204話
「……ん」
顔の半分を覆う生温い感触に、伊音は顔をしかめながら気を取り戻していく。バクン、バクンという脈動の音が片耳の中から伝わり、彼女の意識をハッキリと目覚めさせていく。
起き上がろうと床に手を置くと掌が軽く沈み、その気色の悪い感触に飛び起きる。
まるで生肉を素手で触ったような肌触り、自分がそんなものの上で寝ていると気づけば嫌でも目は覚めるだろう。
「ここは……私、一体……」
頭を擦りながら周囲を見渡す。まるで何かの体内の中、肉でできた景色はこの世のものとは思えない。
どうして自分がこんな場所にいるのか? 意識を失う前余程ショックなものを見たせいか、記憶が曖昧でここに至るまでの経緯が思い出せなかった。
すると彼女の耳元で何かが動く。視界の隅に映ったその"何か"を確認すべく顔を上げると、天井から肉の触手が数本垂れ下がっていた。
「ヒッ――!?」
彼女が悲鳴を上げ終えるより先に、触手は彼女目掛けて真っ直ぐ伸びていく。しかし彼女の目前まで到達したところで、目にも止まらぬ剣撃が間に入り触手を斬り落とした。
逆手で握られた短刀、コクワガタの素早い二刀流が伊音を守る。
「忍君……!」
「ハァ……ハァ……! 良かった、目が覚めたんだね――ッ!」
伊音が意識を取り戻したことに一安心する忍。しかし間髪入れずに反対側から新たな触手が生えてきたことを確認し、すぐにそれを切断する。
斬っては生え、生えては斬り、伊音を取り囲むように触手が次々と増殖していく。対する忍は彼女の周囲を常に回り続け、近づく触手を片っ端から斬り落としていった。
その光景を見て既視感を覚えた伊音は、今までのことを全て思い出す。
どんどん狭まっていく空間で、四方八方から襲い掛かる触手。そしてそれらを全て斬っていった忍の姿――
(そっか、あの時呑み込まれて……忍君がずっと守ってくれてたんだ!)
濃姫の胎を吸収したアミメが起こした超常現象。彼女の変質した髪に呑み込まれたところを忍に救われ、現在に至っているのだ。
よく見れば忍の皮膚や鎧には所々傷がある。伊音を呑み込もうと圧迫していく肉塊の中で、尚且つ全方位から伸びる触手の相手をするのは困難だったはずだ。
――今も無限に生え続ける触手と戦う忍。自分の為に命を懸けるその姿に、伊音は呼吸も忘れ見惚れていた。
(――ああもうキリがない! これ全部アミメが操作してるのか!?)
一方忍は、折角の想い人の顔を見る余裕など無かった。斬っても斬っても新しい触手が生え、一向に攻撃の手が止まらない。
こうして伊音を守れているのもコクワガタの超スピードのおかげだが、いつまでもこうして守るには限界がある。
これら全部がアミメの意志で動いているとしたら、彼女を倒さない限りこの現状は打破できない。そして現在の状況を理解する為にも、一度ここから離れるしかない。
「――伊音さん、ちょっとごめん!」
「え――きゃっ!?」
すると忍は自分より背丈の高い彼女を軽々と両手で抱える。所謂お姫様抱っこを突然された伊音は赤面しながら驚愕の声を漏らす。
両手の短刀は口で加え、そのまま肉塊の奥へと走り出す。当然行く手を阻もうと触手が入り乱れるも、通路を完全に封鎖するより先に圧倒的な速さで駆け抜いていった。
こうして通れる程の道があるということは、どこかに出口があってもおかしくはない。
自分たちがまだ地下にいるのか、それとも高所にいるのか。それすらも分からない今、現状理解が最優先。迷路のように複雑でなければ、コクワガタの速さですぐに脱出できるだろう。
(……やっぱり、動いてるな。ということは少なくとも地下じゃないのかな……?)
