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一章:暁風 その二十
記念しなくてもいい二十回目の連載です!
「さっさと旅立てよ」って思う方もいるでしょう。
でも、もう少し。もう少しだけ待って下さい…m(__)m
「ところでさぁ。冒険したくない理由って何系? 」
「はぁ? 」
急な質問に伶は思わず顔をしかめた。
「いや、理由っていっても色々あるじゃん。真面目なこととかどうだっていいこととか…。それだけでも教えてよ」
「いや、どうだっていいことだったらこんな事にはなってないだろ」
「それもそうだけどさ…」
美鈴は指でテーブルの木目をぐるぐるとなぞりだした。
「なぁ、もういいだろ。夜も遅いし…俺が送るからそろそろ諦めて帰ったらどう-」
「あっ」
美鈴の指がぴたりと止まった。
「でも確か伶こう言ってたよね。『俺は誰かを守れるほど強くない』って…。ということは理由はスランプかそれに近いやつってことでしょ?」
「……………」
伶は俯き自分の手元をじっと見つめた。
「あたり? 」
「…………近い、かな」
「やっぱり」
美鈴はくすりと笑みをもらした。




