一章:暁風 その一
いやー、初めての投稿だぜ!
見てくれてありがとうございます!
え、間違えて開いただけ?
…。もうどっちでもいいや。
それでは、どうぞ!
プロローグ
『勇者求む!腕に自信のある者はモンテート城に集え!』
ギルドの貼り紙を赤い瞳の少女がずっと見つめていた。
胸元には、十字架が刻まれた金のボタンが鈍く光っている。
「おい、修道女さんよ。ここはあんたみたいな人が来る場所じゃないぞ」
「……!」
酔ってテーブルに突っ伏している男に言われ、少女は名残惜しそうに何度も振り返りながらギルドを去っていった。
☆
「あ、伶さん。また依頼を達成したんですか?」
ギルドの窓口に並んでいる戦士が銀色の髪をした狐の耳がついた青年に話しかけた。
「あぁ。そうだ」
少しも表情を動かさずに伶は答える。
「へえー。やっぱ一流の剣士は違いますね。俺はまだまだだなー」
伶は戦士の方をちらりと見た。
「そうか?俺だってまだまだ未熟だぞ?」
「いいえ!絶対に違います!」
剣士の声が一段と大きくなった。
「あなたは十四歳という若さでこのギルドに入って、実績をバンバン上げているじゃないですか!」
伶は軽くため息をついた。
「そうは言っても、俺より凄い奴は沢山いるぞ?」
「何言ってるんですか!どうせあなたが言う凄い奴は伝説とされている人達でしょ?」
「まぁ、確かにそうだがその人たちはもっと幼いときに入ったんだ。それに比べれば俺なんてまだ底辺にいるよ」
「相変わらず自分に厳しいですね。少しは自分を褒めたほうがいいですよ」
そう言って剣士は受け付けから報酬を受け取り酒場の方角に歩いていった。
(自分に厳しいか…)
「はい。今回の報酬です」
(だとしても俺なんかが剣士とはとても呼べないよな…)
「あのー、霧谷さん?」
「ん?あぁ、すまない」
報酬を受け取り新たな依頼を確認するためにギルドの貼り紙を見に行った。