#17 強敵を倒せとのことですが
こんにちは、COCOAです。
次回は戦闘多めになると思います。
でも出来るだけイチャイチャを入れていきたいですね。
「ん〜っ」
ログアウトした私は動かしていなかった身体を伸びをして解していた。
「にしても露天風呂は良かったなぁ…」
つい先程までの出来事を思い出す。ゲーム内で露天風呂に入ったものだから実際に入りたくなってきている。とはいえ今日はもう時間が遅いから無理だよね…
「土日にでも行こうかな…?」
そう考えるけど1人で行っても楽しいには楽しいんだろうけど今回のはシルと一緒に入ったから楽しかった印象が強いんだよね。だから1人で露天風呂とか温泉に行ったとしても落差で虚しくなりそう…やっぱやめよう。
今の時刻は午後9時30分。やらないといけないことはもう終わらせてるし、先に歯磨きでもしてこよう。冒険者ランクが今はCランクなんだけど、何処まで上げたらザリオスから出ようかな。次の街についてはまだよく知らないからちょっと調べてみるとして、明日学校で隣の席の子に話を聞いてみるとしよう。シャカシャカと歯磨きをしながらそんなことを考える。蛇口から水を出して口を濯ぐ。
「ふぅ…この後はどうしようかな」
やることが思い浮かばないまま自室に戻ってくる。動画か何か見たりしてもいいんだけど…何故かそんな気分じゃないんだよね。だから友達からの連絡を程々に返して今日は寝る。明日学校に行ったら土日に入るし頑張ろうっと。
アラームの音で目を覚ます。6時40分にセットするようにしたんだよね。前このくらいにこの時間で起きて丁度良かったから。窓の外を見てみると薄い雲が広がっている。雨は降らなさそうだけど晴れもしなさそう。丁度いい気候になりそうで助かるなぁ。腫れは暑いし雨は濡れるから曇りが1番好き。寝起きの意識を何とか保ちながら学校の用意を進める。顔を洗って口を水で濯ぎながら思いつく。
そうだ、朝ごはんはトーストとコーンスープにしよう。作るのが簡単だし。食パンを1切れトースターにセットしてインスタントのコーンスープの粉をコップに入れてお湯を注ぐ。スプーンでかき混ぜながらぼーっと待っているとトーストが出来上がる。トーストと言ったらバター、マーガリンを塗ったりジャムを塗ったりする事が多いよね。私はそのまま食べるのが好きなんだけど。
「いただきます」
サクッと良い音を出しながらトーストを食べる。外はカリッと中はフワッとした食感が凄く好き。口の中がパサパサしてきたらコーンスープを飲む。なんならコーンスープにトーストを浸して食べても美味しいよね。
そうして色んな食べ方をしながら朝食を食べ進めて、食べ終わるとパパっと洗い物を済ませる。フライパンとかも使ってないからすぐに終わるね。それから制服の袖に腕を通す。全身鏡で軽く確認してみると、いつもと変わらない姿がそこにある。よし、準備完了。玄関で靴を履いて立ち上がると
「行ってきます」
そう言ってから家を出る。外の丁度良い気温に少し嬉しくなりながら私は学校へ向かった。
「ただいま〜」
学校から家に帰ってきた私は手洗いうがいをした後に自室に向かう。今日はずっと曇りだったから過ごしやすくて助かった。暑いのはあんまり好きじゃないからね。汗でベタつくし何をやるにしてもやる気が出ないから。なら寒い方がよっぽど良いかな。
部屋に戻ってくると制服から部屋着に着替える。そういえば学校指定の制服はロングスカートなんだけど、部屋着は基本ズボンタイプなんだよね。大抵そうだと思うんだけどスカートタイプの部屋着ってあるのかな…?
