悪役令嬢は推しの本命になりたがる。
今作品を見て下さり、ありがとうございます。
処女作でありますので、文法など、おかしな点があるかと思いますが、多めに見てくれると嬉しみです。
ガッタンゴットン…
電車の揺れる音、酔っ払いのサラリーマン、そして終電出発ギリギリに駆け込む私。
出勤時とはまた違う、"ジロッ"っと効果音が着きそうな目線が私に突き刺さる。
〘おほ、おほほほほ…〙
私なんとも恥ずかしい奇声を発していた。
し、仕方ないだろっ!気が狂う程のブラック企業なんだから…
あぁ、私、29歳のOL。30歳だと言ったら死の淵まで追いかけてやる。
お"っほんっ、私は最近、いや2,3年前この乙女ゲームにどっぷりハマってしまったのだ。
『--白薔薇の魔法学園--』通称『しろがく』
__私は数多くの乙女ゲームをやってきた。
だが、飽き性なものですぐ次のスリル_恋を求めて他の乙女ゲームへうつる。
さて、話を戻すが、このゲームVRなのだ。
無駄にVRなのだ。
そこにひかれたのだが…しかも値段は5万を超える、リッチなリッチすぎる値段だ。+VR代が掛かって仕方がない。
手取り15万がよく出せていると思う。まぁ、出せている秘密は今度話すよ。
しかし、だがしかし、今回ばかりは他ゲーうつれない。
移りたくもない。
私の全て、私の好みが全て詰まった"推し"がいるのだ。
名前はスチウス・ヴェン・ローズ 。
彼の性格は曲がっている。素晴らしいッ!!!
ホントもう、ゴミを見る目で見つめられたい…ッ!!!!!
ずっっっと顔面拝みたいッッッ!!!!
……ぁ。まぁ、性格はあまり良くはない。
そして重要な容姿についてだ。
髪は肩までのばして、少し癖毛が混じった髪質である
頭の後ろでハーフアップにしており、髪色は黒。
目はつり上がっていて、赤黒い瞳に色白の肌。
顔は少し不機嫌そうにしている。
聞いてくれたかい?途中飽きて飛ばした人いるでしょ?
まぁ、うん、完全に私のタイプの顔だ。
どちゃクソタイプなんだ。死にそう。何時も死にそう。
とりあえず、全ルート攻略完了し、イベントも全制覇。
プレイヤーとの対戦がある《♡恋のパラレルメーター♡》では世界ランキング1位。
おっと、
そろそろ我が家に着きそうだ。
帰ったら速攻でVRの世界に潜らなきゃいけない宿命が待ってる!
待ってろよスチウスきゅん!!!!!
……ぇッ?
╶╶╶╶╶我が家のドアが無作法に開けられていた。
╶╶╶中には見知らぬ泥棒さんが。
〘え、枝豆食べますか…?〙
足を羊みたくグラグラさせていたら、
気づいた時には腹を刺され、胸を刺され、目の前が
真っ赤になっていた。
ブサッッ…グッサッッ……ブサッッ…!
(あっ、死んだわ。)
その時の私は余りに落ち着いていて、来世の事でも考えていた。
╶╶╶╶死んだら、安定の乙女ゲームに転生した系かなぁ
╶╶╶╶だったらいいなぁスチウスきゅんに会いたいなぁ…
╶╶╶╶もしかしたら、死んでよかったかも。
真っ赤な景色が少しづつ、真っ白な景色を写しだしてきた。
〘ん…ぅんん?〙
目の前には教会で見るような神様がいらっしゃった。
神は此方を見、微笑んでいる。
〘これは…〙
〘確定演出キタァーー!!!!〙
〘乙女ゲームは当たり前にしろがくで、ヒロイン希望します!〙
╶╶╶神様はずっと何処か遠い所を見て、微笑んでいる。
〘……〙
……転生先は当たり前に、ヒロインだよね?
悪役令嬢とか、ないよね?
悪役令嬢とか、許さないよ?
╶╶╶神は変わらず、何処か遠い所を見て、微笑んでいる。
神様、私信じてるからね?ヒロイン。ヒロインだよ。
神、此方を見、綺麗な土下座をしている。
〘あっ…〙
──最後に私が見たのは、最高級の土下座だった───
ネタが早くも無くなりそう。(ボソッ)
見てくださり、ありがとうございます!!