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祖母の背
早朝に白ぐ景色に揺らぎつつ
切なさをふと感じた祖母の背は
やがて時計と手を繋ぐようである
あぁ…もうそんなに老いてしまったか
まだまだ知り足りないあなたを
今にでも失いそうで涙する
耳が遠くなり口もあまり回らず
ふと感じた悲しさは
まるで早朝に霧で白ぐ太陽を見るようである
老いゆく祖母はいつの間にか小柄で
背伸びした私はいつの間にか大きく
まだ幼い幼い心内
自身はしかと途方にくれました
いつの日か遠くへ消えそうなその背に
私の抱擁を置くまいと
ただひたすら
あなたの変わらない速足が
私の目に映ったのです




