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#14 想像以上なのですが

こんにちは、COCOAです。

沢山書きたいので今回はかなり気になる所で区切りました。

「そ、そういうシルはどうなの?」

「私は別にくすぐったいとか無いから…」

「嘘でしょ…?」

試しに脇だったりお腹だったりをくすぐってみる。けれどシルは微笑むだけでくすぐったそうにしてくれない。

「ほんとに効かないんだ…」

「まあ、私は元がバハムートだから…」

「ズルいって」

「そんなこと言われても生まれつきだからどうしようも無いんだけど…」

ガックシする私を宥めるように頭を撫でてくれるシル。そこでやっぱりシルに触られるのが好きだと実感する。こうやって頭を撫でられているだけなのに私は心地良く感じてずっとこうしていたいと思ってしまう。

「んぐっ…」

「…?」

もっと撫でて欲しかったから頭をシルの手に対して押し付けたらシルが変な反応をしたんだけど…

「大丈夫…?」

「だ、大丈夫だから心配しないで?」

「じゃあさっきの反応は…」

「あれは…マスターが可愛く思ったら起きることだから気にしなくて大丈夫!」

「そうなの?」

「そうなの」

「そっか」

何回か似たような反応をシルがしていたことを思い出す。じゃああれは全部私のことを、その…可愛いと思ってくれたからなんだ…

「マスター、顔がゆるゆるだよ?」

「やっぱり?」

「うん、すっごくにやにやしてる」

「えへへ、シルに撫でられながら可愛いって思って貰えるのが嬉しくてつい…」

「おぅ…マスターが甘えん坊モードに入ってる…」

「…そうかもしれない」

「心を開いてくれた証拠かな?」

「どうだろう、分かんない」

「まあ細かいことは気にしなくていっか」

「うん、そんなことより…もっと触って?」

今は横になってるけど、素の身長差のせいでちょっとシルの顔が離れているからどうしても上目遣いになっちゃう。

「んふっ…ま、マスター…自分で何言ってるか分かってる…?」

「…うん」

「そっか」

意図を汲み取ってくれたのかシルは頷くと、片手で抱き寄せて密着させながらほっぺ同士をくっつけてすりすりしてくる。

「マスターのほっぺもちもちしてる〜」

「んむ、そう言うシルのほっぺはすべすべだね」

感触が気持ちよくて癖になっちゃいそうだよこれ。なんて思っているとシルが急に私のほっぺをぺろっと舐めてきた。

「きゃっ…何で舐めたのっ」

「ん〜、マスターのその反応が見たかったから」

「じゃあ思い通りの展開になっちゃってるじゃん…」

「そうだね〜」

「ぐぬぬ…」

確かにもっと触ってとも言ったし、ほっぺを舐められたのも最初は吃驚したけど可愛らしく感じるけど、シルの掌の上で転がされている感じが否めない。何処かで反撃したいんだけど…よし。

「はむっ」

「ふぇっ?」

「んむ?」

「ちょ、ちょっとマスター!何してるの?!」

シルが舐めてきたので仕返しとして私は甘噛みをしてみた。今はシルの首元に口を当ててはむはむしている。

「ぷはっ…どう?驚いた?」

「こんな事されたらそりゃ驚くよ!」

「えへ、仕返し成功〜」

「うぐ、マスターが可愛いから何も言えない…」

悪戯が成功して嬉しくなった私はそのままの勢いで、起き上がって仰向けのシルの腰に跨ってみた。おお、こうしているとシルに対して優越感がある…

「ふふ、シルの顔が見下ろせて良いな…」

「そう?…それは良かったと思うんだけど…」

「…?」

「私はこれくらいじゃ抑えれないよ…っと」

「わぁっ!」

シルが急に起き上がってきたのでそのまま私が後ろに倒れそうになったけど、ちゃんとシルが捕まえててくれたから私はシルの膝の上にズレただけで何とかなった。

「よく出来るね、そんな動き」

「これくらいなら簡単だよ?」

結局いつものような私がシルの膝の上に座る形で落ち着いてしまった。まあ別に良いんだけど。

「なんかもう座る時はこれが当たり前みたいになってきたよね…」

「あはは、確かにそうかも」

「たまには私が下になってみたいんだけど」

「え、大丈夫?折れたりしない…?」

「私をどれだけ貧弱だと思ってるの」

「それは流石に冗談だけど、そこまで言わずともそんなに長時間私を乗せ続けられるような足じゃないでしょ」

「んぐ…」

ぐうの音も出ない正論に私は項垂れた。

「にしてもマスターはこの体勢好きだよね」

「それはそうだけど…シルは違うの?」

「んーん、私も好きだよ?この体勢」

「でしょ?」

「ちなみにマスターは何でこの座り方が良いの?」

「なんだろう…シルの顔が良く見えるから、とか?」

「…の割にはこの座り方の中で1番距離取るようにして座ってるよね」

「それは、まあ…そうだけど」

そう、私は普段からシルの膝の上に座る時は太ももの根元の方ではなく、本当に膝の上ギリギリの方に座っている。おそらくこれより離れて座ると私が後ろに倒れちゃいそうだよ。

