?」

「大丈夫です」

言われた通り冒険者カードを受付の人に見せる。

「はい、ありがとうございます。それでは【ダンジョンNo.21の攻略】を受理いたします」

「お願いします」

「…はい、受理出来ましたので依頼の紙と地図をお渡し致します。期限は2週間、途中で破棄することも出来ますのでその場合は遠慮なくお声掛けください」

「分かりました、ありがとうございます」

お礼を言って少し離れたところでシルと2つの紙を見てみる。

「番号に関しては見つかった順なんだってね」

「そんなことだとは思ってたけど…少なくとも21個はダンジョンあるってことだよね?…結構多いね」

「そうだね、思ったより多いね…でも、これぐらいないとここまで街が広くはならないだろうし妥当なのかもね」

「確かに…」

シルとダンジョンについて色々考えてみる。地図を見てもルミネの中にダンジョンがあるみたいだし、これだけ広い理由はダンジョンがあるからで間違いなさそう。

「今から行くの?」

「そうだね…攻略にどれくらい時間が掛かるか分からないから少なからず下見はするつもりだけど、行けそうだったらパパっと攻略したいかな」

「なるほど…」

「というわけで、行こ?」

「うん!」

私とシルは冒険者ギルドを出てから地図の通りに移動し始めた。距離はそんなに遠い訳じゃないけど今回のダンジョンに行くまでの間にも幾つかダンジョンを見かけてるんだよね。全部で何個あるんだろう…そもそもダンジョンを攻略する目的がよく分かってないんだよね。依頼にはダンジョンの最奥に居るボスを倒して手に入る魔石を攻略した証明にする、って書かれてるから魔石が欲しいのかな?

「ねえシル、魔石って何に使えるの?」

「魔石?魔石は武器とか防具に使うと性能が上がるんだよ」

「へぇ〜…埋め込む感じ?」

「というよりかは魔石を砕いて武器や防具を作る時に使う素材に混ぜるみたい」

「練り込むみたいな感じなんだね」

「そうそう、だからパッと見じゃ魔石を使ってるかどうか分かんないんだよね」

「え、じゃあ騙されちゃったりしないの?魔石使ってないけど使ってるって言いふらしたりして」

「そこは証明書が付いてるから大丈夫だよ。製作した武器や防具を鑑定してもらって魔石が使用されてる、って判定してもらえたら証明書が出されるの」

「ふむふむ」

「でも鑑定してもらって証明書を付けてもらうのも無料じゃないし、魔石を使った分もあるから値段はその分上がっちゃうけどね」

「まあそれはそっか」

性能を求めるんだったらその分お金は必要になる、っていうのは当然の摂理だよね。でも多く払えばより安全になれるって考えたら買う人は結構居そう。私は…シルが居るから大丈夫かな。

そうこうしてるうちに私達はダンジョンに到着した。入口と思われる場所には看板でNo.21と書かれている。

「ここみたいだね」

「なんか思ってたより整備されてる感じ?」

「看板立ってるし入口だけでも綺麗にされてるのかな、分かりやすくする為にも」

「なのかな?」

「まあ取り敢えずは行ってみよっか」

「うん!」

ダンジョンNo.21は地下に行くタイプのダンジョンで、階段状に穴が掘られてるような入口になっている。シルと一緒に中に入ると有難いことに壁に電灯が付いている。これが自然生成ってことは無いだろうし中もある程度は整備されてる感じなのかな。

「明かりがあるからまだ良いけどやっぱり外よりはちょっと暗いね」

「うん、分かりにくいトラップとかあったら引っかかっちゃいそう…気を付けないと…!」

私を守る為か先頭を歩いてくれるシル。流石に私の素のステータスだとトラップに引っかかったらかなりのダメージ受けちゃいそうだし、助かるな。

ダンジョンの中は今のところ一本道。凸凹くらいならあるけどこれといって別の通路は見つからない。なんて考えていると噂をすればなんとやら、少し奥に十字路が形成されている。

「マスター、どっちから行く?」

「左からでお願い」

「分かった」

十字路を左から攻略することにした。それから道なりに進むと木で出来たボロボロの扉があった。

「取り敢えず少しだけ開いて中覗いてみるね」

「うん、お願い」

シルがそ〜っと扉を開けて中を見る。何かあったのか少し驚いた顔をしてから扉を閉める。

「マスター、中にモンスターが居たよ」

「どんなモンスターだった?」

「蜘蛛っぽい感じの」

「そっか…ブレスで殲滅出来る?」

「やってみる」

シルに入口からブレスを仕掛けてもらう。安全のために私は少し後ろに下がっておく。シルが大きく息を吸って一瞬止まった、と思ったら凄い勢いでブレスを部屋の中に放出し始めた。熱くなった中の空気が循環して私の方にも熱気が当たる。ブレスをする音と、何かが焼ける音だけがダンジョン内で響く。

「よし、ブレスで結構手応えあったよ」

「じゃあ警戒しながら中に入ってみよっか」

「分かった」

そのままシル先頭でゆっくり部屋の中に入る。ブレスの直後だからまだ結構暑い。周りを見渡してみると学校の教室2つか3つ分くらいの広さがある空間だった。正面から見て奥の方には人型の焼けた跡が幾つも倒れ込んでいる。ゴブリンかオークか、種類も分からないけど取り敢えずシルのブレスで倒されたんだろう。他にはこれといって特徴的なことは無いかな。

「この部屋は制圧出来たかな?」

「そうだね、このモンスター達は1人残らず焼けてるし、他にトラップらしい物は見当たらないから大丈夫だと思う」

「分かった、それじゃあ来た道戻って元来た道からみて右の通路の方を行こう」

「は〜い」

来た道を歩いて戻る。十字路の方まで進んできたらそのまま真っ直ぐ進む。今左の通路の方を来たから正面は右の通路のはず。進み始めて直ぐにシルから

「何か奥の方から音が聞こえる…」

と言われた。

「どんな感じの音?」

「羽の音かな」

「ワイバーンみたいなモンスターかな」

「いや、もっと音が高くて細かいからコウモリとかだと思う」

「そっか」

わりかし小さいモンスターが奥に居るかもしれないね。飛んでるモンスターは高いところに居るだろうし、暗いから目を凝らして見ないと…ってもう居るじゃん。天井からぶら下がってるコウモリみたいなモンスターが。

「よっ…と」

私が何かを言う前にシルがブレスで適当に焼き尽くしてた。仕事が早いこと。

「ありがとう、シル」

「マスターも気付いてたでしょ?」

「ちょっと前にね」

「そっかそっか」

ぶら下がってたり時々飛んでたりするコウモリを適時ブレスで焼きながら前に進んでると左の通路の時とは比にならないような大きさと重厚感のある扉があった。

「金属で出来てるのかな…光沢がある。結構重そうだね」

「ボス部屋なのかな」

「ボス部屋って真っ直ぐ行ったらあるようなイメージが強いけど…変な先入観は捨てた方が良いかな…」

軽く扉を触ってみるとかなり冷たい。やっぱり金属の扉だね。扉に絵だったりよく分からない文字列が並んでるけどさっぱり分からない。スマホかカメラかあったら写真を撮って記録に残せるんだけど…今は無いから諦める。取り敢えず入ってみないことには分からないから…

「ふぅ…さっき以上に気を引き締めて入ろっか」

「分かった、マスター」

一呼吸置いてから、私達はボス部屋と思われる扉を開けることにした。

誤字脱字、文の違和感等ありましたら遠慮なくお教え頂けると幸いです。

評価もして頂けると嬉しいです。

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