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【完結・旧ver】宇宙人が家にやってきた!  作者: 桜月零歌
第三章 宇宙人と多田家
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第59話 ショッピング (前編)


 実家の帰省から暫く経ち、クリスマス前日の夜。ちゅうじんはいつも通りの定位置であるソファでゴロゴロしながら、漫画を読んでいた。

 

「やっぱりバトル漫画は最高だな~」

「そういや、ちゅうじんは偵察隊の任務で戦闘とかしないの?」


 一緒にゴロゴロしていたベンジャミンが訊いてくる。ちゅうじんは一瞬考える仕草をしてから、応えた。

 

「え? あー、やってるぞ。ここに来てからはやってないけどな。平和だし」


 地球、少なくとも日本は平和な国だ。当然、修羅場になるようなことも起きないので、身体がにぶってるかもしれないとちゅうじんは思う。


「へえ~、そうなんだ。じゃあさじゃあさ、ちょっとで良いから今度やってみてよ」

「んー、良いぞ。但し、例の裏山でな」

「やったー!」


 ベンジャミンはちゅうじんからオッケーを貰うと、ソファーの上で飛び跳ねる。その様子を見ていると、ちゅうじんのスマホに着信が入った。見てみると、亜莉朱からのようだ。


「何だ?」


 さっそく、スマホのロックを解除してLEINを起動させると、ショッピングモールに遊びに行かないかとお誘いのメッセージが来ていた。ちゅうじんはどうせやることもないので、すぐに行きたいと返信をする。すると、集合場所と日時を決めようということになり、漫画を一度置いてスマホを操作し始めた。十分ほどやり取りをしてからアプリを閉じるちゅうじん。


「何だったの?」

「亜莉朱と遊びに行くことになったんだ。明日の十三時に京都駅に集合だってさ」

「あそこ広いからね。迷子にはならないようにね」

「分かってるぞ。ベンジャミンはいつも通り、みやびのところに預けるからな」

「はーい」


 ちゅうじんはベンジャミンにそう伝えると、みやびの電話番号を打ち始めた。明日のことについて連絡するようだ。通話をつなげてみやびにベンジャミンを預かってもらうように伝えると、ちゅうじんは明日の準備を始めるのだった。


 

 ◇◆◇◆



「おーい、うーさんこっちこっち」

「あ、そんなところに居たのか」


 無事に京都駅へとついたちゅうじんが、亜莉朱を探していると後ろの方から声がかかった。気づいたちゅうじんは後ろを振り向くと、亜莉朱を見つけて声を上げる。駅構内は人が多いので、ぱっと見誰が何処に居るのか分からないのだ。

 亜莉朱はすでに何回かちゅうじんの名前を呼んでいたのだが、周りが騒がしくちゅうじんには聞こえづらかったらしい。なかなか気づかないちゅうじんを見て、笑い声をあげる亜莉朱。


「はあ~、呼んでも全然気づかんのおもろいな」

「どんだけ笑ってるんだよ……。それじゃあショッピングモールへの案内よろしくな」

「任せといて~」

 

 自信満々に言う亜莉朱の後をついていくちゅうじん。亜莉朱は多田とは違って。迷いなくどんどん進んでいく。あの様子じゃ何回も遊びに来たことがあるんだろうな、とちゅうじんは亜莉朱の迷いない足取りを見て感じ取る。

 しばらく歩いていくと、曇り空が見えた。今日は夜に雪が降る予定なので、傘を持ってきていて良かったと思うちゅうじん。その後、横断歩道を渡ってまっすぐ進む二人。


「そうや。うーさんは、なんか欲しいもんとかあるん?」

「欲しいものか。んー、そうだな……。色々あるけど、やっぱり最近発売されたゲーム機が一番欲しいな」

「へえ~、ゲームやるんやな。何やってるん?」

「RPGとかホラーゲームとか色々やってるぞ。亜莉朱は何かやってるのか?」

「えっとな――」

 

