もう一つの終わりと始まり
それは唐突に起こった。
何処にでもある風景。
普通の高等学校の普通のホームルーム。
そう・・・なるはずだった。
キィン・・・!
世界が止まった。
「えっ」
誰が漏らした声だろうか、
目が、体が、動かせない。
【アァーーーー、んんっん”うん!ドォーーーーもぉーーー神でーーーちゅ!テェーい!】
突然頭の中に声が響く。
【アハッ☆これから、君たち30人・・あれ、一人足りん・・まぁいいや、異世界へいってもらいマウス!!!】
気持ち悪いテンションで頭に響く声は続ける。
【ちな、拒否権はございませヌゥ!チャチャっと魔王たんをやっつけてね!】
【ではでは、期待しちょるよ!!バイバイ!わが子よ!!】
それは一瞬だった。
声が途切れた瞬間、複雑な模様が床に広がる。
【あっ、それと魔王たん沢山おるからマジ頑張って!!オナシャス!!本当にさいなら〜〜】
床に広がった模様が強い光を孕む。
そして・・・
1クラス全ての人間が消えた。
【まさに“神”技!的な?てか、あと一人何処いった?まっまさか彼奴は因果律を曲げたのか?!ま、まじかー(棒)】
ニュクリ。
誰もいなくなった教室の、何もない空間から光が漏れた。
否、それは金髪だった。
【ふぃー、久方ぶりの娑婆の空気うんみゃーーー】
空間から、転がるように出て来たのは小さな金髪幼女だった。
【とりま、腹ペコ丸だから誰かにたかるとしまひょ】
金髪幼女はニカッっと笑い・・・
シュッ!
音を置き去りにして消えるのだった。