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お父さんがゆく異世界旅物語  作者: はなまる
第五章 ハナの異変と羽休め

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第八話 次の目的地と身体強化

 次の旅の目的地は、ポーラポーラという街だ。なんと砂漠越えがあるらしい。街道が途切れるまでは馬車で進み、行き止まりの街で殆どの荷物を降ろす。馬車と馬を預かってもらい『パラシュ』という動物に乗り換えて砂漠の難所を越え、ポーラポーラを目指す。


 ポーラポーラは有名な宝石の産地だという。そして、ポーラポーラの街から馬で二日ほど行くと海辺の街『ミトト』がある。ここに俺とハルが目指す教会がある。


 旅の行程は往復で約二ヶ月。ラーザの時の倍近く、大岩の家を空ける事になる。


 出発は二週間後。その間、せめてなるべくハナと一緒に過ごそうと思った。


 リュートの工房での宴会の時、俺は前から気になっていた事を、思い切って聞いてみた。


 さゆりさんが、言っていた身体強化のような能力や『気』についてだ。


 それは俺が尻尾の動かし方を聞くのと、同じような話になってしまうのかも知れない。でも俺は、少しでも自分で出来ることを増やしたかった。スリング・ショットはあるが、頰に怪我をした時のように、近寄られたら()(すべ)がない。いい年をしたおっさんが、自分の身すら守れない今の状況は、精神的にキツイ。


 ガンザが『俺だって近接戦闘はできないぞ』と言った。『それに、俺の方がおっさんだ』とガハハと笑う。それでも、ガンザだって獣の姿になれるのだ。まだ見た事はないけれど。


 俺は、ハルとハナを連れて俺たちだけで旅に出た場合、二人を守らなければならないのだ。






 とりあえず、みんなに自分の出来る能力強化について聞いてみた。


 ハザンは走る時に足、剣を振るう時には腕に使うそうだ。


 ガンザは弓を射る時は腕に、獲物を探す時に、聴力を強化するらしい。


 ヤーモは薬草やキノコを探す時に、鼻に使う。後は体力を温存させたい時に、小出しにするイメージで使うらしい。


 アンガーは鉤爪を使う時に握力、ジャンプする時、膝に使う。


 ロレンは集中したい時と視力強化。暗視能力も上がるそうだ。


 リュートは腕と足、視力と聴力も強化出来るそうだ。へー、スゴイデスネ。


 トプルは蹴り技を使う時に足、相手の出方を見るために視力強化を使う。筋肉の動きを見るのだそうだ。なるほど、トプルの防御の巧みさは、理由があっての事なんだな。


 結論から言おう。みんなチートじゃねぇか! なんでこんな、国民総超能力者みたいな世界なんだよ。子供の頃から、使い続けた能力? 三十路の俺にどうしろと言うんだ。


 俺は参ったなと思いながら酒を(あお)ってみたりした。酔えねぇ! 俺だってたまには、酒に逃げてたい時もある。酔って愚痴ったりしてみたい。ハルの見てないところで泣き言を言ったっていいじゃないか!


 まさかこれが俺の能力なのか? 酒に酔わない能力? 使えねぇな! いやいや待てよ、ラノベの主人公の中に、そんな感じで毒耐性を上げていったやつがいなかったか?


 ハザンにそんな感じの説明をしてみたら、また可哀想な子を見る目で見られた。


 クッ、やっぱりモヒカンにしてやれば良かった。



 どうやって強化するのか、やり方も聞いてみた。これもそれぞれ違っていた。


 ロレンはカチッと(はま)る感じがすると言った。アンガーも、ああ、そんな感じだなと言った。


 ガンザは(おお)いを外すイメージだと言った。ハザンは足や腕に集めてくる感じ、と表現した。トプルは混ぜてかき回す感じらしい。


 ヤーモは、なるべく何も考えないようにする、と言っていた。ヤーモらしいなと思ったが、それって悟りを開くとか無我の境地ってやつじゃねぇの? すげぇな!


 リュートは、やろうと思えば出来るそうだ。おまえ、世直しの旅とか出た方が良いんじゃねぇの?


 共通するのは集中と、なんらかのトリガーだろうか。


 考えてみると、地球でも火事場の馬鹿力は根拠があるという話だ。脳が無意識にかけているリミッターが外れるらしい。テニスや砲丸投げの選手が、インパクトの瞬間に奇声を発するのは、このリミッターを意図的に外すためだと言われている。


 みんなの言う強化能力も、まるっきりの絵空事ではないのかも知れない。


 カメハメ波についても聞いてみた。


 これはもう達人級の人が、何十年にも渡る壮絶な修行の果てに、辿り着けるとか着けないとかの話になってくるらしい。ハザンとトプルの師匠の師匠にあたる人が、気を放つ相手と闘った事があるとかないとか。どっちだよ!


 がっかりしている俺を、またハザンが可哀想な子を見る目で見てきたので、


 毎日朝晩、カメハメ波出すために瞑想してるハルに、おまえソレ言えんのか?


 と言ってやった。そうしたら明らかに動揺した後、


「ハルならやるかも知れん」と、真面目な顔をして言った。


 俺より親バカがいたよ! 親じゃねーけど。


 ちなみに、砂漠に強いと言う動物『パラシュ』について図鑑で調べてみたら、馬くらいの大きさのトカゲだった。


 俺が世話するんだよな。大丈夫かなーー。ラクダ、居ねえのかな。

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