はじまり
初めまして何を血迷ったか突然物語を書きたくなり此方に投稿させて頂きました。
文章の基本は大丈夫か、ハラハラしてます。
処女作です。めっちゃ緊張してます。
読んで下さった方の暇潰しになれば幸いです。
更新はゆっくりさせて頂きたいと思っております。
どうぞよろしくお願い致します。
しずみ始めた夕日をながめながら、かよはゆっくりと身じろぎした。
このバスに乗れば家の近くまで送ってくれるのだ。
うでの中には今日遊んだドリームランドのキャラクター人形が抱えられている。
かよは普段ぬいぐるみを欲しがったりしないが、どういう訳かこのぬいぐるみはいたく気に入ってしまったのだ。
お土産が沢山ならんだショップの中、気付くとこのぬいぐるみの前に立っていた。自然と呼ばれたような気がしてじっと見つめるとぬいぐるみもこちらを見返してきたような気がしたのだ。
恐る恐るなでてみると、どうしたことか昔なじみのような親しみを感じお母さんに拝み倒して買ってもらった。
しっかりとぬいぐるみを抱え窓の外をながめていると、とろとろと眠気がおしよせてくる。
今日は楽しかった。
まどろみの中久しぶりの幸福感にほおがゆるむ。
最近上手くいかないことが沢山あった。
お兄ちゃんのこと。
友達のこと。
学校のこと。
今年で四年生になるかよは悩みを抱えていた。
東京に引っ越してきて一年。
友達も出来た。お兄ちゃんとも沢山遊んだ。
ところが最近お兄ちゃんや仲の良かった男の子達が変なのだ。
お兄ちゃんはさっぱり遊んでくれなくなったし、
男の子達もぷいっとそっぽを向くようになってしまった。
かよはその理由が分からなくておろおろしてしまい、それを見かねた女の子が教えてくれた。
「男の子達、女の子と遊ぶのが恥ずかしいのよ」
だけどかよは納得できなかった。
だって昨日まで皆と楽しく遊べていたのに。
かよは魚釣りもボール遊びも、ゲームも好きだ。虫とりだって得意だしカエルだって怖くない。
女の子と遊ぶのも好きだけれど、やっぱり男の子と遊んだほうが楽しいのだ。
それなのにかよが女の子というだけで仲間はずれにされるのは寂しいし、とてもつまらないと思った。
お兄ちゃんも皆も変なの。
バスのゆれは心地よくかよを夢の世界にひっぱっていく。
トトン、トトン。トトン、トトン。
バスの揺れを感じる前にかよは眠りにおちていた。