先ほどから感じていた振動が歩行によるものだと気づき、自分たちが今動いている物体の中にいることを悟った。
一体ここは何なのか? 何故動いているのか? 多くの疑問を残しながらも無我夢中で先を走る。
やがて忍たちは狭い通路を抜け、広々とした空間に出る。金涙たちのいる場所とは違って窓が無く、外の様子は一切分からない。そのせいか広いはずなのにどこか窮屈に感じる。
「ここは……!?」
一番に目を引いたのは、肉の壁に埋まっている物体。緑色の淡い光が照明の如くこの空間を照らしている。その形はまるで蛹、蝉の抜け殻のようにへばり付いていた。
(映画に出てくる宇宙人の卵みたいだ……中に誰かいるのか?)
それが壁の至る所に存在し、忍たちを囲んでいる。形状からして、中に何かが入っているのはほぼ間違いない。
そうして忍の嫌な予感は的中し、内側から蛹が斬り裂かれ、中に入っていた物の正体が露となる。
「ッ――堕武者!?」
金涙笑斗が作り出した人造甲虫武者、堕武者が羽化するように蛹から出てくる。それも一人だけではなく、連動するように他の蛹も羽化していき、あっという間に大勢の堕武者に囲まれてしまった。
「なんで堕武者が……!」
正気を失った目で忍たちを見るや否や、奇声を上げながら一斉に襲いかかってくる。
カブトムシの一刀流、クワガタの二刀流が意思疎通など全く取れていない雑な連携で迫るも、忍は伊音を抱えたまま堕武者たちの攻撃を躱していく。
普通四方八方から刃が迫る中で抱えられたままでは気が気でないだろう。しかし今の伊音は自分の身と心を完全に忍に預け、忙しく回転する景色をただ傍観していた。紙一重の距離で躱しているというのに、"自分は絶対に斬られない"という安心感がどこかあった。
では伊音はどこに注目しているのか? それは自分を抱え敵の猛攻を躱し続ける忍の顔だった。
「――伊音さん、ほんの一瞬だけ動かないで」
忍にそう言われた直後、伊音の身体は優しく、それでいて素早く下ろされる。そして再びフリーになった両手で短刀を握った。
(コクワガタ――"一網打迅"!!)
次の瞬間、忍の姿が消えると同時に周囲の堕武者たちに剣撃が走る。言葉通りの"一瞬"、一秒にも満たない時間で全ての堕武者を薙ぎ払った。
目にも止まらぬ剣撃に襲われた堕武者たちは何が起きたのか理解する暇も無く、気を失い元の服装へと戻っていった。
動かないでと警告したあの声は普段の小峰忍、優しい彼のものだった。しかしそこから全く別人のような強さを見せつけられた伊音。
そして何とか堕武者の包囲網を突破できたことに胸を撫で下ろすその姿に、心の底から惹かれた。
「……かっこいい、忍君」
この感情は一体何だろうか、乏しい人生経験でその正体を見破ることはまだできない。そのせいか思っていたことをボソリと、そのまま口にしてしまう。
彼に聞かれていないだろうか、顔を赤く染め忍の方を見る。どうやら聞かれてはいないらしいが、忍は倒した堕武者を見て目を見開いていた。
「この人たち……病院にいた人たちだ」
「え……あっ」
忍にそう言われ元堕武者たちを見ると、伊音もそのことに気づく。
この中に見知った顔や見覚えのある人物がいる訳ではない。しかし殆どの服装が青白い患者服や白衣の者もいる。十中八九先ほどまで病院の中にいた者たちだろう。
「ということは……今さっき堕武者にされたんだ。逃げ遅れたお医者さんや患者の人があの肉塊に呑み込まれて……」
「じゃあやっぱり、この場所は人間を甲虫武者にする為のものってこと?」
金涙が堕武者をどう作っているのかは分からない。だが少なくともそんなすぐにできることとは思えない。それに隠れ蓑として使っていた病院、それも自分に関係する人たちを前々から堕武者にしていたとは考えにくい。
