一章:暁風 その二十三
実を言うと…今までこの世界の地形とかほとんど考えてないんですよね。
いつも書いてる途中でぱぱっと決めてて…。
………すいません。
「原因はさかのぼること七年…だったかな。ここに住むことになったとき城に父さんと二人で呼ばれたんだ。父さんと王様が話しているとき俺は城の中を好きなように見ていいって言われてな」
「いいなー。わたしは呼ばれなかったよー」
「それで使用人の人の付き添いでいろんなところを見て回った。それで窓から下をのぞき込んだときに前のめりになりすぎて…思いっきり頭から落っこちたんだよ」
「え!? その割にはどこにも傷あとがなさそうだけど…」
「あ、ごめん。正確には『落ちかけた』だな。足首をギリギリでつかんでくれたおかげで助かったんだよ」
「へー。それと何が関係あるの? 」
「助かっただけなら良かったんだけどな…。問題はそのあとなんだよ。落ちかけたときに柵がすぐ目の前に迫ってきたショックで尖ったものの先や刃物を見るのが怖くなったんだ」
「えーと、それってつまり…」
「相手が刃物を使ってきた場合、俺はそれに対処できなくなった。ようするに降参してしまうってことだ。っておい大丈夫か? 口開いてるぞ?」
「…………」
三秒間、美鈴の口がどんどん開いていき、そこから一秒間、小さく喉から声が漏れ出て、そして十秒間思いっきり叫んだ。
「えーーーーーー!? そうだったのー!? 」




