一章:暁風 その十六
なんかブクマやポイントが増えてる!
いやー、こいつぁめでたい!(=>v<=)
「もう人の荷物をあさるようなマネはしないよな?」
美鈴は正座したままじろりと睨んだ。
「…………何で入ってくるのよ」
「ったく、それが反省する奴の態度か?」
伶は思わず苦笑した。
「誰がお前のために飯を作ってやったと思ってるんだ?」
「じゃあ誰があんたのお財布を握ってると思ってんのよ。修理代を払えるほど生活は潤ってないでしょ?」
「ぐ……」
「ほら言い返せない」
美鈴は勝ち誇ったように立ち上がった。
「今、優位な立場にいるのはあなたじゃなくてわたし。その事をしっかり覚えておくことね」
「あぁ、わかった。その代わり、これが終わった時は覚えてろよ」
「それはどーだか」
美鈴はまた椅子に座りこんだ。
「それにしても、何が楽しくて俺の荷物なんかあさったんだ?」
「そりゃあいとこが健全かどうかぐらい知っていて当然でしょ?あ、そういえば!」
美鈴はガタッと身を乗り出した。
「訊き忘れてた!どうしてあれ持ってなかったの?あれ!」
「いや、あれってなんだよ?」
「だからあれだって!」
「だーかーら!なんのことだよ!」
「………あれ?なんだったっけ?」
「忘れてんのかよ。とりあえず飯ができたから俺はあっち行ってるからな」
「ちょっと待って!もう少しで思い出すから!」
伶は焦った美鈴の声を振り払うようにすたすたとキッチンに向かっていった。