気になったのでスマホで調べてみるとポツポツと検索で引っかかった。どうやらあるにはあるらしい。ワンピースというかそれこそ旅館で着た時みたいは上下一体化してるタイプの物もあれば制服みたいに上下分かれてる物もあった。調べたは良いけど別にスカートタイプの部屋着が着たい訳じゃないから調べるのもそこそこにして鞄から課題を取り出す。今日は結構課題が多めなんだよね。科目は数学だけなんだけど、量がね…土日を挟むから結構多い。まだ得意な方の科目だったから良かったけど、これで国語とか世界史とかだったら面倒過ぎて敵わない。やる気はあんまり出ないけどオレンジジュースをお供に私は机と向き合った。それから2時間弱の時間が経ち
「お、終わった…」
何とか夜ご飯前に課題を終わらせることが出来た。夜ご飯とお風呂の後に課題をやるとなると結構遅くなっちゃうんだよね…今気づいたけど今日のうちに終わらせなきゃいけないわけじゃないじゃん。土日あるんだし。ま、まあこれで土日沢山遊べるからいっか。今日の夜ご飯は何を食べようかな。お母さんが先に作ってるかもしれないなぁ…様子を見るためにリビングをチラッと覗くとお母さんが台所に立ってた。匂いから察するに今日は豚の生姜焼きみたい。良いね。もう少しで出来上がりそうなので先に座って待つことにした。
「お待たせ〜、出来たから一緒に食べよ?」
「うん、というか元よりそのつもりでここに座ってるからね」
「それは良かった…じゃあ」
「「いただきます」」
「高校の方はどう?良い感じ?」
「そうだね、先生達も良い人ばっかりだしクラスの子達とも仲良くやれてるよ」
「そう、それなら良いんだけど」
そんなふうに学校の様子を聞かれたり、世間話をしながらお母さんと夜ご飯を食べていった。先に食べ終わった私は洗い場にお皿を持っていく。
「今日はお母さんがやるから置いといて〜」
「あ、そう?じゃあお言葉に甘えて…ありがとうね」
「良いのよ〜」
どうやらお母さんがやってくれるらしい。やったね。というわけで私はそのままの流れでお風呂に入る。お風呂場の前で服を脱いで浴室に入る。
「〜♪」
鼻歌を歌いながら髪を洗う。今日は隣の席の子にいい話を聞いたんだよね。冒険者ランクがB以上になるとどうやらザリオスの次の街で【ダンジョン】なるものに入れるみたい。そのダンジョンは冒険者ギルドに依頼として置いてあって、攻略だったりダンジョン内の情報収集だったりが依頼になってるみたい。だから今日は依頼を受けて冒険者ランクをBにする為に動こうかな。
髪の方が終わったので身体も洗っていく。その時にふと思い出すシルと入った記憶。
「…」
自分の手で洗っているにも関わらずその感触に違和感を覚えてしまう。し、シルのせいでおかしくなっちゃった…自分の体に手が触れる度に変な感覚になってくる。頭を振って頭の中にいるシルを振り払おうとしてもまるで意味が無かった。太ももに至っては自分で触ったのにビクリと反応してしまった。何で…?理由がよく分からないけど心地よいその感覚にドキドキしながら身体を洗い終える。お湯に浸かると息が漏れる。
「ふぅ〜…」
昨日沢山リフレッシュしといて良かった。今日は結構動き回りそうだからシルにも頑張ってもらわないと。まあ黒雷の巫女があるおかげで1人での移動には困らないんだけど。でも私1人が移動出来てもシルを置いていっちゃうのは困るんだよね。どうにか2人で移動出来たりしないかな…あ、そうじゃん。シルが私を抱えて移動するみたいに、私がシルを抱えて移動すれば良いんだ。でも抱え上げる事が出来ないないどっちかと言うと抱き着いた状態になるのかな。その状態で黒雷の神子を使えば移動出来そう。そうだよね、これが出来なかったら黒雷の神子を使って移動する時に武器を持ちながら移動が出来ないってことになっちゃうもんね。今まで私が素手でしか戦ってこなかったからこれは盲点だった。ログインしたら1回試してみよう。
なんて色々考えていると危うく逆上せそうになった。少し慌てながらお湯からあがってシャワーで少し流してからお風呂場を出る。身体を拭いて部屋着を着ると直ぐに自室に戻る。ヘッドギアを用意してベッドに横たわるとヘッドギアを装着して私はFoFにログインした。
「ん、そうだね、旅館前だね」