「もっとこうやって…」

「うわっ」

「近付けば良いのに」

腰周りを抱えられてシルの方に最大限引き寄せられる。もうシルのお腹と私のお腹がくっつくくらいには近づいてる。私はす〜っと顔を逸らした。

「何で顔を逸らしてるの〜!こっち向いてよ」

「そ、それはちょっと…」

「む〜…良いもんね、向かせれば良いだけだから」

そう言うと左手で腰を引き寄せたまま、右手で私の口を挟むように捕まえられて、強引にシルの顔を向けさせられる。抵抗しようにもシルの力が強すぎて私の首じゃ勝てないよ…

「もう、顔をこっちに向けたのに目を逸らしてたら意味無いでしょ〜?」

「うぅ…」

「ねえマスター、30秒だけで良いから目を合わせてみない?」

「…それくらいなら良いけど」

「それじゃ、よーい…スタートっ」

逸らしてたら目線を戻してシルの目を見る。30秒ってどれぐらいだろう…うぅ、もう経ったかな?経ってて欲しいんだけど……も、無理…

「うぅ…」

「あ、逸らした!全然30秒経ってないよ〜?」

「駄目…」

「まあ…もう顔真っ赤だもんね」

その事を自覚するぐらいには顔が熱く感じる。最早暑いまである。

5秒経っただけで恥ずかしくなってきて、10秒経つ頃には顔が熱くなっていた。結果としては16秒くらいで目を逸らしてしまった。

今は限界が来た私は両手で顔を抑えて俯き、そんな私をシルがまた頭を撫でて落ち着かせようとしてくれている。

「でもまあ、これで分かったね」

「…?」

「マスターは顔が近い状態で目を合わせると恥ずかしいからやらないって」

「そうだね…」

「だからこの距離になってからずっと顔ごと逸らしてたんだね…可愛い」

「ちょ、今そんなこと言わないで…嬉しさと恥ずかしさで頭爆発しちゃいそう…」

「ふふ、可愛いよマスター。ほんとに可愛い」

「駄目ぇ…」

落ち着こうとしていたのに可愛いなんて言われたものだから私は完全にダウンした。

「ちょっと休ませて…」

「ふふ、は〜い」

楽しそうに快諾してくれたので私は全体重をシルに預けてもたれかかる。

「ふぅ〜…」

「あはは、弄りすぎちゃったかな?」

「ほんとだよ…」

「まあ、ここから暫くは弄らないから安心して?」

「そう頻繁にそもそも弄らないで…」

「嫌なの?」

「…」

顔を背けて意志を見せる。右耳の方から小さく笑い声が聞こえる。

「本当に正直じゃないね…分かりやすくはあるけど」

何も言えない。シルにされることは大抵嬉しく感じてしまう私の負けなのかな。

頭を撫でられるのも可愛いって言われるのもこうやって弄られるのもシルにだったら良い、と思っている時点で多分負けなんだ。

「ほら、よしよし〜」

「子どもじゃないんだから…」

「見た目は子どもなのにね」

「それはそうだけど、どうしようもない所なんだから」

「これくらいの方が愛くるしくて好きなんだけどな〜」

「そ、そう…」

この身長での悩みは絶えない。年齢を間違えられることなんて日常茶飯事だし、年齢を知っていても相応の扱われ方をしない。おじいちゃんおばあちゃん相手は特に。物が取りにくいのもそう。人混みでも満員電車でも周りは見えない。だからあんまり好きじゃないんだけど、なんでだろう。シルにこの身長が好きと言われるだけで良かったと思ってしまう。






そんな風に過ごしてそこそこの時間が経つ。すっかり落ち着いた頃に私は口にした。

「そろそろ露天風呂入る?大分夜も更けてきたし」

「そうだね〜…入ろ!」

「じゃあ行こっか」

「分かった〜」

部屋着を持って2人で浴室に向かう。どうやら浴室から露天風呂の方へ直で向かえるみたい。これなら移動が少なくて済むしありがたいところ。

そうして私達は服を脱ぎ始めた。

「…?どうしたの」

何やら視線を感じたので振り向くとシルが此方をじ〜っと見ていた。

「いや、やっぱりマスターって可愛いなぁ…って」

「悪かったね、ぺったんこで」

そう、私の身体は上から下まで真っ直ぐストンと通っている。悲しきかな、背も伸びなければ胸も大きくならなかった。

「悪いなんて言ってないじゃん」

「でも私としても幼児体型はちょっと…」

「可愛い可愛い」

「その可愛いは小さい子に向けて言うやつでしょ…そう言うシルは本当に女の子らしい身体だよね」

「まあね〜」

出るところは出て、引っ込むところは引っ込む。女の子としてとても魅力的な身体をしている。

くっ、私も欲しかった…

「皆違って皆良いんだから気にしなくていいと思うけど」

「持つ人はそう言うんだよ…」

「大丈夫、私はマスターの身体付きも好きだから」

「ほんと?…ってことはこの体型じゃなくても良いってことじゃん」

「私は身体付きに対してじゃなくてマスターに対して、も好きって言ったんだよ?」

「え、あ、そう…」

「静かになっちゃった」

「う、うるさい…早く入るよっ」

「わぁ、押さなくても入れるから〜」

羞恥心を誤魔化すようにシルの背中を押して浴室の中へ入っていく。浴槽は木材で出来ていて、ほのかに木の香りがする。こういう所も拘ってるんだ、凄いな。

「あ、見てみてマスター!露天風呂も同じ感じになってるよ!」

シルが露天風呂に続く戸を開けて見ていたので私も見にいく。ほんとだ、外の浴槽も木で出来てる。しかもちょっと違う木材が使われていたり、四角形だけじゃなくて筒型のものもある。浴場も結構楽しめそう。のぼせないようにだけ気をつけなきゃ。

誤字脱字、文の違和感等ありましたら遠慮なくお教え頂けると幸いです。

評価もして頂けると嬉しいです。

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