 ちゅうじんが訊いたところ、亜莉朱はPCゲームやスマホゲームをよくやっているらしい。だが、それも最近は文化祭やら生徒会の仕事、試験だったりで忙しかったようで、あまりやれていないようだった。亜莉朱の学校は昨日から冬休みに入っているので、亜莉朱はやっと落ち着いてゲームができると喜んでいる。

 そうこう話していると、ショッピングモールに着いたようだ。中に入るには正面から行くよりもエスカレーターに乗った方が早いらしいので、それに乗るちゅうじんと亜莉朱。


「んで、これから中に入るけど、どこ行きたいとかある?」

「そうだな。最近、物が増えてきたから百均で何か収納できるものが欲しいぞ」


 ちゅうじんの部屋は、現在フィギュアやらグッズやら漫画やらで溢れかえっているので、ちゅうじんはそれらを収納できる本棚やボックスが欲しいようだ。亜莉朱はそれを聞くと、返事をする。

 

「おっけー。てか、うーさんも部屋散らかってる人なんやな」

「物が多すぎて、そろそろ足の踏み場がなくなりそうなんだよな。多田に大掃除が終わるまでに片づけとけって言われてるから」

「お兄、綺麗好きやもんな。口うるさいところがホンマに嫌なんよ。ほっといてくれて良いのに」

「あはは……。その気持ち分かるぞ」

 

 亜莉朱が嫌そうな顔でそう話すと、ちゅうじんは苦笑を浮かべながら、共感できると相槌を打った。

 エスカレーターを降りて中に入る二人。その後も談笑しながら歩いていると、百均のお店を発見する。


「ここか」

「そうそう。それじゃあぱぱっと買いに来ますか」

「だな!」


 ちゅうじんはさっそく店の中に入ると、目当てのものを探し始めた。上の方を見ると、どこに何が置いてあるのか分かるように案内板が設置されている。ちゅうじんは親切だと思いながらそれに従って進んでいく。ボックス売り場を発見すると、商品を手に取りながら見ていくちゅうじん。ちゅうじんが品を選んでいる一方、亜莉朱はというと、友人の誕生日プレゼント用のラッピングを見ていた。


「んー、可愛いのあるかな~。あ、これにしよ」


 花柄と水玉模様の透明の袋を見つけたのか、それを数枚取っていく。誕生日プレゼント用と来年度のバレンタインでお菓子を詰める用に余分に購入するようだ。

 各自欲しいものを手に取ると、会計を済ませて入り口に集合した。


「結構買ったな~」

「だろ? でも、これぐらい買わないと収まらないんだよな」


 亜莉朱に言われると、ちゅうじんは手に持っていた大きめの袋を見せる。

 

「なるほどね。あ、本棚の方はどうしたん?」

「部屋の大きさに合わせてサイズ選んでから、郵送してもらうことにしたんだぞ」

「郵送便利やもんな~」


 多分来るのは数日後だろうし、そのころには多田も休みだろうから組み立てるの手伝ってもらうか。


 ちゅうじんがそう考えていると、亜莉朱から次はどこに行くか訊かれる。ちゅうじんは欲しいものを頭の中で整理してから口を開いた。


「えっと、本屋は後で回るとして次は服を見に行きたいぞ」

「お、良いやん!」

「いつまでも、多田のお下がりを着てるのもあれだしな」

「あ、あれなんか見覚えあるなと思ったらお兄のやったんか」


 亜莉朱は合点がいったようで、納得したような声を上げてから、洋服の売っているお店へとちゅうじんを案内し始めた。

 エスカレーターで二階に降りると、亜莉朱がここだと指を差した。その方向を見てみると、かなり広い店だということが分かる。様々な年代の洋服が揃っているため、亜莉朱もここに来ることが多いのだそう。値段的にもお手頃のようだ。ちゅうじんは自分で服を選んだことがないため、亜莉朱に手伝ってもらうことになった。


 そして一時間後。服を買い終えたちゅうじんと亜莉朱は、一旦休憩を挟もうとフードコートの方へと向かうのだった。

 

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