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一章:暁風 その十四
よっしゃあいくぜええええ!
「ふあー、退屈だなー」
美鈴はずっと椅子にふんぞり返って天井を見つめていた。
「ここホントにつまんない。何でわたしが読めないような難しい本しか置いてないのよ」
しばらく部屋をうろうろしたり隣の部屋の物音を聞いてみようと壁に耳をあてたり簡単にやれそうなヒマつぶしをしていたがついにネタがつきてしまった。
「あとできそうなことってあったかな…。うーん。……………………あっ!」
美鈴は勢いよく起き上がった。
「荷物だ!伶の荷物をあさればいいんだ!」
美鈴はふっふっふっと笑い声をもらした。
「何で気がつかなかったんだろう!一緒に旅をするんだもの。いとこが健全かどうかぐらい確かめておかないと!」
そう言って伶の荷物の留め金をパチンと外した。