とどのつまり、あの光る蛹のような物体は人間に混蟲因子を植え付けるためのものであり、ここはその施設のようなもの。そう考えるのが妥当だった。
実際は今も移動し人間たちを捕まえようとしている移動要塞だとは、中にいる二人には想像もつかない。
「――その通り。一見醜いが、これこそ真なる美の世界を創世する我らの要塞だ」
「ッ――!?」
するとどこからともなく、聞き覚えのある声が聞こえる。それと同時に人が一人通れる程の穴が天井に広がり、そこから声の主が翅でゆっくりと降りてきた。不気味な景色の中で場違いな虹色が光輝き、その存在感を示す。
「七魅、彩辻……!」
「まだ神童伊音を守れていたとはな、そこだけは称賛しよう。貴様のその超スピードは確かに美しい」
既にニジイロクワガタの鎧を纏っている彩辻と対峙する。すぐに忍は伊音を自分の後ろに隠し、彼女は渡さないという強い意志を表に出す。
忍がこうして混蟲武人衆の武者と一対一で対峙したのは意外にも少ない。カフェ・センゴクで繰り広げた金涙との戦い以外は、全て仲間のいる集団戦であった。
金涙と比べれば、彩辻はまだ勝てる可能性がある。しかし決して楽な戦いではないはず。
「だが所詮は宝の持ち腐れ、真の美しさとは、志を以って輝くもの。貴様らのような醜くそして愚かな思想など、私の美しさの前では塵当然。
――さぁ、大人しく神童伊音を渡してもらおうか」
一歩、また一歩。七色の両刀を翳しながらゆっくりと迫る彩辻。それに伴い、アミメが操る触手がまた周囲から垂れ下がる。相手は彩辻だけではない、言わば周囲そのものが敵である。
この危機的状況に対し忍は全く退かず、短刀を逆手に持ち直す。
「――断る。伊音ちゃんは渡さないし、お前が望む世界なんか絶対に訪れない。
ここで……お前を倒すからな!」
「不細工の醜い粋がりもここまでくれば滑稽だな。
――せめてこの私が、美しき世界の為の名誉ある犠牲にしてくれよう」
そうして刃を交えようとした――その時だった。
「「――ッ!?」」
不意にあらぬ方向から"虫の知らせ"で感じ取った気配に足を止め、共に同じ方向を見る。"虫の知らせ"による察知は堕武者にも働いていたが、それとは比較にならない程の数、そしてその中にはただ者ではない気配もあった。
「これって……!?」
「……ムシケラ共か、うじゃうじゃと鬱陶しい」
時は少し遡り、移動要塞の外にて。
六本の足が歩みを進め、ゆっくりだが徐々に街の方へと迫っていた。移動スピードは確かに遅いが、常識外れのサイズの為到達するのも時間の問題だろう。
そしてその足元近くで、鋭い刃の音が幾度も鳴り響く。
「――デヤァ!!」
要塞内の忍たちと同様、群がる堕武者と英たちが交戦していた。
適当な場所に穴でも開けて、いざ移動要塞に乗り込もうとしたその時。六本の足が支える腹部に、忍たちのいる空間にあるもの同じ繭が出現した。
そして驚く暇も無くそこから堕武者たちが羽化し、現在こうして襲われているという訳だ。
放っておくわけにもいかず、仕方なく相手をする英たち。一人一人がそこまで強いわけではないので、倒すことは難しくない。
しかし次々と倒しても新たな堕武者が上から現れ、敵の数が一向に減らなかった。
「病院にいた連中……あの中で堕武者にされたのか?」
既に倒した堕武者が着ている白衣を見て、黒金は忍と同じ結論に達する。言わばあの移動要塞は堕武者製造工場、取り込んだ人間に混蟲因子を直接植え付け、即席で人間を堕武者にしているのだ。
「でもあいつらは人間を"完璧な甲虫武者"にしたいんだろ? こいつら堕武者じゃん!」
「恐らく必要なものが足りてないのだろう。人間の遺伝子と混蟲因子の完璧な割合……つまり、伊音ちゃんの心臓だ」
