悪役令嬢は推しの本命になりたがる。
───その後、起きたのはベットの上であった。
(まだ、まだ希望はあるって!!!!ある、ある…)
どデカいベットから身を出し、これまたどデカい鏡の前に立つ。
立ってからは目を閉じて歩く。
-----(いくぞ…目を開けるぞ…!!)
-----(悪役令嬢だけはッ!!!)
─────パチッ
──鏡に写ったのは真っ白な髪の毛に癖毛が混じった髪質で、目にサファイヤを埋め込んだ美少女。
──人はこの美少女を女神と呼ぶかもしれない。
──だが、私にとっては悪魔であった
『ぎゃあぁぁぁぁぁあぁぁ!!!!!!!!!!!』
『やっぱりレーリス・ヴァン・ボンバートじゃあないかぁ?!!!』
レーリス・ヴァン・ボンバートはシロガクの中の悪役令嬢。
つまり、私は、悪役令嬢に転生してしまっていた。
『…なんて、なんてコトぉ………?』
──────────────────
その数分後、私の奇声に驚いたメイド数名が私の部屋に入ってきた。額には汗が滴っていた。
メイド1[レーリスお嬢様!!大丈夫ですか?!]
メイド2[お嬢様!!!やはり…昨日の"後遺症"が…]
─昨日の後遺症…?この悪役令嬢になんかあったのか?
そんなイベントはシロガクにはなかったハズ。
『…ねぇ、昨日って何かあったの?』
『私なんも覚えてなくて…教えてくれないかな?』
メイド3[ア…!はい、はい、ただ今お話させて致します…!!]
そうして、手をブンブンと大きく振らせながら、事情を説明していく。
メイド3[昨日、お嬢様はお庭の薔薇を見に行く為、外へ出たのです。]
メイド3[お嬢様はその薔薇にお触られなさいました。けれども、薔薇に…その、虫がついており……]
メイド3[戸惑ったレーリスお嬢様は石につまづき、頭から地面を打たれ、そのまま転がって池に落っこちましたぁぁ……]
(地面に頭を打つはまだわかる。転がって池に落ちるってなんだよ)
メイド1[お医者様からは記憶喪失をする可能が有るかもしれない………と。]
[きゃぁぁぁ!!!]と、メイド達は雄叫びを上げる。それはまさにムンクの叫びであった。
メイド2[お嬢様は1週間前に6歳になったばかりなのに…!!!!]
──────?
『ろく、さい?』
そう、白学が始まるのは13歳から。
中等部〜高等部までを主に描いた作品である。
分かりやすく言うと、この中等部~高等部というのはだいたいハリーポッターのホグワーツと同じようなもの。
そして、今は6歳。あと、ストーリが始まるまでには7年あるという事だった。
つまり、つまりだぞ……?
っと、その前に メイドを追い出さなきゃ。
『ごめん、部屋から出てってくれない?ちょっと頭が痛くて…』
わざとらしく、頭を抱えてみる。
1 2 3[!!失礼しますっ!!!]
カッチャン……
ふぅ…
考える前に、もう一度、鏡の前にたってみる。
『…ホントだ、気づかなかったけど、若くなってる…』
『手も、ぷにぷにゅだ…』
─ぁっ!!それどころじゃない!
机に向かい、そこら辺にあるノートを取り出した。
『某悪役令嬢漫画みたいに物語わすれちゃうかもだし、ストーリー描かなきゃ…!!』
カキカキ…
一通り書き終え、改めてこの悪役令嬢レーリスとはゴミだと気づく。
てか、そうじゃなくて!この悪役令嬢死に過ぎじゃね…? もうこれ完全に運営狙ってるって……!!!!
あと7年後に物語始まるから、終わりまで3年…あと10年の命か。
────ん?6歳?
『……?6歳…?』
『…6歳なら、物語変えられるんじゃね…??』
───────もしかしたら、そんなに悲観的にならなくても大丈夫かもしれない。
偉く遅くなってる最新スピードに草生えますね…()
見てくれた人ありがとうございます!!!