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少年はそれでも戦い続ける  作者: 虹ウサギ
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0.3少年と魔素病


「俺はルキ、お前の名前はなんだ?」


今更ながら、この少女の名前はなんだ?


ルキは少女を助けたはいいものの、その少女の名前を聞いてはいなかった。


「え?私ですか?私の名前はクルミです。今年で17になります」


17!?俺と一つしか違わねぇじゃねぇか。それなのに弟のために薬草を取りにいってたのか


ルキはクルミの弟が待つ山小屋へと向かいながら、クルミが何故襲われていたいたか聞いていた。どうやら山賊たちは、薬草が目当てだった訳ではなく、クルミ自身が目当てだったようだ、


うん確かにクルミは可愛いなここ数年、人とあっていないせいでもあるが、お世辞抜きにしても、クルミは可愛い、綺麗な金髪のロングヘヤーに目鼻立ちの整った顔何より、礼儀正しい、本当に弟想いでいい子だ。そんな子を殺そうとするなんて、俺って最低だな、こんなんじゃアイツに笑われちまうよ

そんなことを思っていると


「着きました」


「ここか、ボロっちいな」


「すいません。汚くて、掃除するひまが無かったもので」


また言ってしまった。心に思ったことをすぐに口に出すのは俺の悪い癖だ、ごめんよクルミ…


「ただいま、ソウマ大丈夫!?」


クルミがソウマと呼ぶ、おそらく弟と思われる少年に駆け寄った、ソウマはひどく息が上がり、顔が真っ青だった、今にも死んでしまいそうに、ソウマの容態はクルミが想像していた以上に深刻だった。


「ソウマ!ソウマ!しっかりしてソウマ!」


「ありゃこりゃダメだな」


「えっ!?」


「これは多分魔素病だ」


冗談抜きに、この小僧ヤバいな、だいぶ魔素が体を侵食してやがる、このままじゃ死ぬか魔人になるな、恐らくコイツは魔素への耐性が生まれつき低いのだろう、しかし本来魔人が生まれるには、大量の魔素が必要だ、コイツの耐性が低いせいで周りより早く魔人化が進んだのだとすれば、コイツの村で何かが起こっている。恐らく帝国絡みだな、こんなことをするのは奴らぐらいだ、そうとわかれば、すぐ行動だ


ルキは立ち上がると、小屋を出ていこうとすると、クルミが


「待って!魔素病って何、ルキさんは知ってるの、知ってるならどうすればいいか、教えて!」


「魔素病ってのはな、魔素を吸いすぎて死ぬ病気だ」


「何よソレ、聞いたことないわ」


「そりゃそうだろ、普通じゃかからない、多分人為的にかからされたんだろう」


「助かるの?」


「普通は助からない」


「えっ、嘘でしょ!いやよ!いやもう嫌なのこれ以上家族を失うのは、無力な自分が許せない、何で私には力がないの、なんで、」


魔素病は普通は助からない、魔人となり暴れるか、魔人になる負荷に耐えられず死ぬ、だが治す方法はある、恐らくだれも知らない、長く魔素の濃い土地で暮らしたルキだから知ることの出来た、治す方法は簡単だ、魔素を抜くだけでいい、しかし普通の人間には出来ない、半魔人化しているルキだからこそ出来る技だ、


本来魔人の体内は多くの魔力が入り乱れてる、それは魔物の魔力だ、魔人はそのうちのどれかと適合し、その魔物に近い形に進化する。それが出来た時初めて魔人となる、その前の段階が今だ、今ソウマの体の中を無数の魔物の遺伝子が適合すべくうごめいている、そのすべてを半魔人のルキだけが触れることを許され抜くことが出来る


「落ち着け、普通は助からない、普通わな、俺なら治せる」


「えっ!?治せるの?お願いします!弟を助けて!」



「俺にメリットがねぇ」


別に治してあげてもいいが、ただで治すのは筋違いだと思う、ただでさえさっき盗賊から助けてやったばかりなのだから


「私に出来ることなら何でもします!だからお願いします!弟、弟助けて下さい!」


「何でもか、良いだろう、ならば俺をお前たちの住んでた村まで案内しろ」


「えっ?それだけでいいんですか?」


「あぁそれだけでいい、とにかく村に行ければな」


今の最優先事項は、この魔素を出してるおおもとだ、恐らく帝国と繋がりがあるだろう、帝国のやってることは全部潰す

 

「ソウマ、デコをかせ」


ルキはソウマのでこに手を当てるとソウマの体内にある魔素を全部“食った”

魔素が抜けたソウマは顔色が戻り、呼吸も落ち着いてきた


「これでもう大丈夫だ」


「おねえちゃん?」


「ソウマ!?ソウマ!よかったありがとうございます本当にありがとう」


そうクルミはいいながら、ソウマを抱きながら泣いた


すぐにでも村に行きたかったが、嬉しそうに涙を流しながら話す二人に水を差すほど無粋ではなかった


だが、この時すぐに村にいっておけば、こんな悲劇は起きなかったのにと後で後悔した





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