「ということは……神童はまだ無事ってことか!」
黒金の推察通り、この人間を堕武者に変えている力はあくまで"姫"の力によるもの。混蟲因子を生み出す力で人間にそれを植え付けていた。
しかし伊音の心臓はまだ手にいれていないので、どうしても堕武者が出来上がってしまう。
今こうして戦っている相手はどれも堕武者ばかり、それが伊音の無事を証明していた。
「粗方こいつらの役割は俺たちの足止め、このデカブツが街に侵入すれば、大勢の人間が堕武者にされるぞ!」
「ッ……こんなデカいのをどうやって……!」
こうして足元から見上げれば、その大きさが一段と分かる。とてもではないがこのサイズの移動を止めるのは無理だろう。
しかしこの中に、止められる可能性を持った火力の持ち主がいた。
「――簡単な話だ、足を吹き飛ばせばいい」
「信長!」
英が振り返った時には、既に大砲を形成していた信長が砲口に熱エネルギーを集中し終えていた。
真っ赤に燃え上がる本能死の砲口が吼え、火球の砲弾を二回放つ。
「――"第六天雷"ッ!!!」
向かう先は移動要塞の足、片側の二本に狙いを定めてバランスを崩そうと試みた。
砲弾は関節部分に命中し、大爆発を起こす。移動要塞は大きく揺れて、そのまま崩れてゆくと誰もが思った。
「……崩れねぇ、すぐに再生しやがった!」
しかし燃え尽きた部分を補う様に肉塊が再生、太くて逞しい脚へと元通りになる。そして移動要塞は何事もなかったかのように、移動を再開した。
ビクともしなかったわけではないが、その再生スピードに一同は目を見張る。甲虫武者でもあんなにも速く欠損部分の再生はできないだろう。
「混蟲因子の塊ってわけか……っと、こいつらを忘れてた!」
立ち往生している暇も無く、背後から忍び寄っていた堕武者に回し蹴りを食らわせる豪牙。そのまま振り向き様に大槌を振り払い、派手に殴り飛ばす。
その後堕武者たちとの乱戦を数分続けたところで、堕武者の新手がようやく止まる。
しかし落ち着く余裕は無く、すぐにでも移動要塞の中へ突入せねばならない。
「……やっぱ、出入口ぽいのは無さそうだな」
「そりゃそうだ馬鹿、あったとしてもご丁寧にそこから入る必要もない。
もう一度信長の砲弾で穴を開けて、塞がる前に突入すれば――ッ!?」
いざ移動要塞の中へ突入する為、信長が再び大砲を構えたその時であった。要塞内で忍と彩辻が感じた気配と同じものを、外の甲虫武者たちも察知する。それに後ろ髪を引かれるように、英たちの動きが止まった。
「……どうした? また貴様らの直観が何かを感じ取ったのか?」
「あ、ああ……結構多い! それにこの方向は……街の方だ!」
英たちは外にいる為その気配がどこから発せられているのかが分かる。まるで狙っていたかのように、その位置は移動要塞が向かっている先。その軌道上に突如大量の気配が現れた。
「こんな時に何で……鎧蟲か!?」
「――今の終張国で大軍勢を率いられる者は、奴しかいない」
その正体に勘付いた信長は、怒りのあまりに顔をしかめて彼方を睨みつける。その様子を見て、英と豪牙も正体を察した。
――何より、信長以上の怒気が背後から感じた。後ろを振り返れば、鬼の形相を浮かべる黒金の姿。
堕武者と戦っていた時よりも両刀の柄が強く握り絞められ、その怒りを露にしていた。
「……黒金」
「――――」
慎重に声を掛ける英、しかし黒金は何も答えずただ"虫の知らせ"が示す方角を見据えている。
やがて黒金は無言のまま英たちの前へ出たところで、静かに口を開いた。
「――奴らは俺が相手する。お前らは先に伊音ちゃんと小峰のもとへ行け」
「なっ……一人で戦うつもりか!? 前にも言っただろ! お前には――!」
