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YouTube小説「煉獄の焔」  作者: シルクキャット
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第Ⅰ章

YouTubeでも公開しています。


https://youtu.be/r_DduJjnMDk

煉獄・・・カトリック教会の教義で,天国と地獄の間にあり,死者の霊魂が天国に入る前に火によって罪を浄化されると考えられていた場所。


焔・・・ほのお。火炎。ねたみ・怒りなどの激しい感情や欲望で燃えたつ心をたとえていう語。




第一章 二月一日


人気の無い山道に止めてあるワンボックスカーは揺れていた。


車内では女の子の手を押さえる者、スマホをかざす者、そして女の子に覆いかぶさり体を前後に揺らす者がいた。


男たちは笑みを浮かべ辱めの言葉を吐き、女の子の表情は無くただ顔に光の筋を刻んでいた。


「愉しいんだろう?素直に声を出していいんだぜ。俺のは最高だろう」下品そうな男が動きに強弱をつけてねっとりした口調で言った。


「おいエース。俺の分も残しておけよ」軽薄そうな男が言う。


「わかってるってジェイク。でもpipの多い俺が勝ったろう。俺が満足するまで待てよ」


「ゲームの腕は負けでも、女の子を悦ばせるテクは俺の方が上だ」


「何言ってやがる。女は小さいのには感じねぇんだよ」


「おい。もう時間だぜ。遅くなると身内が怪しむ」


スマホをかざしてた真面目そうな男が画面を切りポケットにスマホを入れた。


「わかったアダム。だってよジェイク残念だったな」エースがニヤニヤしながら答える。


「まあいいや。お前の後に突っ込むのも気持ちわりーしな」冷めた顔して答える。


「お嬢ちゃん。またあしたね」またニヤついた表情に戻し言った。


女の子は無表情でただ上だけを見つめていた。




第1章 3月2日


ディスプレイの中に動画サイトYouTubeのある動画が映し出されていた。


少しやつれた感じの中年男性が部屋の中で座布団の上に座りなにやらぼそぼそと喋り始める。


「え・・・あ・・・ん・・・・えーと。始めてこういった投稿をさせていただきます。私がこういった動画をと・・と・投稿するために投稿・・あれ?。すっすっすいません」ハンカチで汗をぬぐい下手糞なパントマイムのように上半身を小刻みにバタバタさせた。


「と・・投稿させていただいたきっかけは2月22日に最愛の娘『メグ』が自ら人生を終わらせたからです」詰まりながらも最後ははっきりと出し切った。


「私の娘はどこともわからない男どもに辱めを受けていました。それも複数回に及んでいたようです」中年男はいったん言葉を切り続けた。


「こういった事情で娘は自分に負け自分で自分の首に縄をかける事態となりました。今回は皆様にこのご報告とこれからの私の宿罪に付き合っていただきたく、ご挨拶を兼ねて投稿させていただきます。こんな私ではありますが、頑張って投稿を続けていきますのでお付き合いのほどよろしくお願いします」


そういって画面内の男が薄くなった頭を見せるように頭を下げた。


その後、自室で垂れ下がった娘を見つけたこと、すぐに病院に連絡したが間に合わなかったこと、その後日記で男たちに辱めを受けたことを知ったことなど、赤裸々に告白していった。


最初は不慣れな芸人のような動きであったが、落ち着いてきたのか最後はニュースキャスターのように落ち着いた口調で中年男は話し終えていた。


この動画は3月1日にチャンネル名「激ダメ親父」のタイトル「煉獄の焔」という名前で投稿された。



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