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12/23

#12 逃げられないのですが

こんにちは、COCOAです。

今回はとにかく書きたい内容を書きました。

なので普段より性癖が多く含まれております。

「…よく分かんないけど、取り敢えずお疲れ様。今日はこれぐらいにしてログアウトするよ」

「むむ、もうログアウトしちゃうのか〜…」

「ふふ、そんな不貞腐れないで。ちゃんと明日も来るからね?」

「む〜…分かった」

昨日よりは早く納得してくれて良かった。流石にずっとログインしてるなんて出来ないからね。

「ありがとね一緒に居てくれて」

シルの頭を優しく撫でながらそう伝える。

「そんなの当たり前だよ!だってマスターだもん」

「そっか…そうだね。それじゃあシル、また明日」

「うん、また明日!」

笑顔で見送ってくれるシルに心温まる気持ちのまま私はFoFからログアウトした。

「ふぅ〜…今日も結構遅くまでやっちゃったな…まあ課題とかは終わらせてあるから大丈夫なんだけど」

時計の短針は10を少し過ぎた辺りを示していた。

「歯磨きしてもう寝ようかな、することも無いし」

ベッドから起き上がって洗面台へ向かう。今日もシルと色んなことしたな。新しく手に入れたスキルは凄く強いし、冒険者ランクも上がったし、私は全身弱点だし…何でこんなにくすぐり弱いんだろう。

少し気になったので歯を磨きながらスマホで検索してみる。すると結果は色々なものが出てきた。原因として考えられるのは皮膚が薄い、刺激に敏感、笑い上戸が主な理由なんだって。じゃあ私もこの3つのどれかに当てはまるのかな…?というか笑い上戸に関してはまだお酒飲めないから分からないんだけど…

調べた結果に少し困惑しながら歯磨きを終えて自室へ戻っていく。戻る時についでに洗面台とリビングの電気も消していく。部屋に着くとそのまま流れるようにベッドに入り、部屋の電気も消す。さっきまでゲームしてたから目が覚めてるとはいえ暗くしてたら勝手に眠くなるだろうと思って目を瞑る。そうして私はあっけなく夢の世界へ旅立って行った。






アラームがなる前に勝手に体が起きる。

「ん…目、覚めちゃった…」

時間を確認してみると6時15分。二度寝するにしては時間が少ないので諦めて起きることにした。時間に余裕があるので窓の所のカーテンを開けて日光を取り入れる。こうやって太陽の光を浴びると健康に良いって聞いたことがあるんだけど…真偽の程は分からないや、覚えてないから。って、やばっ

「…っくしゅん」

くしゃみが出てしまった。理由が分からないけど太陽の光でくしゃみが出ちゃうんだよね。ほんと、どういう原理なんだろう。そんなどうでもいいことを考えてながらまったり過ごす。それからリビングの方に降りていって朝ごはんの用意をする。今日は昨日のわかめスープが余ってるからご飯の方にしようかな。あ、ご飯って白米のことね。あとはパパっと卵焼きでも作って食べよ。適当に献立を思いついたら手際よく作っていく。卵焼きくらい10分もせずに作れるし、わかめスープは温め直すだけ。ご飯は昨日の余りが保温してあるから今日はそんなに時間かからないから良いな。

作り終えた朝食をテーブルに並べて1人で食べ始める。うん、我ながら卵焼きが上手に焼けてる。今回はわかめスープが塩の味付けなので卵焼きは甘く作った。砂糖を入れると焦げやすくなるから作るのが塩の時より難しいんだけど、大分綺麗に作れてることに満足。昔は焦がしたりしてたなぁ…なんて思い出しながら朝ご飯をゆっくり食べる。目覚めがお世辞にも良い方とは言えないから朝はあまり動かないのだ。

やがて朝食を食べ終わると手短に皿洗いをして身支度をしていく。このままだと早めに出れそうだから今日は学校で日向ぼっこ出来そう。なんて呑気に考えながら私は家を出て学校へ向かった。






