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一途な僕と一途なキミの、アイで満ちた同棲生活  作者: ノミオ
10年想い続けてきた初恋でガチ恋で最愛の推しが天井から降ってくるワケがないっ!
8/11


「私の事を知ってるなら、ちゃんと分かってますよね? 私はクリスくん一筋だって」

「エグザクトリー。話の途中で登場したアリスちゃんに惚れたモブキャラくんにも、全然靡いてなかったもんね。アリスちゃんに好きになってもらえるなんて思ってないよ」


「絶対に何もしませんか?」

「絶対に何もしないよ。神に誓って。だって僕は、敬虔なクリスチャンだからね」


真っ直ぐ目を見つめてそう返すと、アリスちゃんは一度目を伏せ、そして躊躇いがちに僕の目を見つめ返した。


「では……しばらくお世話になります」


ッッッッ!!!! よっっっっっしゃあーーーー!!!

やった!!! やったぜ!!!


これから僕とアリスちゃんの甘いあま〜い同棲生活がスタートするッッッッ!! スタートしちゃうううううう!!!


心の中でガッツポーズをし、狂喜乱舞する。

しかし僕はそれをおくびにも出さず、爽やかに笑って手を差し出した。


「じゃあ改めて、これからよろしくね。アリスちゃん」

「……はい。よろしくお願いします」


アリスちゃんが躊躇いがちに僕の手を握る。

喜びに震え出しそうになるのを堪えながら、僕もその手を優しく握り返した。


「そういえば、貴方の名前は?」

「え? 僕の名前が気になるの? まさかアリスちゃん……もう僕のことを好きになりかけて」

「違います! これから一緒に暮らしていくために必要だから、仕方なく聞いてるんですっ!」

蒼已あおいだよ。一ノ瀬蒼已。好きに呼んで」

「……じゃあ、『あおいさん』にしますね」


ふ~ん。下の名前で呼んでくれるのか。これはアリスちゃん、確実に僕に惚れてるな?


「……あの、そろそろ手を離してくれませんか?」

「う~ん、もうちょっとだけ……」

「離してください!!」

「あ、はい、スイマセン……」


凄まじい剣幕で怒鳴りつけられ、僕はしょぼくれつつもアリスちゃんの手を離した。


ふっ、まあいいさ。これから一緒に住むんだ。接触の機会はいくらでもある。

これから好感度上げを頑張れば、もっと色んなところにだって触れるはず……!


「よし、ではさっそく必要なものを揃えなくちゃだね。買い出しに言ってくるよ」

「そうですね。お願いします」

「歯ブラシに服に布団に……あ、下着も必要か。アリスちゃんって何カップ?」


「はぁ!? どうしてそんな事答えなくちゃいけないんですか!? セクハラです!」

「え、だって買わなきゃいけないブラジャーのサイズ分かんないじゃん……」

「それは、確かにそうですけど……」


ごにょごにょとアリスちゃんが口ごもってしまう。どうやら僕にブラのサイズを知られるのが相当嫌なようだ。


「ああ、勘違いしないでね。僕は別に、アリスちゃんのおっぱいの大きさを知って、色々と妄想するために聞きだしたいわけじゃないから。ぶっちゃけ女の子の下着なんて見飽きてるし」

「……最低な発言ですね」

「あ、いや、違うからね? 妹がいるからそのせいよ? でもまあ、気になるなら自分で選んでもらおうかな」


スマホに女性用下着のサイトを表示して見せる。アリスちゃんは興味深そうに画面を覗き込んでいた。


「この中から自分の好きなデザインとサイズ選んでくれる? 説明がなんて書いてるか分かんなかったら読んであげるし、言ってね」

「あ……はい」


使い方を軽く説明してからスマホを手渡した。


アリスちゃんはぎこちなく指先で画面をスイスイとして、何枚か選んでこちらにスマホをよこしてきた。

どうやら普通に日本語を読めているらしい。まあ、僕とも普通に会話してるし、そういうもんなのかもしれない。


「分かってますよね? 絶対に見ないでくださいね?」そういう無言の圧を横から感じながら、僕は出来るだけ買い物かごの中身を見ないようにし、素早く決済を完了させた。


「よし、じゃあ他のもの買ってくる」

「あの、その間、私は何をすれば……?」

「好きに過ごしてていいよ。漫画とか本とか色々あるし、テレビ見ててもいいから。あ、冷蔵庫にまだいちごのポッピーあるし、良かったら食べて」

「分かりました。じゃあ……いってらっしゃい」

「! うんっいってきますっ!」

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