単独で向かおうとする黒金に、英は声を荒げて制止する。
黒金は今までにも、憎しみに駆られ独りで戦おうとしたことがあった。その度に英たちがそれを宥めて、無茶はさせないようにしてきた。
今回もそうだろうと慌てて止める英だったが、こちらを振り向く黒金の顔を見て、言葉が詰まった。
――微笑んでいた。とても家族の仇を討ちに行く表情とは思えない、朗らかとした笑み。しかしすぐ見慣れたしかめっ面へと戻り、淡々と自分の考えを語り始める。
「――街には逃げ遅れた人々がまだ大勢いるだろう。奴らの目的が今更人肉に戻ったとは思えんが、危険であることに変わりない。
それにこのデカブツの中には混蟲武人衆の連中がいる。道を拓く信長は勿論、せめてお前と象山がいないと駄目だ」
「だからって……お前だけでなんて無茶だ!」
今の黒金は怒りで我を忘れているわけではない。しかし自分の特攻を冷静さと合理性で誤魔化しているように見えた。
さっき浮かべた笑みだってそうだ。まるで死にに行くような、悔いの無い顔をしていた。
あれを見たら、黙っていることなんてできない。言葉足らずでも何とか黒金の言い分を否定しようとする英だったが、その言葉は再び彼の笑みによって途切れた。
今度の笑みは先ほどの安らかなものではない。"してやったり"と言うような、どこか楽し気に見えた。
「――お前が言ったんだろうが、"甲虫武者なら人を助けろ"って。
俺は街の人を助ける。伊音ちゃんと小峰は任せた」
それ以上何も語らず、黒金は黙って飛び立つ。街の方へと飛び去っていくその黒い鎧姿を執拗に追うことはできなかった。
英は空いている片手の拳を、強く握る。黒金を止められなかった不甲斐なさからか、それとも募る不安を解消する為か、兎に角力を込めずにはいられない。
「……分かったよ黒金。伊音ちゃんたちは俺に任せて、お前はケジメを付けてこい!」
その言葉はもう届かないだろうが、黒金の覚悟を受け止めた証拠として声に出す。黒金のことを本当に案じているなら、見送る他無い。彼の勝利を信じて自分たちが為すべきことを為す、それこそが黒金の気持ちを裏切らない唯一の方法だ。
「話は終わったか? なら俺が砲弾を撃つと同時にお前らは――」
早速信長が大砲を再び構え、侵入用の風穴を開けようとする。
そうして砲口を上に向けると、なんと人が余裕で通れる程の穴を向こうから開いた。
折角砲弾を撃ち込んでやろうと威勢を放っていた信長だったが、何をせずともできた侵入口に拍子抜けとなる。
しかしその穴が自分たちを招き入れる為ではなく、何者かを外へ出す為であると、落ちるように飛び出してきた巨大な影を見て気づいた。
「ッ――!!」
咄嗟に後ろへ下がり、移動要塞から降りてきた物体から距離を保つ。"虫の知らせ"が感じ取ったのは、堕武者が放つ我を失った殺意とは違う、純粋な破壊衝動。まるで獣のような獰猛さであった。
しかし猛獣の方がまだマシだっただろう。土煙を巻き散らし派手に登場した大男に、英たちは気を張り詰めた。
――堕武者の追加が止まったのは、恐らくこの男を戦場に出すためだろう。山をも崩す超威力は折角作った堕武者を巻き込む可能性がある。
「――よぉ、俺と戦おうぜ白野郎ォ!!!」
「コーカサス……!」
必要以上の言葉は興味が無いのか語らず、一目散に英へと跳びかかる嵬姿。巨大な腕で持ち上げられたコーカサスの大剣が英の目前まで迫る。
こうして始まった最終決戦。混蟲武人衆も鎧蟲も、その運命をこの戦いで決定づけることとなる。
更新頻度を取り戻せてきたと言ったな、あれは嘘だ。
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