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and...  作者: 伊弉諾
4/4

起...

「これからどうすんだ?」



コンビニから適当に食料を手にした俺達は今後について話し合っていたところだった。



「どうするかなんて分からない。何が起きてるかさえも分かってないんだし……」



「ハァー……」



正直どうすればいいのだ。外の状況が分からない以上、迂闊には出歩けない。この化け物にコンビニの服の切れ端が付着してると言うことは、非現実的な話だがこのコンビニの店員が何らかによってこんな姿になったという可能性があること。まだ店員はいるだろう。この化け物が俺達に襲い掛かって来たから、"中身は空"だろうが。だから長くはここにはいられない。仮にそうはならなかったとしてもここに篭っていればやがて食料も尽き、死ぬ事になる。もちろんそうなるまでここにいることは無いだろうが。


どちらにしてもリスクが高いが、行動を起こさなければ始まらない訳だ。



「やっぱりまずは警察署にでも行った方がいいんじゃないか?」



沈黙が続いた中、俺は提案する。警察署にでも行けば何か分かるかも知れない。アニメやゲームでこうなった場合の鉄板だが、こんな状況になると本当にこの考えしか出て来ないものなのだ。

峰澤は何か考える素振りを見せた後、携帯を見ながら言う。



「もうすぐ午後3時だ。警察署は巳両浜の近くだからこっからは大分遠いし、行ったとしても安全とは限らないぞ」



巳両浜【みりょうはま】とはここから大分北へ行った所にある海岸だ。ここらじゃ少し有名な場所で、心霊スポットとして名高く、綺麗な場所だ。だが美しい分、ここからではかなり遠く、車でも数十分は掛かり峰澤の言う通りかなり遠いのだ。



「やっぱりか……。でもここにいたってなんにもならないだろ」



リスクはデカイがその分あとの事は安心になると思って言ったんだが、やはりリスクがデカすぎるか。


余り良い空気では無い中、華村がふと言い出した。


「そういえば、そもそも警察署って機能してるの?」



「……ん?」



「いや、日本は暴力行動を止めないんでしょ?」



「!?」



確かに言われてみればそうだった。


先月、総理が発表したアレがあったか……。正式な名前はないが一部の間では"平和破棄宣言"って呼ばれている。それによれば、日本はあらゆる暴力に対しての拒否行動を放棄するってのがあったか……。



「……どういう意味だよ?」



峰澤は何も分かってはいないようだ。



「先月総理が発表したアレ、分かるよな?」



「おう。俺らの間で言う『平和破棄宣言』とかいうふざけたあれだろ?」「ああ。あれの中身は覚えてるか?」



「確か……『日本はあらゆる防衛及びその手段を放棄する』とかってやつだったか?」



「……まあそんな感じだ。拒否行動を放棄するって事は暴力事件とかにもなんの反応も示さない、則ち警察が動く必要が無いって意味だ。

ただでさえ日本はカネが無い。だから意味のない警察なんか置いとく必要はないって訳だ」



「あっ……。おいおい、じゃあどうすんだ……!」



峰澤が喋りかけていた時、何故か急に黙り込んだ。



「どうした?」



「おい、マジかよ……あれ……」



そう言いながら震える指で後ろを指差す。



「何だよ……っ!」



俺と華村が後ろを向くとそこには倒れたはずの化け物が正に起き上がろうとしていた。



「馬鹿な……。死んだんじゃなかったのか……?」



化け物は立ち上がるとその太く短い足でゆっくりと確実に俺らへと近付く。幸い距離は置いていた為、不意打ちは無かったが。

……なんてこったぁ。



「この……!」



峰澤は即座にネイルガンを構え化け物目掛けて打つ。


……しかし化け物はよろけはするものの、倒れはしなかった。



「なんでだよ……。頭に当たったはずなのに……」



峰澤は更に打つ。だが化け物はやはり倒れない。


生物である以上その機能を司る脳を破壊されれば最早動く事は愚か、生きている事すら敵わない。しかしこの目の前にいる化け物は生きている。という事はこいつは生物じゃない?


いや、考えていても仕方ないことだ。



「それ以上撃つな弾が勿体ない!

こいつは足が遅え。さっさと逃げるぞ!」



「お、おう……」



俺達は踵を返し、この化け物から逃げた。


無事逃げおおせることが出来た俺達は、コンビニを右に曲がった場所にある小さな公園で息を整えることにした。



「なんなんだよ、あれ……」



荒い息遣いをしながら峰澤が呟く。

華村も堪えたらしく息を切らしながらさっき手に入れたスポーツドリンクを口に含んでいた。


俺も疲れた。暫し休憩してよう。


俺はペットボトルの蓋を開け、口に付ける。




「やれやれ、やっぱり一回警察署とかに行かなきゃダメそうだな」



「そうだね……。機能してるかは別として、まずは立て篭もれる場所を探さなきゃ」



峰澤と華村の会話が耳に入った。二人の言う事はもっともだが、行ったとしてあの化け物がいないとは限らない。コンビニにいたあれはコンビニ店員の可能性が高い。だったら警察署にもあれと同じものがいるかも知れないのだ。


武器も必要だが、日本の警察が持つピストルは威力が低いと何かで見たことがある。どの程度の威力かは分からないがまあ無いよりはマシ程度に考えた方がいいだろう。



「さて、あんまりゆっくりもしてられん。動くなら今の内に動いとこう」



俺はベンチから立ち上がり二人の元へと歩く。


ハァー……どこまでやれるかは分からんが逃げる意外にも考えなきゃな。

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