ログインして取り敢えず後ろを振り向いて現在地を確認した。昨日お世話になった旅館の前なので変わらずのままだ。取り敢えず確認出来たところで後ろからシルに抱きつかれた。
「マスター!」
「わぁ、シル。毎度の如く後ろから来るね」
「驚かせたいからね」
「あ、そういう目的だったの?」
「そうだよ?」
「てっきりそういう仕様なのかと思ってた」
「違うよぉ」
後ろに出てくるものだと思ってた。驚かせる目的だったのね…なら。
「次から前から来てくれる?」
「え、何で?」
「…前から来てくれた方が、顔が見れて嬉しいから」
「…!」
そう伝えると感極まったような顔になったシルが態々私の正面にまわってきて、力強くハグをしてきた。
「むぎゅ」
「マスターはそういうところが可愛いんだから!」
「そんなことある…?」
こういうところだったのか…いやどこ?自分じゃ分からないのが何ともむず痒く感じる。シルはこういう真っ直ぐ言われた方が好きなのかな?分からないけど何をしても良い気がしてきた。マスターだもん、とか言われそう。
「今日は何をするのマスター?」
「取り敢えず冒険者ランクをBランクまで持っていきたいかな」
「じゃあ今日は依頼を進めてく感じだね!」
「そうなるね」
「因みに何で?」
「聞いた話なんだけど、次の街には依頼にダンジョンに関わるものがあるらしくてそれを受理できるようになるのがBランクだからかな」
「じゃあザリオスでBランクに上げてから次の街に行く感じなんだね」
「そうそう」
「じゃあ早速行こ〜」
「うん」
「…よし」
「え?」
何で私はさも当たり前のように抱っこされてるんだろう。
「何で…?」
「私がこうしたいからだよ?」
「あ、はい」
そんなことだろうとは思った。どうやら今日は抱っこの気分らしいです。私には物理的にも精神的にも拒否権が出てこないから諦めてシルに冒険者ギルドまで連れていってもらう。
「どの依頼だと冒険者ランクが上がりやすいんだろうね」
「やっぱ討伐系じゃないかなぁ?」
「この前はワイバーンを山ほど倒してたから結構上がりやすくはなってると思うんだけど」
「まあ、あれだけ倒してたらね…」
シルが何故か遠い目をする。あれだけバンバン敵モンスターを倒せると気持ちいいよね。今日もそんな風に戦えたら良いな。
「はい、到着〜」
「ありがと、それじゃあ降ろしてくれる?」
「ん、はい」
「よいしょ…っと。それじゃあ入ろっか」
「うん!」
冒険者ギルドに到着するとシルに降ろしてもらう。じゃないと精神的ダメージを私が受けることになるからね…依頼を見るためにも冒険者ギルドの中に入っていく。
「討伐系…討伐系…」
「う〜ん、あんまり討伐系が無いね〜」
「そうだね」
他の人がやっているのか討伐系が中々見当たらない。あったとしてもそんなに強くない敵モンスターばかりなのだ。これなら受付の人に1番ランクが上がると思われる依頼を聞いた方が早いかも。
「ちょっと受付の人に聞いてくるね」
「じゃあ着いてく〜!」
シルと一緒に受付の人の元へ向かう。
「すみません、Cランクで受けられる依頼の中で1番ランクが上がる依頼ってどれですか?」
「Cランクですね?少々お待ち下さい」
そう言って受付の人はファイルを取りだして依頼を探し始めた。少しすると
「お待たせ致しました。おそらく此方になりますかね」
「ありがとうございます」
依頼の内容を見てみると【ライトニングドラゴン1体の討伐】と書かれていた。これは見るからに難易度の高そうな依頼だ。【ライトニングドラゴン】はドラゴン族の中でも凄く強いってわけじゃないけど、雷を操って遠距離で攻撃してくるから戦いづらいらしい。でもまあ、私は黒雷があるから大丈夫かな。
「それじゃあこの依頼を受けます」
「ありがとうございます、場所は北の山脈の頂上になります」
地図を確認すると前ワイバーンを狩りまくった場所の山脈と同じみたい。これなら場所も覚えてるしすぐ行けるね。
「分かりました。それじゃあ行ってきます」
「お気をつけて」
依頼の紙と地図を貰って冒険者ギルドを出ると、私とシルは北の山脈の頂上に向かって移動をし始めた。
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