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哀愁の睡
自分に言い聞かせるように
人に呟き足りないことを囁くように
ひっそり私は目をつむろう。
手の届かぬものには手をかざそう。
目に入らぬものは暗闇でつつもう。
寄りかかろうとして空かされたように
カラッとした虚しさが
背に受ける透けた風より解される。
地につく暇もなく
延々(えんえん)と背に風を受け続けるかのような
眠気と哀愁がまぶたを閉じて行く。
あぁ、これが私がみる夢だ。
さながら幼少期の頃にあるブランコの揺らぎ。
宙に浮きつつも瞬のうちに掴まれる頭。
して、鎖の断ち切る音ゆえ絶望は
向きだされる瞳孔に漂流する。
あぁ、それが私に語るのだ。
言葉の足りないワタシはブランコに揺られながら
私につたつたとつたない言葉をささやいた。
さぁ、瞼をつむれば夜が終わろう。