「ただいま〜」

学校を終えて今日も真っ直ぐ家に帰って来る。ただいま、なんて言ったけれど今日はお母さんも出掛けてて帰りが遅いから暫くは家に1人で居ることになる。折角だし今日はお風呂と夜ご飯を早めに済ませて纏まってFoFにログインしようかな。今日も隣の席の女の子とFoFの話をしたんだよね。そのおかげで隣の席の子とは友達になれそう。自分から話しかけにいくのはそんなに得意じゃないから共通の話題があると助かるんだよね。

手洗いうがいをして部屋着に着替える。やる気があるうちに先に課題を進めておこう。今日は数学と化学の課題が出てるんだけど、得意科目だから特に躓くことなく解けそう…私は夜ご飯の献立を考えながら今日の課題をこなしていった。

夜ご飯はペペロンチーノにすることにした。付け合せはハネムーンサラダ、デザートには冷蔵庫に入ってたみかんゼリー。完璧だ…パスタ系は大体1つのフライパンで調理が最後まで出来るから洗い物が少ない上に作るのが楽だから好きなんだよね。私は辛めが好きだから鷹の爪を少し多めに、ハネムーンサラダには和風ドレッシングをかけて頂くとしよう。

そうして作った夜ご飯を食べている途中にお風呂が沸いた。今日は何のバスボム入れようかな、色々な種類のバスボムを思い描きながら食べ終えた夜ご飯のお皿を洗う。早くシルに会いたいなぁ…まだFoFで遊び初めて3日くらいなのにもう頭の中がFoFでいっぱいになってる…FoFというか、シルのことでだけど。

やがてお風呂から上がってパジャマに着替えた私は自室で窓を開け夜風に当たっていた。少し涼んだらログインしようかなと考え、ベッドにヘッドギアを用意していつでもログイン出来るようにした。

それから私は数分涼んでから窓を閉めて水を1口飲む。準備は整ったのでヘッドギアを被りログインする。

「うわ、眩し」

時間的にも暗くなってきた頃だと思ってたけど、そういえば昨日は冒険者ギルドでログアウトしたからギルドの中じゃん。

「マ、ス、ター!」

「ん、シル。今日も元気そうだね」

「勿論!マスターに会えたからね!」

後ろから軽く抱きつかれたので振り向いてから話し始める。

「でもどうせ抱きつくなら正面からにしてよ」

「なんで?」

「そっちの方が好きだから…」

今度は私の方からシルに抱きつく。

「へ〜…ちなみに好きな理由は何〜?」

「…シルの顔が、見えるからだけど」

「もう〜、マスターは可愛いね!ほんとに」

抱きつく私に対して両手で私の頬を挟んで目を合わせてくる。流石にこの状態だと恥ずかしいんだけど…

「何照れてるの〜?」

悪戯っぽい声色で私の事を追い詰めてくる。何でそんなことをするんだろう。…楽しいからなんだろうけど。

「照れてないよ」

「ほんとかな?」

「うん、ほら」

そう言ってシルの両手を優しく剥がして目をじっと見つめる。なんとか誤魔化さないと…

「見て、この真剣な眼差し。とても照れていたとは思えないでしょ」

「流石に無理があるよマスター…」

「うぐっ…」

無理でした。いくら何でもこれで誤魔化せるほどシルは優しくはないみたい。

「ほら、座ろ?」

私をまた膝の上に乗せるシル。

「この座らせ方ハマったの?」

「そうだね〜…マスターとの距離感が近いし、体温感じれるから」

「そうなんだ…」

まあシルがやりたいのなら良いんだけど…私もこの座り方が好きだなんて到底言えない。

「今日は何するの?」

「ん〜…シルは何かしたいことある?」

「私?…マスターがしたいことすれば良いんだよ?」

「私はシルと一緒に居られるなら何しても良いからね」

「なっ…そ、そっかぁ」

少し顔を赤くするシル。どうやら私の言葉が恥ずかしかったみたいで、シルから感じる温もりが少し強くなった。

「じゃあさ、マスター」

「ん?」

「私が今日はずっとマスターとイチャイチャしたい、って言ったらしてくれるの?」

「え…?」

思いもよらないお願いごとに私は少し困惑する。シルは私とイチャイチャしたいの…?…まあ

「シルがしたいって言うなら別に良いよ」

「あ、良いの?」

「うん」

既にこのゲームをプレイする理由の過半数を占めているのはシルに会いたい、そういう理由だもん。だからイチャイチャしたいっていうことなら私はそれでも良い。むしろ大歓迎なまであるんだけど。

