↓「月から落ちたぴょん!」
今日は満月らしい
地球からしたら何億光年も見飽きてる月なんて興味無いだろうな
だが俺は地球じゃないから見飽きてない
(楽しみだ)
夜空を仰ぎ、僅かばかりの日常の高揚感を胸にコンビニで押し売られているであろう月見団子を嘲笑いに行くか
「た、たすけてぴょん!月から落ちたぴょん!!!!」
空き地に寄生をあげて支離滅裂なウサ耳コスプレ不審者が居る。
(ああいう大人にはなりたくないなぁ)
「かぐや姫詐欺か」
本命の男が居るのに結婚を匂わさせて貢がせる初代パパ活女、通称かぐや姫
「そんな身分高くないぴょん!!!!」
ウサ耳がこちらの方を指差し『なんだてめえ』と喧嘩ウサギ耳してきた
身分が低い下民の気持ちが分かるなら話を聞いてやってもいいかもしれない。
「俺は何をしたらいい?」
遠くに設置された街灯が2人の影を作る
空き地に居るハロウィンとお月見を勘違いしてるアバズレ女と対話を図る、果たして図れるのだろうか
「は、話が早い地球人ぴょんね……」
今、巷では『ぴょん』が流行ってるのか?俺もこのビックウェーブに乗ろう
「君のためなら死ねるぴょん」
「口調を真似をしないで欲しいぴょん、あと死なれても迷惑ぴょん」
つめたい、君のためなら死ねない
「それでコスプレうさぎおばさんは何処の精神病棟から?」
近くに何々が出来ると治安の悪化どうたらこうたらすると聞く、高級住宅街に障害者施設を作ると市役所に抗議文がかなり来るとかは口が裂けても言えないので濁す
「お姉さんぴょん!!!!!!!!!!!あとコスプレじゃなくてモノホンぴょん!!!!」
ウサ耳をピコーンとボクシングのジャブみたいにワッシャワッシャと威嚇してる、当たったら痛そう
「言い方が古い、まだ月は白黒テレビか」
何でもかんでも言葉を逆にしたら通っぽく聞こえる病は絶滅したと思ったがまだ生き残りが居たとは
きっとテレビのある家に近所の人が集まってプロレスを見たりしてるんだろう、教科書で見たやつだ
「月の娯楽は餅つきだけぴょん!」
正月だけでもしない俺が居るのに
「それ帰りたいか?」
コスプレおば…ねえさんの設定に合わせよう、テレビだけにチューニングが大切だ
「た、確かに、ユーチューブ無しの生活は辛いぴょん……」
俗世に染まってる
「何系見るの?」
ファスト映画とか公式がネタバレ禁止で配信しちゃいけないゲームの実況とかかな
「プレス機で美少女フィギュア潰されるのとか好きぴょん」
え
「それのファ〇ビー見たか!?」
「見たぴょん!!!ぶるすこふぁー!!!ぶるすこふぁーぴょん!!!!」
「ナデナデシテー!もるすぁ!!!!ふぁーwwwww同士よ……!」
絶対に月まで帰してやる
「同士ぴょん……!」