「じゃあ本当にそうしよっかな〜」

「イチャイチャするにしても、何処でするの?」

「う〜ん…人が周りにいた方が反応が良さs…移動するのも面倒だからここで良いんじゃないかな?」

「そう?…シルが良いなら…」

何か途中まで言いかけてたけど何だったんだろう。

「何かマスター、怪しい壺とか売られても買っちゃいそう」

「何で…?」

「だって意思が弱いんだもん」

「それはシルにだけだよ?」

「あっ、ふ〜ん…」

どうしたんだろう、急にシルの頬がゆるゆるになって口角が上がってるけど…私の発言の中で何か嬉しくなるようなことでもあったのかな?

「まあ取り敢えず、今日1日はマスターとイチャイチャするから覚悟しててね?」

「どういう…」

「恥ずかしい気持ちになる覚悟」

「え〜…」

そんな変なことするのかな、シルの事だから屈辱的と言うよりかは羞恥の方向なんだろうけど…一体何をされるんだろう、少し怖くなってきた。

「それじゃあ昨日の続きから。まずはハグです」

「あ、うん」

言われた通りシルの膝の上に座ったまま取り敢えず抱きしめる。

「このままでおねが〜い」

「うん、分かった」

私もこの体勢だとシルをいっぱい感じられるし落ち着くから好き、私が膝の上じゃないと身長差の関係で体勢が厳しいのがちょっと嫌だけど。私もシルを膝の上に乗せてみたいんだけど、そうしたら首が角度的にキツくなっちゃいそうだな〜…

「…すんすん」

「…何か嗅いでる?」

「マスターのうなじ嗅いでる〜」

「え、止めてよ…良い匂いなんてしないでしょ」

「良い匂いするよ〜?他のところよりホットミルクみたいな匂いが強くなってる」

「そうなんだ…そんなこと知らなかったけど」

「まあ自分じゃ嗅げないだろうしそれが当たり前だよ〜」

「それもそうだね」

そんな会話をしてからまた一息落ち着く。ずっとこのままで居たいな〜、なんて思ってると急に太ももを触られた。触られたというより握られたっていう方が正しいかもしれないけど。

「な、なに?」

「ん〜?マスターが逃げないように捕まえておこうと思って」

「そんな事しなくても私逃げないんだけど…」

力の強さの関係的にも逃げれる気がしないし。

「まあそんなのは建前で〜…」

「ひゃっ」

「お、やっぱり足もくすぐりに弱いんだ〜」

「や、やっぱりって何…」

「いや〜、私は絶対マスターは全身弱いと思ってるからさ〜。検証してみようかなと思ったんだけど、今のところは成立してるね」

「そう…私は興味無いんだけど…」

「ん〜ん、私が気になるからやるの〜」

「うぅ…」

「とはいってもこれ以上確かめようとしたらちょっと触る場所がアレになるんだけど…」

「アレって何…?」

「許可貰わないと怒られそうな所」

「一体どこを触ろうとしてるの…」

「え〜?まあ…首とか足裏とか」

「そんな所までわざわざ触って確かめなくても…」

「ダメだよ!これは検証だからね、仕方ないね〜」

小悪魔のような笑みを浮かべているシル。それをみて思わず逃げ出したくなったけど、今日はシルとずっとイチャイチャするって約束したから無理だった…

「絶対そんなこと思ってないじゃん…楽しんでるじゃん」

「えへへ、まあ楽しんでるのはそうだけどね」

「やっぱり…」

「それはそうとして…それでは確かめていくよ〜?」

「お、お手柔らかにお願いします…」

「それは気分次第かな〜?」

今日は大変な目に合いそうだよ…

誤字脱字、文の違和感等ありましたら遠慮なくお教え頂けると幸いです。

評価もして頂けると嬉しいです。

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